宿命を越えて
★この記事をまとめるとこんな感じ★
はじめに
製作
2022年アメリカ映画
喪失と継承の空白を埋める
監督
ライアン・クーグラー
・フルートベール駅で
・クリード チャンプを継ぐ男
・ブラックパンサー
キャスト
ネタバレ あらすじ
2022年11月11日IMAX3D版鑑賞
2022年42本目
擬似3D映画のIMAX上映やめて欲しい
IMAX3Dにて鑑賞したのです。
本編前に『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』
の予告編がガッツリあったのですが
やはりSony CineAlta VENICE 3Dという
露骨な3Dカメラで撮影されているだけあって
めちゃめちゃ3Dしてて感動しました。
むしろIMAXじゃなくて3D映画としてドルビーシネマで見たい
そんで始まった本作ですが
Sony CineAlta Venice IMAXも
用いられていたようで
(『トップガン マーベリック』と一緒)
フルサイズIMAXではないが
いくつかのシーンがIMAXサイズ
ということで
IMAXでの鑑賞をしましたが
3D要素はオコエたちの槍が飛び出るぐらい
そして最悪なことに
夜のシーンや洞窟などの暗いシーンが非常に多い
いくらレーザーIMAXと言えど
色付きメガネ越しとなれば画面の暗さは避けられない
また上映時間も3時間近くあり
尋常じゃない眼精疲労を与えてくれる
擬似3D作品のIMAX3D上映って劇場側が単価上げたいだけにしか思えなくて
作品としてはマイナス面しかなくてゴミ過ぎ
いやまぁ作品感想前に
とてもとても辛い思い出として残す。
30代でこれなんだから40代になったらどうなるんだよ
そんなわけで感想記録。
前作の主人公が病死という急展開の続編
2019年の『アベンジャーズ/エンドゲーム』
及び2021年のスピンオフで
『ホワット・イフ…?』にて
ティ・チャラを演じていた
チャドウィック・ボーズマンが
長い闘病生活の果てにお亡くなりになり。
前作までの主役で映画の名を冠する
ブラック・パンサーが不在のまま
続編公開は揺るがず。
本作はティ・チャラが死ぬという
衝撃の展開で幕開けし
ヒーロー不在、
さらにヒーローにふさわしき
キャラクター不在という特異な状況で
物語は幕を開けてしまう
裏世界、怪物、エジプト神に続き海底帝国参戦
今作では海底帝国の存在が明らかに。 →過去改変で海にも落ちていた可能性が それをめぐり海底帝国存在発覚前に MCUの中で ネイモアはブラック・パンサー同様の またこの国の人々は まじで地上侵略できそうと思いきや 監督脚本は ティ・チャラを失った世界という 演じた俳優さんもまさか自分が ある種『ゲーム・オブ・スローンズ』の この重圧は演じた俳優さんの心境と クーグラー監督はその重責や 丁寧にそしてパーソナルに ティ・チャラというキャラクターの そして彼女のきっかけは この骨太なドラマツルギは ネイモアさんが君臨する 歴史の闇から着想を得たヴィラン。 元もマーベルの中でも しかしそこに
風呂敷を無駄に広げるMCUさん。
アイアンマンが登場する前から
怪物やミュータントはいたという
異常な世界であったことが
明かされてしまい。
さらには『シー・ハルク』では
複数の超人的な力を持った人々が
生活しているということが描かれる。
しかもワカンダ同様に特殊鉱石の
ヴィブラニウムを所持しているという。
統合されたとか??
ワカンダと同盟を組んで
地上を滅ぼそうとている
軍事国家でもある海底帝国タロカンという
強大な敵を前に
残されたワカンダの女王と王女は
更なる窮地に陥っていく。
映画としては正式に
ミュータントの存在が描かれた今作。
ヴィブラニウムの薬草の力以外に
突然変異として飛行能力を保持していた
ことが描かれる。
その薬草の力が先祖より遺伝しており
ブラック・パンサー級の身体能力を
一兵士が得ているという
最強クラスの軍事力を所持。
本人たちが気づいていないのか
しっかり致命的な弱点があったんだから
鼻で笑えるところもある。
※水手榴弾を所持し用いれば解決できるがとりまフェーズ4風呂敷広げまくって次なるゴールの姿が何も見えないの
めちゃめちゃ不安。ヒーローの喪失そして継承というテーマに
真摯に向き合うクーグラー監督
前作同様ライアン・クーグラー。
主役不在の舞台にて
主役を継承するという重責を
無縁もしくはお遊び程度であったが
ヒーローいや守護神になることを
求められてしまうシュリ。
次なるブラック・パンサーに
なるなんて6年前は思っていない
だろうに。
ような王座を継ぐというゲームに
血筋という宿命に向き合いながらも
国を率いる存在という
到底想像できなかった存在に
自分を嵌めないといけないという
リンクしている部分もあったと思う。
悲しみを忘れる為の
怒りと暴力、そして葛藤。
国を脅かそうとする
世界全てを破壊したいと願った末
死の地平線でキルモンガーと
対話という
無茶苦茶憎い演出を盛り込む。
継承することの重責を
相反する恨むべき存在を
壁として一瞬登場させ
自分自身が何者なのか?を
守護者たる器とは何か
その自分のアイデンティティー
を見せつけられ葛藤を深める。
元来もったお坊ちゃんとしての
純粋さから生まれた気高さよりも
天才発明家として
ヴィヴラニウムを用いた
ガジェット製作に幸福を得ていた
彼女の日常の別れ。
否応なしに成長を促される
