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◯【74点】アメリカン・フィクション【解説 考察:裕福なアフリカ系アメリカ人の歪み】◯

アメリカの人種問題って難しいなぁ

はじめに

“まえがき”
閲覧いただきありがとうございます。
本ブログは筆者の鑑賞記録保管を
目的としたブログです。
副収入目的で色々SEO対策をして
おります。
閲覧いただきありがとうございます。

本ブログ記事を読むことで
私が味わった娯楽作品の
カタルシスを追体験できるかも
しれません。

ですがこの記事を読むことで
追体験するのではなく
映画を鑑賞して
自分自身でカタルシスを味わって
ください。
私以上の発見と出会うことが
できるのではないかと思います。
本日はご訪問いただき
ありがとうございます。

製作

2023年アメリカ映画

無意識の見下しのえぐさ

キャスト

キャスト一覧
ジェフリー・ライト
THE BATMAN-ザ・バットマン-
フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊
・ブロークン・フラワーズ
・007 慰めの報酬

スターリング・K・ブラウン
ザ・プレデター
WAVES/ウェイブス
ブラックパンサー

ジョン・オーティス
アメリカン・ギャングスター
・AVP2 エイリアンズVS.プレデター
・世界にひとつのプレイブック
ワイルド・スピード MAX

アダム・ブロディ
・The O.C.
・レディ・オア・ノット
Mr.&Mrs. スミス
・ランド・オブ・ウーマン/優しい雨の降る街で

キース・デイヴィッド
遊星からの物体X
・ゼイリブ
・アルマゲドン
メリーに首ったけ

ネタバレ あらすじ

ネタバレあらすじ
2020年代のアメリカ、
西部のカリフォルニア州ロサンゼルスの
大学教授兼作家の
セロニアス・「モンク」・エリソン
(ジェフリー・ライト)は
生徒への人種差別発言やら
高圧的な態度により
大学側より休職を言い渡される。

アフリカ系アメリカ人で
裕福な家で育った彼は
とても賢く小説は
学会から高く評価を受けているが
売れていない。

新作を書いても
黒人作家の個性を生かしていない
真面目な内容に出版社の受けが
悪く出版されることがない。

大学より彼の故郷で
行われるボストンにて
文学セミナーへの参加を
依頼される彼は
自分と同様にアフリカ系
アメリカ人でありながら
女性でありまた黒人受けの
いいネタを書いて
高く評価され
人気のある作家
シンタラ – イッサ・レイ
のセミナーを見かける。

モンクはこの状況が異様に
思えてしょうがなかった。

実家に帰った
モンクは医者の妹に再会。
父は浮気の末に自殺をしてしまい
他界。
母は最近になって認知症を
患ってしまっていた。

久しぶりに妹との
再会に安堵する文句だったが
突如妹は心筋梗塞で他界してしまう。
残されたのは
不仲でゲイをカミングアウトして
薬物を使いまくって
恋人を取っ替え引っ替えしている
整体師の兄のクリフ。
そして認知症の母と乳母で
家政婦のロレイン。

母の持つ別荘にてモンクは
弁護士のコララインと出会い
交際を始めるのであった。

だが認知症を患った母を
施設に入れるには
多額の金が必要であった。
追い詰められ酔っ払った
モンクはふざけて
自分の意味嫌う
黒人向けのふざけた
ステレオタイプの黒人が
登場して人殺しや
盗みをする小説を
執筆するのであった。

ふざけてエージェントの
アーサー(ジョン・オーティス)
に送りつけたが
まさかの出版社が購入
75万ドルという
前金を掲示されたことに
衝撃を受ける。

アーサーにより
自分を逃亡中の囚人の
スタッグ・R・リーと
名乗ることを指示され
自棄になったモンクは
それを了承。

本は大ヒットし映画の
話まで出てくる。

そのお金でモンクは
母を施設に入れることが
できたのだが
恋人のコララインまで
自分がふざけて書いた
本を高く評価しているといい。

モンクは自分自身が
否定されているように感じ
イラつきがひどくなっていく
のであった。

2024年3月26日
Amazon Prime Video自宅鑑賞
2024年17本目

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概要:アカデミー賞脚色受賞作品

2024年開催のアメリカの映画賞の
アカデミー賞にて脚色賞を受賞した作品
『アメリカン・フィクション』を鑑賞しました。

原作は2001年に発売された
『Erasure』。

監督は
インド人移民2世の男性の
優雅ながらも閉塞感のある恋愛模様が
描かれた『マスター・オブ・ゼロ』。
アメコミの価値を変えた
伝説『ウォッチメン』のその後を描き
黒人女性を次なる神様に導く
ブラックヒーロードラマ『ウォッチメン』。
この二つのストーリーを担当していた。
そして死後の世界の天国の門を描いた
『グッド・プレイス』
それらの素晴らしい作品の脚本を
担当したコード・ジェファーソン。

