★この記事をまとめるとこんな感じ★
製作
2018年アメリカテレビドラマ
監督
ヒロ・ムライ
・アトランタ
ビル・ヘイダー
脚本
アウレック・バーグ
・シリコン・バレー
ビル・ヘイダー
出演
ビル・ヘイダー
・エイミー、エイミー、エイミー! こじらせシングルライフの抜け出し方
・スケルトン・ツインズ 幸せな人生のはじめ方
・宇宙人ポール
・アドベンチャーランドへようこそ
あらすじ
元軍人のバリー(ビル・ヘイダー)はアメリカ中西部で叔父のフュークスをボスにし、殺し屋として暮らしていた。
次の仕事は舞台をロサンゼルスに移し、チェチェンマフィアの依頼を受けることになっていた。
ターゲットはジムのインストラクター。
バリーは彼を尾行し、殺しのタイミングを伺うが、彼はある施設に入ったきり全く出てこない。
気になったバリーはその施設に向かう。
そこには演技のリハーサルを行う女性が、自分の番だと施設に入っていく。
会場に招かれたバリーは、役者志望の研究生だと勘違いされ、映画のワンシーンを急遽演じることになる。
実はターゲットは、役者志望。
この演技のスクールで、日夜演技を磨いていた。
バリーもまた役者志望だと完全に勘違いされ、演技スクールの仲間入りしてしまった。
リハーサルを行っていた女性サリーに惹かれるバリーは彼らのグループに仲間入りしターゲットと親しくなってしまうが、
それをチェチェンマフィアたちにバレてしまう。
演技をし、仲間とのおしゃべりにこれまでに失っていた感情を取り戻すバリーだが、殺し屋という職業上俳優なんてありえない。
葛藤するバリー任務を放棄しこの街から出ようと講師に相談する。
講師から演技の才能がないことを諭され、故郷に帰るように告げられる。
バリーは正直に自分が殺し屋だが、演技をしている時、心が安らいだと雄弁を振るう。
それを聞いた講師のジーンは今のを演技と勘違い。
バリーには演技の才能があると感じた講師はバリーを引き止め2人は奇妙な関係になってしまう。
ターゲットと親しくなったバリーをチェチェンマフィアは別の殺し屋を手配し、ターゲットを殺害する。
ターゲットを殺そうとしていたバリーはその場に来てしまい、バリーもまた殺されそうになるが、運良くチェチェン側がジャムリ撃退する。
仕事をミスったバリーだったが、チェチェンマフィアは殺し屋をバリーに殺されたので、
次の殺し屋が手配できるまでバリーのボスのフュークスを捕らえバリーに次の仕事を依頼する。
チェチェンマフィアは競争相手のボリビアのカルテルを倒したい。バリーにボリビア人に屈辱的な殺し方を指示する。
空いた時間にバリーは演技教室へ、そこでどんどんサリーに惹かれていくバリー。
サリーもまた人恋しさでバリーを利用するが、生真面目なバリーは暴走してしまう。。。
殺し屋が俳優になったら、殺しに行く度、顔が割れて全く向いてない。
なのにバリーは演技をすることで戦争で失った感情や日常を取り戻すのだが、殺し屋稼業からは逃れることができない。
そして捜査の手もまたバリーの近辺まで迫っていた。
2018年9月17日鑑賞終了
イントロダクション
amazonプライムビデオで見放題だったので鑑賞。
ビル・ヘイダー主演、製作、監督、脚本
あの珍バイプレイヤーのビル・ヘイダーが本気で真面目な作品を手掛ける。
ビル・ヘイダーと言えば、サタデーナイト・ライブにも出てくる長身のハンサムコメディアンながら、
いつも際物として端役で異常な個性を出して、映画にスパイスを与えてくれる。
近年は『エイミー、エイミー、エイミー! こじらせシングルライフの抜け出し方』などで元来の優男ぶりを披露してるが、
ファンとしては満を持してビル・ヘイダーが主演と脚本と製作更には、監督も手掛けるという、
そんで1話30分で、全8話の超ミニシリーズ!!
2018年のエミー賞では、主演男優賞と助演男優賞を受賞
作品の内容からして、演技関係は取って当然な部分はあるが、応援しているビル・ヘイダーが正当な評価を得て嬉しい。
感想
帰還兵というアメリカ社会の闇と舞台を通して自己を再発見する珍セラピードラマ
アメリカと言えば、帰還兵。
戦争帰り、イラク帰り、戦争に行っても心は戦争。
人を殺して生活を得ることに慣れてしまい、日常に戻れない。
元来生真面目で今でも親戚とタッグを組んで軽く操られている主人公のバリー。
そんな殺し屋の彼が出会ってしまう演技の世界。
演技とは現実の再発見
現実の感情をシナリオに当てはめて、あの時の悲しみや怒り、喜びを思い出し、脚本を偽物の人生から本物の人生へと錬金する。
バリーが失ってしまった感情を再発見して行くかと思いきや飛んだ大根役者。
はたまた数々の悲劇からも逃れられないバリー。
その最悪の状況、最悪の感情がバリーの演技に奇跡を起こす。
プロットや題材がピカイチに面白い本作
30分という短い尺も良い。
中盤の人間関係に中だるみこそあるが、後半のスリラー要素など終盤に生きて来て見事。
シーズンフィナーレの最後の最後でバリーの一言が、重くて、それでいて『ブレイキング・バッド』的な
どんどん悪くなって行く良識ある人という第二のハイゼンベルグになる可能性も秘めている。
また個人的な想像だが、まだ帰還兵として生きるための殺人だが、
今後演技力というものを身につけたバリーがサイコキラーとして輝き、相当狂った作品に進化する可能性もある。
ヒロ・ムライが参加
作品の今後の注目としては、ドナルド・グローヴァーの『アトランタ』やドナルド・グローヴァーのアーティスト名義チャイルディッシュ・ガンビーノのプロモーションビデオで、鮮烈な暗喩を複数描き切ったヒロ・ムライが参加している点も重要。
各回のエンドロールの楽曲それぞれがハイセンスでぞわぞわくる。
1シーズン8話で1話30分の短尺なので、他の長編海外ドラマの合間に一気に鑑賞してもいいのではないでしょうか?
シーズン2も決定しているの続きが楽しみ。
主演男優賞は納得です。
ビル・ヘイダーはやっぱりすごかった。
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