青春時代との別れ。
その葛藤が見るものの心を締め付け
同時にヒーローとは何かを
市井の人々に見せつけてくる。
憎いことに愛するべき人を
奪われるという辛い展開であり
復讐者としての強大な力を求めて
ブラック・パンサーに
成り果てるわけだが
それでも彼女を構成する愛する人たちの
教えという確かな血統が
彼女を玉座へ導くというめちゃめちゃ優しいゲースロだった
流石クーグラー監督だなぁと思いました。メキシコの歴史ifというSF的面白さ
タロカン王国。
元々はメキシコの先住民。
スペインの植民地化に不満を持った
彼らは薬草の力を借りて
海の底で暮らす力を得て
スペイン人の悪逆に心を痛め
人類を蔑むようになってしまうという
古参キャラのネイモアさんを
見事にMCUに登場させ
今後の登場の伏線も作っている。フェーズ4に多い
実は存在してました系の中でも
しっかりとしたロジックがあって
さすがクーグラー監督。
「まぁ俺ミュータントだから」と
いきなりX-MEN要素ぶっ込んできて
コミック的パルプ要素
複合させて
しっかり困惑させてくるわけですがね。2代目アイアンマン参戦
MCU相変わらず詰め込み問題。
海外ドラマのプロローグとして
『アイアンハート』主役の
リリ・ウィリアムズを描く。
まぁそもそもの
ブラック・パンサーも
キャプテン・アメリカ3の
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』
にて初登場し
映画に続いて行ったからね。
リリさんしっかりワカンダの技術を
用いて補助キャラでしたが
アイアン・ハートを作成し
クロム系の配色で
黒人でしかも中身が女性という
ミートゥーやブラック・ライブズ
マターなどのポリコレ要素を踏襲して
バランス感覚を持ったキャラとして
参戦しておりました。
まぁワカンダの技術使用している
時点で卑怯ではあったし
むしろこれ以上のスーツを
作成できるのかぁ?と思ってしまう。
きっと原作通り
AI化されていたトニー・スタークと
出会いトニー復活を描いた作品として
『アイアン・ハート』が描かれる?
のかなぁと思ったりする。
中盤から掻っ攫っていくニョンゴさん
これまでの画一的に
男性優位社会だったMCU
を唾棄するように女性主導作品の本作。
前半では愛する夫
そして信頼する息子を失った
ラモンダが気丈に世界と立ち向かうが
母としてシュリと向き合い
そのシュリの危機に
感情が崩壊し
私情にまみれて1人の人間に戻る。
そのグチャグチャ感も
真摯で近年のMCUにはない
生々しくそして地続きで
スペクタクル巨編に溺れ始めた
近年の作品とは
若干切り離された
パーソナルな人々の作品として
熱を感じた。
アンジェラ・バセットさんアカデミー賞ノミネートしないかな?
しかし後半主に
終盤では女スパイとして
舞台裏を駆け回るルピタ・ニョンゴさんが
美味しいところを横取り。
独立してたはずがいつの間にか
ラモンダの腹心
さらにはシュリの相談役に就任
更には観客にサプライズな展開も
披露するとことん美味しいポジション。
なっていて。。。
まぁそういうところもいいんですけどね。
ラマーさんは不在だけど音楽も良い
1作目で作曲賞を受賞した
ルドウィグ・ゴランソンが今作も担当。
ちゃぅちゃぅちゃぅちゃう
という独特な民族感は今作でも採用され
作風をとても豊かにしてくれているし
作品としての印象も強い。
映画音楽は偉大
インスパイアアルバムを
今作でも製作。
劇中でも劇中歌として利用されている。
前作は天才ラッパー
ケンドリック・ラマーさんが
総合プロデューサーを務め
ウィークエンドの楽曲や
SZAとコラボした神曲
All the Starsは
自分的にはリピートしまくり。
今作はスコア担当の
ルドウィグ・ゴランソンが
総合プロデューサーを務めた。
ルドウィグ・ゴランソン自身
チャイルディッシュ・ガンビーノ
のプロデューサーでもあり
グラミー受賞作品にも携わる
天才と言ってもおかしくないほど
なのだが
さすがに前作の
アフリカ系アメリカン
=ラップ文化という
側面もうまいことフューチャーしてたが
今作では普通に直近のムーブメントを
踏襲した楽曲が中心に思えて
残念ながらパワーダウン。
しかしエンディング間際の
Lift Me Upにて
リアーナを抜擢し
格式の高さを見せつけてくれるし
その和訳を理解するとめちゃめちゃ
劇中にて追い詰められた
シュリの心情が描かれていて沁みる沁みる。
そんな彼女の心のうちも
ようやく最後の最後で義理の姉と
もう1人の新たな家族との出会いで
溶けていくのを体現していて
やばい曲ですわ。
hisSCORE
・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 8.3/10
・映像のアプローチ 8/10
・映画の美術面 6/10
・キャラクターの魅力 7.8/10
・音楽 8.4/10
・上映時間と個人的趣味 8/10
79点
『アバター2』の前に
さっくり青い人出てきて笑う。
エムバクさん王の器あって笑う。
そして正直シュリもネイモアも
死んじゃうかな?って思ったけども
家族が彼らを救ってよかった。
むしろMCUとしてのスピンオフへの伏線や
新要素の目配せみたいなので尺が伸びてノイズでした
MCUが分裂し過ぎて飽和してる。笑
帰宅後は目が開かなくてそのまま気を失い。
翌朝は眼が全然開かないし体だるおもでした。