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△【59点】007 ノー・タイム・トゥ・ダイ【解説 考察:等身大のスパイの終わり】△

気がつけば就任から15年

製作

2021年イギリス・アメリカ映画

ダニエルボンド完結

監督

キャリー・フクナガ
・闇の列車、光の旅
・ビースト・オブ・ノー・ネーション
TRUE DETECTIVE/二人の刑事

キャスト

キャスト一覧
ダニエル・クレイグ
・007 カジノ・ロワイヤル
・007 スカイフォール
007 スペクター
・007 慰めの報酬

レア・セドゥ
007 スペクター
アデル、ブルーは熱い色
グランド・ブダペスト・ホテル

ラミ・マレック
ボヘミアン・ラプソディ
・MR. ROBOT/ミスター・ロボット
・パピヨン
ザ・マスター

レイフ・ファインズ
グランド・ブダペスト・ホテル
ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2
・ナイロビの蜂
シンドラーのリスト

ナオミ・ハリス
・ムーンライト
・28日後…
007 スカイフォール
・素晴らしきかな、人生

ベン・ウィショー
ロブスター
クラウド アトラス
・パフューム ある人殺しの物語
・メリー・ポピンズ リターンズ

ジェフリー・ライト
・シャフト
・クライシス・オブ・アメリカ
・ブロークン・フラワーズ
ハンガー・ゲーム FINAL: レジスタンス

クリストフ・ヴァルツ
ジャンゴ 繋がれざる者
・イングロリアス・バスターズ
・ゼロの未来
おとなのけんか

アナ・デ・アルマス
・ブレードランナー 2049
ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密

ネタバレ あらすじ

ネタバレあらすじ
ジェームズ・ボンド
(ダニエル・クレイグ)は
MI6を脱退し、
愛する歳の離れた女性、
マドレーヌ(レア・セドゥ)と
世界各地を幸せに巡っていた。
しかしマドレーヌは過去に
父のホワイトが殺害した家族の
遺族の1人サフィン(ラミ・マレック)
により報復を受け母親を
殺害されたが命を救われたのを
思い出した。

イタリアの南部マテーラにて
過去を葬るしきたりに従う2人。
マドレーヌはサフィンがつけていた
能面のことを。
そしてボンドは、初ミッションで
失ってしまったヴェスパの墓参りに
行き過去を清算しようと考えた。
だが捕まえたはずの犯罪秘密結社
スペクターの残党の襲撃に遭う。

スペクターこと
ブロフェルド(クリストフ・ヴァルツ)
は今でもMI6の監視下のもと
ロンドンにいる。
ボンドは危機を脱するが、
行動がばれていることが
マドレーヌが原因であると疑い、
愛する彼女と別れ逃亡生活を始める。

それから5年後。
ロンドンのMI6の化学研究所にて
スペクターが化学兵器の強奪を実行。
しかしスペクターを今でも
恨んでいるサフィンはその情報を
既に知っており重要人物である
研究者のオブルチェフを抱き込み、
計画を乗っ取ろうとしていた。
そして彼はスペクターに回収される。

その兵器について
イギリスはアメリカと
対立関係にあった。
回収を試みるMI6部長の
M(レイフ・ファインズ)
新たなる007であるノーミに
回収作戦の実行指示を行う。

そしてジャマイカにて隠居生活を
していたボンドの元に
アメリカCIAエージェントで
旧知の友フィリックス
(ジェフリー・ライト)が接触をし
オブルチェフ救出作戦を
政府からの派遣のアッシュと共に
依頼をしに現れる。
最初は断るボンドだが、
ノーミが現れ威嚇され、
Mとも連絡を取ったボンドは、
フィリックスの頼みを受け
キューバにて派遣された
エージェントと共に
救出任務に赴くのだが、
オブルチェフは既にスペクターの
指示にて化学兵器を
完成させていたが彼は、
設定を変えた。

そしてボンドの
動きはスペクターに筒抜けだった。
キューバのオブルチェフが
いるとされる場所には
大量のスペクターの関係者がいた。
そこで囚われているはずの
ブロフェルドの誕生日会が
行われていた。

そして意外にも会場の照明が
ボンドにあたる。

動揺するボンド、
そして化学兵器が発動。
ボンドに向けてそれは調合された
はずだったのだが、
スペクター関係者が苦しみ出す。
なんとオブルチェフが
サフィンに協力し
化学兵器の設定を変えていた。

