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☆グレート・ビューティー/追憶のローマ「長々と論じれないぐらい良い!」90点☆

「心地よく、美しく、そして息苦しい。」

グレート・ビューティー/追憶のローマ
イタリア2013年イタリア・フランス映画フランス

第86回アカデミー賞で外国語映画賞を受賞した作品。
ちなみに86回は『ゼロ・グラビティ』『それでも夜はあける』『ダラス・バイヤーズ・クラブ』『her/世界でひとつの彼女』などが競っていた。
本作はパオロ・ソレンティーノ監督の作品で、日本ではまだ無名だが、2000年代から活躍し、イタリアでは多くの支持を集めている映画監督のようだ。
近年では『イル・ディーヴォ 魔王と呼ばれた男』『きっと ここが帰る場所』などを撮った監督。
自分は、『イル・ディーヴォ』をレンタルして視聴したが、イタリアの首相の大型スキャンダルを描いた作品なのだが、そのスキャンダルを知らず、イタリアの歴史にも疎く、楽しむことは出来なかった…。
本作のイメージは『8 1/2』に似ていた。
本作の自分の感想としては、本作の監督、パオロさんと同じ国の映画監督のフェデリコ・フェリーニの作品に似た印象を受けた。
実際見たこと無いが、フェリーニの『甘い生活』がまさにローマを舞台にした作品で、豪奢で退廃的な上流階級の生態、その場限りの乱痴気騒ぎやアバンチュール、社会を生きる上で指針やモラルを失った現代人の不毛な生き方を、マルチェロの退廃的な生活を通じて描く。という部分は本作に共通していると断言できると思う。
個人的な似ていると思ったイメージは、主人公が作家でアイデアを失っている。表面上は苦しんでいないが、深層意識ではとても苦しんでいる。
そういった年老いた登場人物がいっぱい出てくるけど、いつも乱痴気騒ぎで紛らわしている。
退廃していた生き方の中に、想像の世界の美しさとローマというものが秘めた古代の荘厳な建物のディテールとそれを印象的に撮った映像一つ一つが雄大で、またそれを更に美化する音楽が大変素晴らしく、心地良過ぎて一瞬で眠ることもできそうだった。
あと似ているイメージは、様々な女性が多く出てくること。
そこにやはり生死の観念などが出てくる。
「これからは自分の時間を無駄にしないようにしよう」と女性の部屋を後にしたり、興味を持った女性がああなったり、老人の主人公が直面するこの創造と破滅の物語の儚さはアメリカ映画とは違う叙情的でヨーロッパ的だけども揺るがない根幹があった。
と長々と書きたいが、こんな感じで終わってしまう感想。
台詞も1つ1つが叙情的でシーンも練られていて1つ1つ意味がある。「アバズレ」と昔なじみのように家政婦に言う姿は、温もりと共に妻ではない家政婦という他人とでしか作れない絆の痛みを感じる。そういうことが映画内で延々と繰り広げられる。味わい深い。
2時間20分長いとも思えるが心地よく、そしてあのラストシーンは、心に染みる名作でした。
メモ得点メモ
物語 9/10
作品の上映時間の長さとテンポとそれに伴う映画の奥深さ 8.5/10
キャラクターの魅力 9/10
監督の映像演出と印象的なシーン、映像を使った話の描き方 10/10
音楽 10/10
俺の趣味 9/10
90

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