★この記事をまとめるとこんな感じ★
製作
2018年アメリカ映画
脚本
テイラー・シェリダン
・最後の追跡
・ウインド・リバー
・ボーダーライン
出演
ベニチオ・デル・トロ
・ボーダーライン
・トラフィック
・ユージュアル・サスペクツ
・ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
・インヒアレント・ヴァイス
ジョシュ・ブローリン
・ノーカントリー
・インヒアレント・ヴァイス
・ミルク
・ブッシュ
・デッドプール2
イザベラ・モナー
・トランスフォーマー/最後の騎士王
ジェフリー・ドノヴァン
・バーン・ノーティス 元スパイの逆襲
・チェンジリング
・ブレアウィッチ2
・最後の恋のはじめ方
キャサリン・キーナー
・カポーティ
・マルコヴィッチの穴
・40歳の童貞男
・ゲット・アウト
あらすじ
現代のアメリカ中部のカンザス州のカンザスシティ。
この地にある中規模スーパーで突如自爆テロが勃発。
買い物に来た近隣住民たちはなすすべもなく、自爆テロの犠牲になっていく。。。
アメリカ政府はこのテロリストたちがメキシコのカルテルが行う違法移民斡旋によって入国していることを想定。
CIAの特殊部隊隊長のマット(ジョシュ・ブローリン)に国土安全保障省の幹部は、メキシコの麻薬組織をテロリストと認定する前に、
力を削ぐことをマットに依頼する。
マットは以前からアメリカとメキシコの犯罪組織たちと戦っており、情報にも精通しているので国土安全保障省は彼に依頼する。
マットは前作でも国境付近での麻薬組織との戦いで協力関係にあった裏稼業を行うアレハンドロ(ベニチオ・デル・トロ)に再度協力を依頼する。
彼らはメキシコ最大の麻薬組織の王カルロス・レイエスとマタモロスの組織を仲違いさせ大規模な抗争を起こそうとする。
マットたちはマタモロスのお抱えの弁護士をカルロスの組織が襲撃したようにし殺害。
火種を生み出した彼らの次なる任務は、カルロスの娘であるイサベル(イザベラ・モナー)をマタモロスの組織の犯行と見せかけて誘拐すること。
誘拐に成功した彼らは、イサベルをアメリカ国内に輸送し、室内に監禁。
あたかも麻薬組織を麻薬取締局が取り締まったかのようにその流れでイサベルを救出を偽装。
アメリカの基地に軟禁されたイサベルをマットたちは、メキシコに輸送し、救出したかのように工作をする。
しかしメキシコ国内へ入国したマットたちを援護するはずだったメキシコ警察が突如襲撃。
彼らはカルロスの息のかかった汚職警官だった。
事前に特殊車両を調達し、武装も充実していたマットたちは彼らの撃退に成功するが、
襲撃の最中で怯えたイサベルは脱走、1人荒野を彷徨うが、彼女を見つけたマタモロスの部下が彼女を拘束しようとする。
次なるメキシコの警察やカルテルの襲撃を恐れたマットたち特殊部隊はアメリカへの緊急帰国を検討。
しかしイサベルを救う必要がある、アレハンドロは単独でイサベル救出を志願。
マットとアレハンドロは別れるのだった。
拘束されそうになるイサベルをアレハンドロは救出。
しかしアレハンドロはイサベルの父カルロスによって娘も妻も奪われてしまったのだ。
帰国したマットは上司であるCIA副長官のシンシアよりメキシコ警官を殺害したことがアメリカ政府で隣国との関係悪化につながることを大統領が危惧しており、作戦を中止することが決定されたと告げられる。そもそもテロリスト実行犯が米国籍の人間だったため、全ては間違いだった。
途方に暮れるマットを待っていたのは、作戦中止と作戦の抹消。関係者であるアレハンドロとイサベルを抹殺することを告げられる。。
そしてアメリカのメキシコの国境付近に住むメキシコ系アメリカ人のミゲル。
彼は中学生だが、従兄弟に誘われて、大金を稼ぐためにマタモロスの組織の違法移民斡旋業に従事することになる。
一度関わったら最後ミゲルは家族を組織から守るため、そして自身が成り上がるために10代前半でありながらも組織の一員として働く。
そしてある日、ミゲルは作戦実行前のマットとアレハンドロとすれ違う。
2018年11月16日劇場鑑賞 116本目
感想
前作は戦士として覚醒していた女性が、あまりにも黒すぎるメキシコの闇とそれと戦うマットとアレハンドロに圧倒されて、
徐々に怯えた子犬のようになって弱々しい少女へと変貌してしまうアリ地獄映画で、
via GIPHY
ロジャー・ディーキンスのキレキレの空撮やら、特殊撮影が度胆を抜き、
カラッとした暗黒の演出をドゥニ・ヴィルヌーヴが演出するど真っ黒映画として度肝を抜いた。
そんな初心者さんぶっ殺し要素を排除した本作は
真っ黒いおっさんの熱血友情映画
だったわけです。笑
前作のあらすじをサクッとWikipediaで読んだが、前作の方がやばい映画だった感はあるが、
今作も十分やばい映画だった。
カルテル専門のCIAだったマットだけども湾岸のソマリアとかの部隊に転戦し、再度カルテルとの戦いに身を投じる。
前作で応援してた麻薬組織とかの話はリセット。
現在の麻薬王であるカルロスを倒すために、旧友で親友で戦友のアレハンドロと再共闘!!
