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☆サブマリン 2011年度87本目☆at東京国際映画祭2011

「ホットレモンが必要。」

$A Little his REDEMPTION.~season Ⅵ~-サブマリン

アメリカ2010年イギリス制作イギリス
監督
リチャード・アヨイド
予告編

lemon.あらすじlemon.
1986年のイギリスのスワンシーという地方に15歳の少年のオリバーがいた。
彼は、一風変わったよくいる少年だった。
彼は同じクラスメイトのジョルダナにべた惚れしていた。何故なら彼女はそれなりに可愛いし、競争相手もいないと思われるからだ。(他の男と別れたばっかりだけども)
彼女と親しくなる為に、他の生徒へのいじめにも加担したりしたのだが、やり過ぎたと思ったオリバーは、その子への励ましの手紙をこしらえるのだが、それを意中のジョルダナに見つかってしまい…。
ジョルダナはそれを利用して元カレに嫌がらせを考えていたのだが、貧弱なオリバーは遇えなくそいつにボコされてしまう。ジョルダナの株も暴落寸前の所でオリバーは男気を見せて、オリバーのみがボコボコになりその場はおさまった。
それに心動かされたジョルダナは、オリバーの彼女になり、二人は幸せな日々を送るのだった。
そして物語は第3部へ移行する。
オリバーの近所には忍者が住んでいた。その忍者はマジで変なおじさんなのだが、オリバーの母親と親しくなり始め…。
またジョルダナとの関係の問題が発生、大きな問題に直面したオリバーは、無気力な父親に立ち上がってほしいオリバーだったが、海洋学者の父は日々海底に潜った潜水艦のようだった…。
2011年10月24日鑑賞



