★この記事をまとめるとこんな感じ★
製作
2019年アメリカ海外ドラマ
あらすじ
1986年4月26日の深夜午前1時23分45秒。
ソビエト連邦(現ウクライナ)西部のウクライナ州キエフ。
この地には原子力発電所がある。
それが爆発し閃光を放つ。
発電所で働く職員は事態の状況把握に勤しむが、
それは命を失うことと同義であった。
そして彼らは知るのだった炉心が爆発したことを。
次々と被曝していく作業員たち。
彼らは吐血し次々と意識を失い死んでしまう。
多くの職員たちが絶望のまま死に瀕するなか、
上層部は炉心が爆発したことを認めなかった。
そして消防員たちは、火事を止めるべく発電所にやってくる。
空には灰が舞う。
その光景を見た住人たちはあまりの美しさに見惚れるのだった。
だが消防員たちも状態異常を感じ始める。
上層部の職員もまた被曝するが、
役所の人々もまた炉心爆発を認めず、
騒ぎになることを恐れた彼らは住人たちにもそれを秘密にする。。。
そして夜が明け、日常が始まる。
2019年9月29日AMAZOVIDEO スターチャンネルにて無料鑑賞完了
エミー賞受賞の海外ドラマ日本上陸
2019年9月に開催されたエミー賞にて、
リミテッドシリーズ部門にて、
作品賞、監督賞、撮影賞などなど10部門を受賞した話題作品。
全5話で今回限りのリミテッドシリーズ。
昨年は『アメリカン・クライム・ストーリー/ヴェルサーチ暗殺』が受賞したわけだが、
本シリーズがずば抜けてすごいのは、
アメリカの映像作品データベースサイトIMDbにて
TV部門にて総合4位という超高評価の点。
近年のエミー賞常連作品だった『ブレイキングバッド』や『ゲーム・オブ・スローンズ』よりも高い位置にランクインしている。
そんな社会現象とも言えた本作が、
ついに日本上陸。
スターチャンネルにて放送し、
Amazonビデオにて期間限定の第1話無料放送をこの度鑑賞。
現在は無料期間が終了しているのが非常に惜しい。
圧倒的な恐怖
第一話では実際に起きたチェルノブイリの炉心爆発事故から物語は幕開ける。
(前段階で物語のキーパーソンなる今後の主人公になりうる人物が密告を行おうとするがおそロシアによって抹殺される)
そこで働く人々がだんだんと状況を認識し、
自分たちの置かれている立場を理解し始めるが、
容赦なく襲い掛かる放射能汚染。
作業員たちは気づかずに体から血が吹き出し、
皮膚が溶け始める。
皮膚癌がその場で発症し、
その場で生命を落としているように思える。
あまりにも強力な毒性で嘔吐の連続。
生々しきゴア表現の数々は
当時の異常事態を克明に描き続ける。
そして火災現場であるこの地にやってくる消防員たちも
容赦なく異常事態を気づき始めるという恐ろしさ。
更に恐ろしいのが政府高官に繋がる発電所上層部や
市の職員たち。
死にゆく作業員員たちを尻目に、
炉心爆発という超異常事態を受け入れずに、
再度作業員たちに炉心を確認してこいと命じる。
そのおぞましき指令もやばいが、なくなく従う作業員が
無我にも被曝し、体が黄色かったり赤くなったりとした挙句、
血みどろになっていく姿が、あまりにも悲惨で、
恐ろしい。
さらにはこの地の市長もしくは町長は事態をもみ消し、
市民達の混乱を避けるために、街の外に避難することを禁じる超異常事態が淡々と描かれ続ける。
更に何も知らない市民たちは、
核の白い灰が漂う市内の光景に見惚れるという、
恐ろしき二重構造。
そんな最悪の事故がホラー描写たっぷりで描かれる第1話。
撮影は実際の発電所の廃炉で行われた模様で、
すさまじい再現力。
ロシアには不愉快な事実をアメリカが描いたわけだが、
それでも現在でも立ち入り禁止区域として、
人が住んでいない地。
恐ろしき事実は風化させてはいけない。
そしてそれはこの地日本では他国とは違う意味合いをもたらすのではないか?
覚悟はできてるか?おれはできていない。
福島原発も津波の被害により今でも炉心爆発を止める事態が続いてる。
癌でなくなる人も増えてる事態に対し、
日本は安全であると公言。
では本作を見て、その日本政府の公言を信じることができるのかと言えば、勿論NO。
人が溶ける。血を吐き出す。
恐ろしすぎやしないか?
福島の原発で爆発事故が当時確かに起きていたではないか?
あのそばにいた人は少なからず恐ろしき事態に直面していたのではないか?
そして日本もソ連同様にもみ消してしまっているのではないか?
日本も結局ソ連と変わらず恐ろしき政治隠蔽を行なっているのではないか?
そんな邪推が本作を見ると止まらなくなる。
福島原発付近に住んでる人には申し訳ないが、
あの地にまだ住めるのか?
そして政府は何故原発を維持し続けるのか?
異常気象の進む地球に対して、絶対的な安全など無い中、
恐ろしき存在へと変わるだろう原発は、維持していいのだろうか?
エネルギー問題の課題は勿論あると思うが、
それでもあの地で生きる覚悟はあるのか?
自分は無い。
そしてそれを止めない日本政府高官は遠くから事態だけを見守り続けて意見しかなげない。
本来ならその近郊に彼らが住み、その危機に直面すべきなのではないか?
本作『チェルノブイリ』は福島原発事故を目撃した我々日本人には特別な作品になるだろうが、
きっと映画クラスターたちしか目撃することはないだろう。
今は1話しか見てないが、
全話放送終了後に一気に鑑賞したいと思う。
恐ろしいのはここからだと思う。
被曝した人、生物、大地。
その恐怖は始まったばかり。
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