★この記事をまとめるとこんな感じ★
製作
2020年アメリカ海外ドラマ
脚本
スコット・フランク
・LOGAN/ローガン
・ルックアウト/見張り
・マイノリティ・リポート
・アウト・オブ・サイト
出演
アニャ・テイラー=ジョイ
・ウィッチ
・モーガン プロトタイプL-9
・スプリット
・ミスター・ガラス
ハリー・メリング
・ハリー・ポッターと賢者の石
・ハリー・ポッターと秘密の部屋
・ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団
・ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1
トーマス・ブロディ=サングスター
・メイズ・ランナー
・メイズ・ランナー2: 砂漠の迷宮
・メイズ・ランナー: 最期の迷宮
・ラブ・アクチュアリー
あらすじ
1967年パリ。
チェス世界一を決める大会決勝でベス・ハーモン
(アニャ・テイラー=ジョイ)は、寝坊する。
対戦相手は世界連覇のロシア人ボルコフ。
1958年8歳のベスは、
母親を自動車事故の過失で亡くし
養護施設に入ることになる。
彼女はそこで精神安定剤とビタミン剤を
施設から投薬され、精神安定剤中毒になる。
数学が天才的に得意だったベスは、
数学の小テストを素早く終えて、
黒板消しを掃除しに地下にいくが、
そこには寡黙な用務員のおっさんが、
1人チェスに興じるのに興味を持つ。
用務員のおっさんに我慢強く
チェスへの興味を示すと
用務員のおっさんシャイベルから
チェスのルール、そしてマナーを教わる。
授業を抜け出してはシャイベルと
チェスを行う彼女、
寝る前には薬物を使って、
集中力を高めて頭の中でチェスをする日々。
いつしかシャイベル以上の力を持ち、
シャイベルは知り合いのチェス部の顧問の
高校生教師に紹介し、
彼女の実力がチェス部員以上であることを知る。
そんな中13歳になったベスは
養子縁組に成功する。
ウィートリー夫妻の娘になった彼女だが、
すぐに義理の父は、社会主義作家と疑われ
幽閉されてしまい義理の母のアルマは金に困る。
家事手伝いをするベスはお買い物の途中で、
チェス大会の存在を知り賞金が出ることを知る。
アルマを説得して州大会に参加。
州大会の連続覇者ベルティック
(ハリー・メリング)を倒したベスは、
すぐさま天才チェス少女として有名になり
大会荒らしとして賞金を荒稼ぎするようになるが、
全米チャンピオンのベニー
(トーマス・ブロディ=サングスター)に
敗北するのだった。
しかし彼女のチェスに対する情熱は高まり、
メキシコへ遠征する。
2020年12月10日Netflixにて鑑賞完了
急に現れた2020年最高の海外ドラマ
2020年10月Netflixにて公開されたのにも
かかわらずあれよあれよと
IMDbTOP250に仲間入りした高評価作品の1つ。
現在は数ある海外ドラマの中で116位という
凄い作品。。
チェスを題材にした作品で、
原作小説がある作品だが、
そっちは女性が主人公ではなさそう。
主役のベスを演じるのは
モデル出身の俳優のアニャ・テイラー=ジョイ
自分は『スプリット』で知ったが、
お目目おおきいけどちょっと
爬虫類顔だなぁーと思ってた。
地毛は金髪で『ウィッチ』のは地毛か?
今作はズラでびっくり。
しかし今作では凄まじく美人で
スタイル抜群な彼女の魅力が
爆発していた印象。
たった7話の海外ドラマで
一気にビッグスターになられてしまった。
でもこの前本作の舞台裏インタビュー見たけど
変な髪型だったが、
素の状態はレディ・ガガ系の
エキセントリック嗜好の人なのだろうか??
天才チェスプレイヤーを演じた彼女。
しっかりと彼女が手を刺していた印象。
演技でも盤面の動きを忠実に再現するって、
正直クソ難しいことなのではないか??
さらりとやってのける様は見事。
そしてチェスのルール全く分からなかった。
フィンチャーの映画を彷彿させる無機質で均一な映像
今作で一番感動したのは、
息を呑むほど美しい映像の構図の数々。
チェス盤面だけではなく、
舞台装置ひとつとっても均一。
そのシンメトリーの様はある種無機質で、
『ソーシャル・ネットワーク』のフィンチャーの映画の
ようなヒューマンでありながらも悍ましさを実感させる。
素晴らしかった。
どうやら監督の2人のうち片方がフィンチャー作品に
携わったことがある人で、
もしかしたらその手法を取り入れたのかもしれない。。。
音楽もまた素晴らしく優雅で、
60年代の中でも一際チェス界隈の華やかさと
目まぐるしい思考の海を彩る
クラシックが凄まじかった。
また女性としても洋服に魅力を見出した
ベスの素晴らしい服装の数々も非常に魅力的で、
強い!賢い!美しい!
戦う天才少女という
時代が求める存在を
アニャ・テイラー=ジョイが実現させてて
本当にすごかった。
良い奴しかいない作品
登場人物が全員いい奴なのもポイント。
下心こそはあるが
ハリポタのダドリーこと
ハリー・メリングの健気な感じ。
ストーカーに近い部分もあったが、
それでもベスが欲していたものを
絶妙なタイミングで持ち合わせていた
運のいい男。
初登場時はクソだったが。。。
それに一時期のライバルであり相棒となる
ベニーもまた絶妙にフランクな関係を
構築しながらもベスを支え、
養母とも軋轢もなく、悲劇こそあるが、
彼女を救う絶妙なポジションで小気味良かった。
逆にベスの内面的に薬物依存やアル中や
男関係に軽薄な部分こそあるが、
作品はそこにほぼ焦点を合わせずに
天才の代償ぐらいでしか描いてない点は、
だれることなく見ることができてとても良かった。
エロは決して描かない
この手の作風なら少しぐらいあってもいいと
期待してしまうのがおじさんの性。
しかしアニャさんが絶対的にNGだったのか?
ありそうなのにそういうシーンは
見事になし。
あるかもしれないという期待感で
見てしまったという人もいるはず。
彼女が人間になるまでのお話
本作が普通に頑張っているなぁと思ったのが、
この無機質に近い均一で素晴らしい構図は
彼女がチェスマシーンという
施設育ちで人間的に欠落のある存在
であることの映画的な演出だったのかなぁ?と
思っている。
終盤というか本シリーズのオープニングの
パリでのやらかしでの憧れの存在との再戦で
ぼろ負けして、チェスから遠ざかる展開で、
一気に映像はぐだぐらになり
作品も不協和音が流れる。
これまで彼女が失っていた感情が
大きな失敗により一気に流れ込み、
彼女はチェスマシーンから
1人の悩める人間へと落ちぶれる。
そこからはむしろ一気にエモい展開になって、
逆に自分は興醒めしてしまったのだが、
流石にシャイベルさんの部屋に飾られた
ぼろぼろの写真には感動してしまった。
これまで目線で
感情を吐露していたベスが、
感情を爆発させる演出も良かった。
てかアニャさんの目力の演技よ。
なんじゃそりゃすごすぎだろ。
あの大きすぎる目を凄まじくうまくつかっている。
結果凄まじい速度で大団円で
映画が終わるが、
むしろ爽やかでエモくて拍子抜けだった。
もういっそ
最終話のエピローグで
全部シャイベルさんの死ぬ間際の妄想だったでも
個人的には全然ありだったなぁ。
ソ連でぴょんぴょんするベスが
エモくておじさんにはついてけなかった。