仕事って嫌だよね。そうだ手術して別人格にやってもらおう
製作
2022年アメリカ海外ドラマ
製作総指揮
ベン・スティラー
・スタスキー&ハッチ
・サブマリン
・ビッグ・ボーイズ しあわせの鳥を探して
監督
ベン・スティラー(合計6話)
・ズーランダー
・トロピック・サンダー/史上最低の作戦
・LIFE!
・ズーランダー NO.2
キャスト
あらすじ
2022年9月24日Apple TV+にて自宅鑑賞完了
AppleTV+第2の成功作品か？
『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』
が大成功している
有料ビデオ・オン・デマンドの
Apple TV+。
それでも
Apple製品ユーザーなら
Amazonprimeのようにおまけで
加入しているケースが多いはずなのに
全く話題にならない
『テッド・ラッソ：破天荒コーチがゆく』
ローンチタイトルの
パラレルワールドの宇宙開発を描く
『フォー・オール・マンカインド』
ジェニファー・アニストンと
リース・ウィザースプーン
テレビと映画を制覇した大女優2人が
共演する『ザ・モーニングショー』
の2作品も話題性を集めたが
一番の普及作品になると思われた
『コーダ あいのうた』は日本では
ギャガに買い取られてしまって
無事普及失敗し
挙句の果てに2022年には
Amazon primeに見放題にされる始末。
そんなApple TV＋を救う可能性がある作品が
本作の『セヴェランス』だと思うぐらい良作。
製作総指揮そして監督を
ベン・スティラー。
そして主演兼プロデューサーを
アダム・スコット。
そしてヴィランとも言える
パトリシア・アークエットがつとめ。
その他脇を固める出演者には
名優クリストファー・ウォーケン。
近年ではトランス・フォーマーでの
役柄が印象的なジョン・タトゥーロ。
元はコーエン兄弟の作品が出世作の名優。
2016年以降監督作品のなかった
ベン・スティラー。
『LIFE!』が最高だったにも関わらず
次作はまたもコメディに戻ってしまい
その後の監督作品が気になってたが
まさかのテレビドラマシリーズに登場。
そして現在北米の映像作品のデータベース
ホームページである
Internet Movie Databaseにて
2022年10月7日現在TOP250中103位という
高評作品でシーズン2も決定。
もしかしたらApple TV+を救う
大注目作品になるのではないだろうか？
と思うのである。
仕事の時間の苦しみがもしもなかったら
そりゃぁ仕事をとても楽しんでる人は
いるんだろうなぁと思う。
考えること全てが従業員の喜びや
お金に直結すれば
自分のことを認めてくれる仲間たちが
そして自分のアイデアを認めてくれる
お客様がいれば
そして自分の選択が自分の会社や
自分自身に莫大な利益をもたらせば
寝る間を惜しんで努力したことが
認められれば
誰にも負けたくないと思った先に
掴んだ成功が確かなものであれば
大企業に座って8時間待つだけで
毎月生活にも遊びにも困らない
お金が手に入れば
ストレスと無縁な毎日が
手に入るならば
きっと人生は豊かになるのではないか？
貧富の格差がある社会なのだから
一握りの富の集約の逆に
ストレスに満たされた
持たざる者はほとんどかもしれない。
そんな人々の深層意識にはこの欲望が
あると思うし。
もちろん自分にもある。
仕事したくないなぁ。
そんな悩みを解決しちゃう一つの方法は
仕事の人格を作って切り替えてしまおう。
そんな最高の技術が生まれた世界の物語な
はずなのに
生まれたての女性ヘイリーは
この謎の仕事をさせられ管理させられる
ルーモン産業に自殺を試みるほどに
拒絶反応を示してしまうのであった。
外の世界の状況がわからないまま。
帰宅の為にエレベータに乗れば
また職場にいる状況。
そして全く意味わからない仕事の数々や
会社にある尋問部屋や
謎の仕事の数々。
いつしか別人格たちは
外の世界に
そして本当の自分の人生に
憧れるようになってしまうという
クッソ面白い物語
謎だらけの物語とシーズンフィナーレ
本当に謎だらけの今作。
だだっ広い部屋に
パソコンが4台しかない部屋で
謎の数字をひたすら回収する
主人公たちが在籍するマクロ改良部門。
赤子同然の彼らの好奇心は
管理されつつもも
この世界の真実への探究心
止めることができない。
他部署の仕事では
謎の装置から非効率に生み出される
生活用品。
創業者の彫刻や家を再現したスペース。
謎のヤギの飼育スペース。
無機質な空間に佇む非効率な業務。
ルーモンは会社として
何を目指しているのか？
その真実は全くもってわからない。
同時並行で描かれるマークの日常と元同僚の企み
全く知らない同僚で親友を名乗る
ピーティが現れ
自分達が行ったセヴェランスの危険性
そしてルーモン産業の隠された狙いを
暴くことの大切さや
ゴリゴリに人を殺す彼の協力者。
さらには全く違う人柄の人になっている
上司がガッツリセヴェランスしてない展開など
物語が進行するたび謎が深まっていく
そして最終話にて実施される人格交代劇。
そして明かされるヘリーの正体。
またマークのセヴェランスをする
きっかけとなった
奥さんの死による心の傷。
その奥さんは実は・・・・。
などなど謎が謎を呼びまくる展開は
往年の『LOST』を彷彿うさせる不気味さが最高
良い仕事するベン・スティラー
全10話中6話もガッツリ監督した
ベン・スティラーさん。
終始手堅い映像を堪能できますが
秀逸なのはルーモン産業内の無機質さ。
ファスビンダーの『あやつり人形の世界』のような低予算ながらも画期的なSF感を堪能
だだっ広い部屋に
絶妙なカラーバリエーションで
佇む数台のパソコンなど
絶妙なバランス感覚が凄まじく。
終始異質な世界として
表現をし続けるルーモン産業での
日常がとてもとても見応えたっぷり。
SF映像はどんどんファンタスティック
さが増していく
幻想的な映像が最高だが
ひたすらミニマムでソリッドで
芸術作品の趣な
命の息吹が一切ない無機体なデザインと
色調と物の位置が
美術作品のような映像で最高。
澄んだ空気感を感じさせ
日常とは違う開放された何かを
実感させながらも
そこで過ごす彼らの異常な日常の違和感が
より一層70年代の低予算でパルプ的な
SF映画の雰囲気を醸し出して最高。
そして対比的に日常パートの
渇いた空気感や
閉塞感と日常感のリアルさが最高で
ベン・スティラーさん普通に映画うま過ぎ
でした。
いやマジで面白かった。
不気味な演技も最高
トラメル・ティルマンさん演じる
管理職の不気味な演技が最高でした。
彼も記憶を維持できる
ルーモン産業の人間で。
ある種実験隊であるマークたちを監視
しているんだろうなぁと思う。
謎のルーモンのルールの教育ビデオとか
拷問部屋のような部屋での対応。
赤子をあやすもしくは精神病院の
スタッフのような不気味な扱いの数々や
狂ったように踊る展開など
作品の面白さを一気に押し上げてる。
伏線の散りばめ方がえぐいから展開次第ではシーズン進むと一気に面白くなくなると思うけど
今後も大期待したい作品です