勿論彼はアフリカ系アメリカ人で
本作の脚本も務めている。

本作は
大学の教授として働く
裕福な家庭で育った評価は高いが
売れない作家が
舐めたこと言ってくる学生を
人種差別的な発言で叱咤したことを
きっかけに故郷のボストンに帰ったら
母が認知症になりかけで
まさかの医者になった妹が突然死。

ゲイで自分勝手な兄と認知症の母の
対処に頭を抱える中
自分が忌み嫌う
ステレオタイプの黒人小説を
批判目的で
ふざけて書いたら
大ヒットで賞候補。

でもその社会の求める
アフリカ系アメリカ人の物語と
自分が描きたい
アフリカ系アメリカ人の高みを
目指したいという意識に葛藤する
というお話。

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アフリカ系アメリカ人による
アフリカ系アメリカ人批判を
気鋭の実力派
アフリカ系アメリカ人の
映画作家が紡ぐ。

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驚愕:展開が意外と遅い

巷では
ステレオタイプの
アフリカ系アメリカ人の物語を
書いた純文学寄りのアフリカ系アメリカ人
がそれが大ヒットして
出版業界に翻弄される物語と
あったがそこが中盤から進行。

合間にアルツハイマーの母親や
妹の唐突な死など主人公の
モンクの人間模様パートが多い。

見ていて思ってたのと違うなぁと思った

展開的にもドギツイなにかが
あるのかなぁと思ったら。
唐突すぎる不条理とも言える
妹の死にむしろ戸惑い、
金が必要になったので
資本主義に手を染めるのを
出来心として描き、彼は大成功を
収めるがそれが全く納得いかない。

なんかモンクという男の物語がそこまでピンとこない

感想考察;裕福な家庭の恵まれたアフリカ系アメリカ人の歪み

正直難しい映画だなぁと思った。
それは自分がアメリカ人じゃないから
だと思う。

裕福な家庭で育ったアフリカ系アメリカ人
というのがまずなんかピンとこない。

そんな彼は常に不満を感じている。

側から見たら成功者なのだが
自分たちアフリカ系アメリカ人が
白人たちに消費されていることに
苛立ちを覚えているからということ。

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難しい

彼はギリギリの生活を
送ってはいない。
お金が必要とも
思ってはいない。
だが白人たちの求める
本は描きたくない。
そしてアフリカ系アメリカ人という
くくりにとらわれない
人間の物語が描きたい。

主張は正しいのだが
それは求められていない。

彼の実家には長年勤める
家政婦がいて
妹は医者。
兄は何やってんだかわからないが
家にはプールがあるし別荘もある。
新しくできた恋人は弁護士だ。

あまりにも上流だがけっして
映画はそれを着飾ることはない
当たり前の姿として描いている。

そんなモンクが
クソ小説を書いて批評をしようと
典型的なアフリカ系アメリカ人の
ギリギリの生活を送る
ステレオタイプな物語を書いたら
白人含めアフリカ系もその物語を
迎合し社会現象に。

根本的に何もかもを無意識に見下しているモンク

アフリカ系アメリカ人として
より高みを登りたいと
優れた自分が導くんだと
思っているモンク。

はっきりいって
善の押し付けなんすよね。

ただそれを自然に考えているから
そういう教育を父親から
受けていたと物語は言及している。

同時に確かに慈しみの心もあり
悲しむこともあるし
人の心も持っているわけで

地につきまくってるからこそモンクの歪みが如実

作品が問題提起する社会問題

アメリカそのものの歪みに
警報を鳴らそうとしているのだけど
同族が同族を馬鹿にしている。

2018年のアメリカの大ヒットヒーロー映画
『ブラックパンサー』でも
同じようにアメリカの
アフリカ系アメリカ人の
アフリカ系アメリカ人に対する
差別意識。
手を取り合っていくべき存在が
それそのものを嘲笑うようにしているという
絶大な歪み。

his
円安の影響もあって貧乏一直線の国で埋もれる自分としてはめちゃめちゃ遠い物語に聞こえるように思える。

ここが凄い:音楽が心地良すぎ

主人公の名前の元ネタが
セロニアス・モンクだと思われ
著名なジャズピアニスト。

映画内はそこからインスパイア
されたのか
事あるごとに心地いい
ジャズピアノが流れて

BGM映画として最高

言葉では形容できない
心地いい楽曲が最高です。

ここが凄い:ジェフリー・ライトの代表作たる

このモンクという
嫌いになれない等身大な男感が
凄まじく
それでいて奥底にある
歪みの体現も素晴らしい。
まさしくジェフリー・ライトの
素晴らしい演技力からなるわけで
今後のジェフリー・ライトの
代表作として本作が必ず上がることは
間違い無いのではないか?