真っ黒な2人の熱い友情が、アメリカ政府のよりダークな側面によって窮地に立たされ、
見ていて胸熱でした。
あと相変わらず真っ黒な映画。
テイラー・シェリダンが熱い!
法律外の特殊部隊には特殊部隊のルールがある。
そのこの場所だけのルール。この場所だけのやり方というのは、前作『ボーダーライン』でもあったこと。
そのルールがアリ地獄のように主人公をどん底へと誘う。
またその法律の及ばない闇でのルールでは彼の映画『ウインド・リバー』でも共通であり、
アメリカの警察の力が及ばない場所での復讐や因縁、怒りや償いの決着。
それはまた『最後の追跡』でも同様で、この地にはこの地の生き方がある。
そういう闇深いイデオロギーを描かせたらピカイチな脚本家であるテイラー・シェリダンが今一番熱い。
サスペンスとアクションのバランスが絶妙であり、
とても俳優として長く売れない日々を送ってきた人間が突如脚本に転向したらやばいことになったなんて
軽々しく言えないぐらい骨太な局地的なルール映画としては、今作も秀逸であって、
この闇深い場所での生きるためのルール、
そして暗殺者=シカリオとしての生き様にふさわしい終盤の襲撃の数々も実に見事。
2018年はジョシュ・ブローリンの年
思えば、『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』での指パッチン。
『デッドプール2』でのハイテクパワーでの襲撃者。
そして『オンリー・ザ・ブレイブ』でのボスザル。
どれもインパクトの強く2作は年間でも興行成績は北米でトップに入る。
そして今作でのCIA特殊部隊のリーダーとしての容赦ない裁断。
メキシコ警察を殺戮したり、ヘリで国境を超えて麻薬カルテルを怨恨で子供でも容赦なく殺害という、
行き過ぎたアメリカの特殊部隊という真っ黒な部分を見事に体現。
またベニチオ・デル・トロも前作よりも人間らしさが出てたが、終盤でのあの驚愕の展開からのラストシーンでのあの会話。
他の演者も音楽も熱い!
またイサベルが可愛く、映画の中で劇的に変化する立場も見事で、前作の主人公のような悲劇を思い起こさせる。
そして合間合間に出てくる重要なキーパーソンであるミゲル少年。
彼の顛末がすばらしく胸熱で、終盤のあのシーンももしや意図してあそこを銃撃して、あそこでも意図して車から降りて、自分の人生を選んだ、
まさしく〇〇〇〇!!
この真っ黒な映画にふさわしい重々しいダークな音楽がたまらなく素敵。(今は亡きヨハン・ヨハンソンの相棒だった人が担当)
前作よりもポップで犯罪映画的な側面も強くなって、ジェフリー・ドノヴァンがすげぇバーン・ノーティスの主人公のマイケル・ウェスティンのような立ち振舞いで胸熱だったし、手際良すぎる特殊工作の数々も本当に胸熱。
強いて言うなら前作の映像のオマージュこそあるが、やはりロジャー・ディンキンスの映像感覚に比べると平凡であったとこもあるが、
十分衝撃的なシナリオをうまく映像化していて、
普通に面白かったです。
総評
おじさま2人の渋い真っ黒友情が本当に熱かった。
エンタメだ!
アレハンドロのイサベルを亡き娘の投影で心境変化がどうとかこうとかよりもおっさん2人の黒い友情が個人的には押したい。
お前らどんだけ汚いことしてアメリカ政府を豊かにしてきたんだよ。笑
hisSCORE
・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 8.5/10
・映像のアプローチ 8/10
・映画の美術面 7.5/10
・キャラクターの魅力 8/10
・音楽 8/10
・上映時間と個人的趣味 8/10
81点
冒頭の自爆テロが本当に目の前で人が自爆して吹き飛ぶので凄かった。
掴みも最高でしたね。
今作も今年のベスト候補です。
もちろん『ウインド・リバー』も。
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