lemon.感想lemon.
リチャード・アヨイドをご存知だろうか?
正直言えば、そもそもリチャード・ヨイドなんて読むのかさえ不明なんだけれど、 正確にはRichard Ayoadeという人なんだけれど、このイギリスの人は、元々テレビ番組を監督したりしているのですが。
あとはコメディアンなどをやっていたり、番組自体にも出演したりしているようですが、彼はmusic videoを監督もしているのですが、その手がけたアーティストがなかなかの大物揃いでして、代表的なアーティストはindie rockの象徴とも言えるアークティック・モンキーズのプロモーションビデオなどを監督している方です。(非常に面白い作品が多いのでどうにかして特集したいとは思います。)
また彼らのライブ映画も監督しているというわけでフロントマンのアレックスとは、強い信頼関係に結ばれているわけです。
そのリチャードさんの長編劇映画の監督初作品が本作『サブマリン』というわけです。
この時点で映画好きの方は、いまいちピンと来ないかもしれませんがこの映画がまたずば抜けて面白いわけです。
面白いという言葉には、広義がありますが私にとっては、この映画はイギリスからの素晴らしい贈り物だったわけですよ。
この映画実は古い映画なんじゃないか?
もしかしたらこの映画、2010年に製作されたというのは嘘で、この映画を見る前に見た『永遠の僕たち』の酷似ネタ『ハロルドとモード』と同年代に作られて、今まで封印されていたのではなかっただろうか?
筆者は本作を東京国際映画祭で見たわけなのだが、上映が始まった時、映像が異常に荒かった。筆者はてっきりデジタル上映を期待していたし、そもそもは予告編なんて全く見ていなかったし、そもそも日本では本作を知っている人少ないだろうし、しかもこの映画についての情報は全く知らないし、見終わって検索してリチャードの映画だって知ったわけですし、それが急に上映始まったと思ったら、映像が酷く劣化されていて、ブルーバックの映像(これ学生時代の勉強時以来のブルーバックだぞい。)が出たり、挙げ句に字幕が右端に出たり、映像へのアプローチもびっくりだ、意味深なアップやカット割り、映画の舞台も現代劇かと思いきや舞台自体も1986年と驚きの連続。意味深過ぎる、今時はやらないであろう幕構成の導入。「どっからの掘り出し物だよ。」なんて思ったわけだが、ようやくその独特な映像の作り方にアークティック・モンキーズのPVを思い出したわけです。
この映画リスペクト80年代なのかもしれない。
そう思った時、自身の中で映画的価値の高騰が起こったわけでして。
そして未だに本当は80年代の映画かもしれないと思っているわけでしたが、あることでようやく10年代の映画だって気づくのです。
場内にアレックスの歌声が響く(字幕付きで)
このアレックスというのが、アークティック・モンキーズのボーカルであるわけです。
その独特な歌詞もやはり見事ですが、映画内は80年代を描きながら、BGMというか挿入歌は今を象徴するモンスターバンドの書き下ろしの歌が流れるという絶妙なバランスの壊し方。
見ている側を80年代と10年代に行ったり来たりさせてくれる。
その体験だけでも筆者は満足だったわけですが、それ以外も映画として良く出来ている。
『天才マックスの世界』を知ってるか?
皆さんは『天才マックスの世界』という映画を知っていますか?本作は高校を何年も留年する青年がいるのだが、彼は人と違うことが凄く得意だったわけで、そんな彼がいじめられっこの生徒の父親と仲良くなったりするわけだが、そこに美人先生が出てきて、まさかの友人である生徒の父親と三角関係になってしまうというわけだ。本作は内容よりも独特なトーンが印象的で、本作を監督しているのがウェス・アンダーソンという方なのだが、彼の映画も今では評価が高いものが多く、近年では『ファンタスティックMr.フォックス』などもアカデミー賞にノミネートした程だ。
その『天才マックスの世界』に『サブマリン』はなかなか似ている。
主人公の少年は、人が気にしないようなことを気にしているし、マメ過ぎたり、好きな女の子の選び方も独特、ファッションも独特で、マックスを現代風にアレンジしたような存在だ。
また普通少年が首を突っ込まないようなことに率先して突っ込んで行く姿にもなかなか似ている。
そしてこちらにも独特なトーンがあるので、二つの映画は厳密には大幅な違いがあるものの、ずば抜けたセンスを比較すると同じジャンルの映画とも考えられる。ウェス・アンダーソンファンには注目すべき監督と映画が生まれた。
流石にイギリスとアメリカで公開されたが日本では未公開が濃厚な本作である為に、情報に乏しく憶測ばかりで話ことになるのが、読んでいる人に申し訳ない。
「ホットレモンが必要。」
本作はモノローグがメインで、そのモノローグもなかなか面白い。
コメディ映画であるので、キャラクターの出てくる間合いがなかなか面白い。
ぼけとしての忍者などもなかなか良い。
だがしかし本作は何故『潜水艦』というタイトルなんだろうか?
それは本作を見ていただければ分かる。
その起因は「ホットレモンを飲むと落ち着く」から来ている。
オリバーは、自己中でなかなか嫌な奴だ。
ジョルダナと結ばれながらも幕が変われば、それ以上に大きな問題に首を突っ込んでしまう。
その結果、オリバーは本当の意味で大人になる。(笑)
ホットレモンの味と意味を知るのだ。
深海にいるような複雑な気持ちを抱えた時、ホットレモンが必要なのだ。(遺伝的に)
その状況こそが、潜水艦だったのだ…。
イギリスのコメディとして上質?
本作は世界的に好評を得ている作品だ。
流石に無名過ぎるので、日本のような商業主義の興行ではなかなか見る事ができないかもしれない。
しかし本作は非常に優れた映画だ。優れたコメディであり、絶妙に15歳の気持ちを体現した青春ドラマであり、独特なトーンで個性も強い。そして精密な脚本ではっとするシーンもあったりするし、あたかも80年代のイギリス映画のような古くささを笑いのように詰め込んでいるかと思いきや、オマージュとも受けとめられ、ところがどっこい時代を先行するアーティストの優れた音楽が流れてきたりと至れり尽くせりな内容だ。また印象的なブルーバックの利用やエンドロールの使い方などおしゃれ先行な映画でもある。
この映画を筆者は大好きだ。
日本公開できることを願っている。
メモ得点メモ
9
見れて良かった。とてもBlu-rayが欲しい。ただ予告編を見た限りだけど、東京国際映画祭で上映した本作は少しフィルムの状態悪過ぎではないか?(笑)

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