ジェフリー・ライトは
どの映画でもいい味を毎回
出してくれる優れた俳優さんではあるが
主役作品には
あまり恵まれているように思えなかった。
今作が作品全体で体現する
皮肉の濃さのイメージも含めて
ジェフリー・ライトの俳優としての
格を上げたと思う。

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また個人的には存在感の強かった
スターリング・K・ブラウン。

モンクとの比較により父から
愛情をあまりもらえなかったが
母親は彼こそが一番優れた人間であると
思われていたが
それに気づけないという
不条理な存在。
自分自身の本能に従いゲイとして
日夜男を取っ替え引っ替えしている
おいさきも短そうな存在ながら
映画のエモポイントをフォローする。

スターリング・K・ブラウンは
『WAVES』では厳格な父親を演じて
息子を追い詰め破滅させてしまう。
そんな彼自身もそういう
教育で育ったことが感じられる
背景を演技で醸し出す
素晴らしさがあった。
他作品でも多数の賞に
ノミネートする優れた俳優さんで
今後も登場する度存在感を
感じられるのだろうな。

ここがモヤっと:オチが鮮やか

急に物語が飛ぶ。
まさかのモンクの話は嘘だったのか?
と疑問に思うような展開。
どこまでが本当か嘘かよくわからんが
とりあえずモンクは自身の正体を
公表もせず、コララインとも復縁もなく
資本主義社会に迎合し
俗世間に染まり慣れていき
モンクはまたひとつ成長する。

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もしかしたらシンタラもまた
同じ道を歩んでいたのかもしれない。

オチの唐突なふざけた感じに
終始笑ってしまい
鮮やかすぎて

逆に自分は一体この物語の何を見たのか?と困惑してしまった。

his
何が面白いのかもよくわからんぐらいになった。

しかし映画の絶妙に主張をぼやかしたり
モンクの絶妙に嫌いになれない
人間感だっったり
素晴らしい音楽と
絶妙なエモさのベールで
包んだ絶妙なバランスの映画で
製作者の高い技量に脱帽。

考察:小説の方がわかりやすいんだろうなぁ

逆に映画は話が唐突過ぎて不条理が凄い

物語の途中で
ご飯食べていたら急死する妹。

自殺している父親。

白人の女性と結婚して
ゲイだとばれて離婚した兄。

コララインの元夫。

謎の家政婦さんの存在。

などなど劇中には複数の濃い要素が
随所に垣間見られる。

そのどれもがのぞかせる程度で
詳細はぼやけている。

妹は医者として誰よりも努力して
時間を切り詰めた上に
辿り着き母親の面倒も見ていたが
死んでしまった。
もしかしたら過労死で
上流階級に生まれながらも
それぐらい黒人女性が成功するには
高いハードルがあり命を削ることだという
主張が小説にあるかもしれない。

同様に恵まれたかと思われた父は
自殺している。
その理由も小説にはあるかもしれない。

認知症になることは
加齢においては普通かもしれないが
そこにも物語ががあるかもしれない。

そしてあの家政婦は
なぜずっとこの家族を支えているのか?
そして何者なのか?

そういった詳細が全くわからないが
かけらはいくつも散りばめられている。

もしかしたらそれさえも
描かない小説なのかもしれない。

典型的ではないアフリカ系
アメリカ人家族としての物語の
矜持がそこにあったかもしれない。

だからこそ唐突で不条理で
この映画はそこまで
楽しむことができなかった。

hisSCORE

・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 7.3/10
・映像のアプローチ 7.5/10
・映画の美術面 7/10
・キャラクターの魅力 7.7/10
・音楽 10/10
・上映時間と個人的趣味 7/10

74点

本作を予備知識なしで楽しめてる人
まじで賢すぎるか
この映画のこと何もわかってないか?
いやみんなが全然賢いんだろうな。

そして自分自身が結構この映画の
主人公に近い無意識に人を見下す
タイプなんだなぁと反省するのでした。

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