化学兵器は登録したDNAの持ち主を
破壊するナノマシーンだった。

その脅威は近いDNAを持つ
家族にまで及んでしまう。
超危険な兵器だ。

オブルチェフを捕まえることに
成功したボンドは、
フィリックスとアッシュの待つ
海上の船にたどり着く
だがアッシュはサフィンの
手下だった。
アッシュにより
致命傷を負った
フィリックスは死亡。
どうにかロンドンに
帰国したボンドは
MI6に赴きサフィンを倒すために
協力する。

そしてMI6は
ブロフェルドへの尋問を
実行する。

2021年10月2日IMAXGT版鑑賞
2021年57本目



ダニエルボンドの完結編

2006年から始まった
ダニエル・クレイグの007こと
ジェームズ・ボンドも
5作目にして最終作。
思えばここまで15年。

嬉しいことにダニエル・ボンドは
1作目が原作小説の
『カジノ・ロワイヤル』の
再映画化だったわけで、
完成したセクシーな
アイドルスパイではなく、
無骨で荒々しく
ミスも多い新米スパイとして
描かれたジェームズ・ボンドが
これまでとは一線を画す内容の
成長物語である点や
等身大感もありエモく
既存路線の
紳士感というものがなく、
スケコマシ感もなくて
本当に全く新しいものが
あったわけです。

ただ結局
往年の流れに戻そう!と
全く新しくて
かっこいいことしたい!
の間に揺れていることも多く、
北米映画データベース
IMDbでは、
ダニエル・クレイグの007が
最高評価を得ていたり
だが続編は結構評価が低かったりと
制作に難儀しているように思えた。

ただ自分としても
一番多く見た007だったなぁと。

そんなダニエルボンドとも
今作でお別れ。

ただ前作『スペクター』の時点で
契約切れとか
ゴシップ情報も多く。
もう食傷気味なとこはあった。

そして本作でのボンドさん
というかダニエル・クレイグさん

『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』
の役柄残っていた。
嫌いじゃないけども。

IMAXGTのシーンすご

via GIPHY

というわけで
IMAXGT
東京のグランドシネマサンシャイン
にて見ましたよ。
今作品は1.43 : 1にて
IMAXカメラで撮影されており、
普通の映画なら横長ですが、
縦も長くて正方形に近い
視界いっぱいに映画が広がる
映画ファンの夢のような世界が
広がるわけです。
もちろん座席も完売コースでした。
まぁ残念ながら席が微妙だったので
前の人の頭は被ってしまったんですが

やっぱりIMAXGTすごいし美しい

しかし2時間40分のうちほぼ前半のみ。。。

いやまぁ本当にすごかった。

キャリー・フクナガさん
『トゥルー・ディテクティブ』
シーズン1にて海外ドラマとは
思えない広角映像の数々
絶妙な距離にて被写体を写す
映画的な手法がとても素晴らしいし
空撮と長回しを掛け合わせ、
内容含め神懸かった作品でした。
その実力を序盤のIMAXにて
超発揮していた。

空撮の超広角も美しいし、
アクション映像との距離というのも
わかっている。
サーカススタントとも思える
バイクのスタントなど迫力が凄まじい。

人間同士の間の取り方なども見事で
本当に序盤はめちゃんこ面白かった。

やはり長い

via GIPHY

2時間43分は
予告編を含めれば3時近く劇場の座席に
固定されなければいけない。

やはり長い。

これが終始最高の映像が続くとか
ならまだ良いのだが、
そういうわけでもないのだ。
おしゃべりのシーンもあるし。
ポリコレを配慮してか
無駄に女性が多い。
アナ・デ・アルマスが最高だったが、
本当に必要だったか?
まぁ007と言えばボンドガールだから
必要ではあると思うのだが、

近年のポリコレを意識してか、
映画内2代目007を
『キャプテン・マーベル』の
モニカ・ランボーの俳優さんが
演じている。
好感はあるのだが、
その製作背景はポリコレじゃないか?

