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☆プロジェクト・ニム 2011年度88本目☆at東京国際映画祭2011

「『猿の惑星創世記』は現実に起きたかもしれない。」

$A Little his REDEMPTION.~season Ⅵ~-プロジェクト・ニム

アメリカ2011年アメリカ制作アメリカ
監督
ジェームズ・マーシュ
(マン・オン・ワイヤー)
予告編

ゴリあらすじゴリ
1970年代にコロンビア大学内である研究が行われた。
それはDNAの配列が人間とわずかにしか違わないチンパンジーは人間とコミュニケーションが取れるのではないか?ということを研究することだった。
それに抜擢されたのが、生まれたてのチンパンジーのニムだった。ニムは、生まれてすぐに母親から話されて、教授の旧知の多くの子供がいる家庭に送られ、そこで人間同様育てられた。
しかし教授はこのままでは学術的発展がないと思い、そこに新しく研究に加わった女子生徒を送り込み、彼女にニムに熱心に手話を教えることを命じた。
そのままニムは家族のもとから離されて、多くの指導員のもとで育てられた。
ニムは100以上の手話を覚えて、人間とのコミュニケーションが取れているように思われていた。
しかし教授はこの成果にある答えをつけ、研究を中断。
大きくなったニムはなんと生まれた場所である類人猿が囚われた場所へ送られてしまった。
酷く悲しむ研究員たち…だがニムへの悲劇はそれだけでは留まる事などなかった…。
2011年10月25日鑑賞



ゴリ感想ゴリ
『猿の惑星創世記』は現実に起きたかもしれない。
1970年に実際に行われた研究の映像記録などを利用して、『マン・オン・ワイヤー』でアカデミー賞長編ドキュメンタリー部門で作品賞を受賞した監督が研究対象になったチンパンジーであるニムを追いかけた映画を東京国際映画祭で見ました。
どうやら本作が見納めであるようです。一般公開は無いに等しいとか…。
実際にチンパンジーに人間的環境に置き、彼にコミニュケーションツールとしての手話を教えた結果、チンパンジーと人間はコミュニケーションが取れるのか?
そういった研究を行った教授がいた。
驚くことにニムは数多くの単語と意味を理解し、それを使い人間とコミュニケーションを取っていた。
しかしその教授は最終的には「その行為そのものは、自分の要求を通すべきの手段でしかなく、赤ちゃんが泣くのと同様である。」と結論づけ、コミュニケーションは不可能ということに至り、ニムの研究は凍結された。
だがニムは生きていた。
ニムは命ある存在だった。人間と同様に生活していたニムに下された決断は、彼にとっては裏切りだった。ニムは類人猿の施設に送られ、そして過酷な日々が待っていたのだった。
まるで『猿の惑星 創世記』のプロットのような内容だ。
ニムとシーザーは遠からず近い存在であると思う。薬品が関係していない以外はほとんど一緒だと思わないか?
しかし本作は猿の惑星とは違う。
この映画を見れば猿達の反乱など起こりえないことを教えてくれる。
その顛末は語ることはしないが、本作では二つの要素が絡み合っている。
明確な善悪の存在。
面白い程にこの研究のリーダーである大学教授は完全な悪である。多くの仲間をニムに送った彼だが、彼自体はニムに直接は数回しか会わず、研究自体も自分のものとひけらかせ、最終的にはニムを道具のように隅に追いやってしまった。これでは「反乱」は起きてしまう。
挙げ句には、多くの仲間と色恋沙汰をはげてるくせにしやがって、研究にも支障を来せる程だ…。
だがニムに魅せられた人だっている。
僕は「猿の惑星 創世記」がつまらなかった。それはシーザーを支持する人間は本当にいなかったのだろうか?という疑問を抱いたからだ。まぁーシーザー自体は人間に恨みを持った存在では無かったことは明白で、内容自体も人間がいなかくなった理由も人間を死滅させるウィルスがエンドロール中に拡散したからという非常にがっかりな設定でもあったが、それでもチンパンジーと人間は対立するという状況の映画だったことは明確だ。
しかし本作はドキュメンタリーという実在のお話として多くの人々がニムという存在に魅せられた。
面白いことに彼らは70代が象徴するヒッピーの方々だったが、彼らはニムを研究対象以上の存在として、絆を深め、ニムの過酷な事態に多くの涙を流した。
ネタバレになるがニムを救ったのもそういったニムとの絆を深めた人々であることも事実なのだ。
筆者はこの映画をみて「人間も捨てたもんじゃない」そう思った。
正直言って、久しぶりに映画で泣きじゃくった。見終わって拍手もしたかった。
一見すると本作は、ニムという存在が人間という自分勝手な存在たちに振り回され、人間の身勝手さを浮き彫りにした映画にも見えるだろうしかし筆者は本作の本質を人間讃歌だったと思う。
多くの人々が涙を流し、またニムの為に時間を注ぎ、そしてニムと共に大笑いをした。
ニムは人間を憎んでいたか?どちらかと言えばNOだと思う。ニムはシーザー以上に知っていた。
「人間が自分を不幸にしたが、楽しい思い出をくれたのも彼らだった。」
ニムは人間以上に人間というものを明確に知っていたと思う。ニムの余生は安らかだったと思う。
技術的なことを言うと、当時の映像の利用の仕方や、現在の人々のインタビューなども明確で、挙げ句にこの手のドキュメンタリーには珍しい人間関係が大部入り組んでいる。(笑)
当時のヒッピー文化があるにしろ、なかなかの愛憎ぶり。(笑)
また一見すると強面だった人が、たかがチンパンジーを友のように考え、彼を救うべく奮闘したと熱弁する姿やその映像は素直に心を打つものだった。
登場人物の多さや、教授が贖罪のようにちゃんと全てを言及する点も凄い。かなりの悪役でしかないのに教授はその罪を認めるように出演している。(笑)この禿はとことんくそ野郎だったな。
またニムの成長の映像も現存しているようで、そういう意味でも楽しめる。
自分が見たドキュメンタリー映画としては『ザカリーに捧ぐ』に次ぐ面白さだった。『アンヴィル』とかも面白いよね。生きた人間の熱意がこもった傑作です。
メモ得点メモ
10
非常に素晴らしかった。見て良かった。DVDででも見る価値はあると思う。
早く発売すると良いね。

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