ウェス・アンダーソン、演技についてかく語りける
★この記事をまとめるとこんな感じ★
はじめに
製作
2023年アメリカ映画
新聞に続き50年代の演技に思いを馳せて
監督
ウェス・アンダーソン
・犬ヶ島
・ファンタスティック Mr.FOX
・ザ・ロイヤル・テネンバウムズ
・グランド・ブダペスト・ホテル
「アステロイド・シティ」にはどのようなキャストが出演していますか?
キャスト
ネタバレ あらすじ
2023年9月2日劇場鑑賞
2023年37本目
広告と中身違う映画は流石にきつい
ウェス・アンダーソン監督の
最新作が前作から僅か2年で登場。
直近の4作が
20世紀FOX関連なので
今作も同様と思い
そのうちディズニープラスに
来るでしょうと思ったら
今作は
『ムーンライズ・キングダム』
同様に製作がユニバーサル傘下の
フォーカス・フィーチャーズ。
ワンチャン、Amazonprimeにて
見放題になるかもしれなかったが
1年後とかになるかも
しれなかったので
そんなに前評判は良くなかったが
劇場に足を運びました。
と始まって数分で宣伝などで
聞いてたあらすじと違うことが発覚
あらすじでは
アステロイド・シティという
紀元前に隕石が落ちた超田舎町での
群像劇と記載があり。
風変わりなSF人間ドラマと
思っていたら始まって数分で
上記の舞台の舞台裏を描く
テレビ番組という内容だとわかる。
また最初期に登場する
本作の脚本を描いた人の
小難しい台詞回しから導かれる
キャラクターたちの
セリフの小難しさや長台詞の数々と
そして独特の間。
さらにそのキャラを
演じる俳優同士の
やり取りが僅かに
時系列をずらして描かれて
脳の疲労が異常でめっちゃ眠くなる
描かれる舞台の内容も
変わった人たちの
コミニケーションの数々に終始。
映画の終盤では
映画内作家の意向により
見終わってすっきりベッドで眠れて
気持ちよく朝を迎えられる
気持ちのいい終わり方にしたいと。
それにむかって小難しさも抜けて
さっぱり。
前向きな人間関係が
軽く描かれるわけで
いつもみたいな感じの終わり方で
テレビ番組内舞台が終わり
映画は終わったわけでした。
?
どんな気持ちで見ていいかわからなかった
まじで見ていて難し過ぎて
辛かったわけですが
映画のラストは
テレビ番組のラストでもないし
舞台を演じていた俳優でもなく
舞台部分の映画が普通に終わって
映画が終わったわけで。
いやまぁ技術力の高さは
終始実感できたし
きっと何かしらの物語に対し
メタファーや監督の意思
というものがあったんだろうなぁと
思いまして
パンフレットを購入し熟読。
なかなか筆も進まず
いやまぁ凄いのがこの映画
舞台パートもしっかり作られてるし
舞台裏パートにも物語がある。
それをまとめようとする
テレビパートが映画舞台に干渉も
してくるという混沌ぶり。
前作の
『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』
では雑誌のコラムそのものを
映像化するという
オムニバス形式の短編集に
近い作風ながらも
それをまとめる雑誌という
コンセプトの底力で
監督の趣向が濃縮されていたが
今作はさらにその向こう側として
舞台パートの映像化も本気で作るし
テレビ番組で描かれる舞台裏も
しっかり作るし時系列は狂わす。
テレビ番組パートも短いながらも
しっかり作る。
美術面もそれぞれの個性を考え
こだわりも凄まじい。
テレビ番組パートと
舞台裏パートは白黒。
舞台パートはパステルカラー調の
鮮やかな映像で描きながらも
まるでTVドラマのように
登場する建物はキュッと絞られ
それも非常に近い感覚にある。
シットコムにも思えるような
作りの一夜上のような町の
キッシュな感じは
まさにウェス・アンダーソンの世界。
登場するキャラクターの
名だたる最高級ブランドの
オーダーメイドで作ったような
美しい衣装を
さらっと着崩し独特な空気感を
単調にそして長文で難解に語る
キャラクターたち。
そのキャラクターも
役名は2つあるという
凝り過ぎた感じ。
まじクリエイターとしては凄すぎる
これこそ現在進行で
進化するウェス・アンダーソン監督の
映画作品なんだなぁと感じながらも
そのスキルを楽しむには
軽い気持ちで映画館の座席に座るには
覚悟が足りなかったような。
と言われてしまったら
その通りでしかないわけですが。
楽しすぎる映像感
とコダックのフィルムで
撮ったらしい本作。
映像の鮮やかさや
こだわりの数々や
見事すぎる構図の数々。
映画内映画でカメラマンが登場する
わけで映像の構図のこだわりは
とても高くて面白い。
いつもの
ウェス・アンダーソンといえば
そうなんだが
冒頭から終始楽しい。
本当に楽しい。
考えなければ楽しい。
見守るだけで
映画内の理解に入り込む必要なんて
なかったのかもしれない。
しかし舞台側は舞台側で
意味深な人間関係の発展や
奥さんを失ったことを
家族に言えない青年やら
その義理の父との関係。
たまたま出会った
マリリン・モンロー風で
ちょっと病んだ女性や
隕石を回収に来た宇宙人のせいで
隔離されてしまった人々の姿。
そして天才少年たちの
発明のユーモアっぷりなど
中身的にもいつもの
ウェス・アンダーソン節が
繰り広げられてしまうのだが
それはフェイクなんだよなぁと
頭が堂々巡り。
風変わりなモーテルの美しさ
荒野の美しさ。
上記の発明の演出。
宇宙人の登場は
再びのストップモーションアニメ
風変わりな美しい光景は
現在進行形のウェス・アンダーソンの境地
が確かに堪能できた。
めちゃめちゃモチーフのある50年代
そしてそして
いつも以上に難解な作品だと
思ったのが舞台の1950年代というところ。
監督として今作では
前作の雑誌という視点から
俳優や演技についての
それに関わる産業についての
持論が繰り広げられている。
舞台については舞台裏や
作家と俳優のやり取りについて
メソッド手法の役そのものの
人間に心からなることで
最高の演技ができると
考える人たちをフューチャー。
そしてテレビ番組については
設定以外にも
劇中の舞台の構成は
監督としてはTV番組を
意識していた。
そして舞台の中身では
当時の映画俳優の
マリリン・モンローのモチーフ。
そして舞台裏では
演技に悩む青年は
ジェームズ・ディーンがモチーフで
彼自身同性愛者だった可能性もあり
舞台作家と恋に落ちるという
描写もあったりと
監督自身は1969年生まれだが
50年代の映画や舞台に
思いを馳せて作品として
その思いを持ち込んでいる。
とそんなこと言われても
全然ピンとこない。
hisSCORE
・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 7.8/10
・映像のアプローチ 9/10
・映画の美術面 10/10
・キャラクターの魅力 7.5/10
・音楽 8/10
・上映時間と個人的趣味 6/10
78点
パンフレットに町山さんが
ウェス・アンダーソンの映画は
全て『死』を扱っていると
言っていて全く気づかなかったが
本当にそうだった。
『死』と少年や青年についての
物語無茶苦茶多いもんなぁと
改めて思うのでした。
面白くはなかったが
終始凄ささに驚きながらも
眠気と戦い続けた。
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