全方位に抑えようとすると
時間が必要になる。
映画の上映時間が増える。

映画は短い方が洗練されている

近年のポリコレ要素が
娯楽映画の質を落としつつ
あることは明白だが、
それをわからないようにするのが
優れた映画の条件なんだよなぁ。

またこれはキャリー・フクナガさんが
海外ドラマ症候群なる
人間ドラマに注力して
尺を勘違いしてしまっていた
のではないか?と思ってしまう
部分もあるのです。

逆に海外ドラマの方が良かった?
なんて思ってしまったり。。。

サフィンが脚本装置でしかない??

via GIPHY

これまたなんだかなぁ
と思ってしまったのが、
悪役のサフィン。

まぁ次回作は娯楽エンタメの
007でも問題ないように
本当にやばいタイプの悪役は
出さないし
本当に中身のあって地の足についた
悪役は選択しづらかったんだと思う。

このサフィンという男、
父親が毒を研究していたとかで
またスペクターのせいで、
家族を殺されその後遺症で
顔面の肌がただれちゃっている。

不幸の中で何故かテロリストに
なってロシアと日本の間の島に
要塞兼研究所を作ったというやつ。

一応過去に犯罪組織の
訓練を受けていたのかもしれないが、
それでも組織を
率いれる存在になるとか。

しかも超巨大犯罪組織
スペクターを打倒とか。。。

まぁシリーズ完結編だし、
それでも良いかなぁと思うが。。。

それで結局このサフィンが
何をしたかったのかよくわからない。
何故ボンドの娘を奪おうとしたのか?
どうしてマドレーヌを救い、
彼女に愛しているのだろうか?
まるでジェームズ・ボンドと
真逆の
愛情を持つ存在という
歪んだ何かとして
対立構造を具現化しただけの
悪役だった。

さらに序盤の悪役は結局
ブロフェルドだったわけで、
無駄に登場人物も多く
対立構造も多く、
むしろこのサフィンの目的が
全くわからない。
そもそもあの化学兵器を
使って何をしたかったのか?
金儲けっぽい描写だったが、
それならそれで、
なんでマドレーヌを連れてきて
MI6が攻めてくる布石を
作ってしまったのか?

マジで謎

またブロフェルドがそもそも
ジェームズの義兄弟で
真逆の悪の限りを尽くし
ジェームズを不幸にしたいという
バットマンとジョーカーの
対立関係があったわけだが、
今作は最終作にして
マジで謎キャラ。

そしてそれを
アカデミー賞を受賞した
俳優が妙にキャラに入り込んで
演じるという最近よく見るダメな
キャラすぎて困惑。

あとプリモさん
ブロフェルドからサフィンに
乗り換えてますが
ブロフェルドともあるものが、
大切な監視役をさせる
人が裏切るのわかってなくて
ブロフェルドの目節穴かよ。

でも畳のエレベータ描写は最高に面白かったです。

サフィンってどこの国籍の人
だったのだろうか?

一番美味しいのはアナ・デ・アルマス

いやまぁ最高でした。
まさかの新米スパイ役という
若さ全快で美貌も全快。
しかもポリコレ要素か
無駄な濡れ場も無く、
可愛くてセクシーでかっこいい
そして無駄な登場シーンが一切なく
もしかしたら終盤にまたくる?
かと思いきや本当に出てこなくて
いい意味で後ろ髪ひかれました。
いやまぁ最高過ぎる。
本当に美味しい。

via GIPHY

さようならダニエルボンド

というわけで
最後には愛する恋人に
甘い言葉を吐いて
ミサイルが直撃して
木っ端微塵になったと思われる
ジェームズ・ボンドさん。

あくまでも等身大感を出してきた
ジェームズ・ボンドとして、
やはり老いや時代
愛や歪みや
強大な兵器の前では、
無力な人間だったなぁと。

トム・クルーズだったら
多分あそこから海に飛び込んで、
エピローグで陰ながら2人を見守る
陰湿な感じが笑えるんだけど
最後の最後で長距離からの
笑顔とかあるんだろうなぁ。
その冴えなさが好きなんだが、
まぁ今作はその後も
登場せず完全に死亡?

しかしエンドクレジットの最後に

ジェームズ・ボンド・
ウィル・リターン

とのことで、
きっと『アベンジャーズ』に
ジェームズ・ボンド参戦!!

いや流石に何も出来ねぇだろ。

そんなわけで人間臭過ぎる
エモエモなダニエル・ボンド。
やっぱり嫌いになれないなぁ。

しかしUHDいる?
って聞かれたら

いらない
と断るなぁ。。

hisSCORE

・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 4/10
・映像のアプローチ 8/10
・映画の美術面 7/10
・キャラクターの魅力 5/10
・音楽 6.5/10
・上映時間と個人的趣味 6/10

59点

ハンス・ジマーさん前半の
IMAXの映像と合わさって最高でした。

Qことベン・ウィショーを
久しぶりに見たけど味があって
良かった。しっかりゲイでしたね。

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