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◎【82点】アナザーラウンド【解説 考察:生きる喜びを飲酒で取り戻せ!】◎

身近にある劇薬

製作

2020年デンマーク映画

幸福過ぎる国でも忘れてしまう人生の喜びとは?

監督

トマス・ヴィンターベア
偽りなき者
・セレブレーション
・光のほうへ

キャスト

キャスト一覧
マッツ・ミケルセン
ドクター・ストレンジ
偽りなき者
・ハンニバル
・007 カジノ・ロワイヤル

ネタバレ あらすじ

ネタバレあらすじ
現代の北欧のデンマークの沿岸部の町。
この地の高校で歴史を教えるマーティン
(マッツ・ミケルセン)は、
仕事にも意欲がなく、
家庭でも子供が2人いるが、
夫婦関係は冷え切っており、
妻が遠くに感じていた。

マーティンは同僚の心理学教師の
ニコライ、音楽教師のピーター、
体育教師のトミーと深い絆で
結ばれており、
この日、ニコライの誕生日の為、
皆で会食を行うの。

与太話をしながら盛り上がる一行、
しかしマーティンは酒も飲まず
浮かない顔だ。
皆でマーティンに酒を勧めると
突如マーティンは涙を流し、
夫婦関係が冷え切っていることを
語り出す。
会食の最中にノルウェーの
精神科医が発表した説によると
アルコールの血中濃度を0.05%に
することで、精神状態が安定し、
人間としてベストなコンディションを
保つできることができるという。
否定した彼らは
そのまま泥酔し、楽しい一夜を過ごす。

しかし仕事でも窮地に
立たされていたマーティンは、
職場で飲酒を行い
血中アルコール濃度を0.05%にし
授業に臨む。
最初は呂律が回らなかった彼だが、
徐々に指導に対して熱意を取り戻し、
久しぶりに教育に対しての
喜びを見出すことができた。

帰りにニコライに報告した彼は、
ニコライにより仲間を収集、
論文のための実験という形で、
彼らで飲酒をしながら
授業に臨むことにするのだが、
彼らはベストコンディションで
仕事に取り組むことが
できるようになり
マーティンは夫婦仲も
改善の可能性を見出すことができた。

だがマーティンは、
アルコール濃度を増やすことを
提案し、
実験として濃度を上げた場合という
ことで濃度を増やしてしまうが。。。

2021年9月4日劇場鑑賞
2021年53本目



第93回アカデミー賞国際長編映画賞受賞作品

2019年には
『パラサイト 半地下の家族』が
受賞した上記の賞。
2020年デンマークで公開され
高い評価を得て
非英語圏の映画として
長編映画賞受賞した作品

ちなみに
ゴールデングローブ賞は
『ミナリ』が受賞。
『ミナリ』は
アメリカ映画なのですがね。

監督は
第86回アカデミー賞外国語映画賞
にて監督作『偽りなき者』にて
トマス・ヴィンターベア監督。
主演には同作同様
マッツ・ミケルセンが
起用されている。

またトマス・ヴィンターベア監督は
同郷の
鬼才ラース・フォン・トリアーとも
親しいようで、

デンマーク映画侮りがたし

と再認識しました。

人生を見つめ直しやり直す

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コロナ禍の影響か?日常、通常の生活、
そこの喜びを再発見する映画というものが
流行した2020年。
『ソウルフル・ワールド』
『パーム・スプリングス』
『サウンド・オブ・メタル』
本作も上記同様人生の喜びを再発見する系でした。

でも面白いのが

デンマークは2020年世界幸福度ランキング2位なんだよね

そんな幸福な人々がいるはずの
デンマークでも
中年の危機は存在する

中年の危機に瀕した
4人の男たちは、
より素晴らしい人生を送るために
あるノルウェーの精神科医の説を
実行するという
なんとも後ろ向きながら前向きな
話なんだが、
登場人物たちの実情は
アメリカのコメディ映画と
比べ物にならないくらい重い。

マッツ・ミケルセンがいぶし銀でありながら悲哀に満ちててセクシー過ぎる

と酒飲んで
人生を豊かにしようとする
中年の危機のおっさん4人。
アメリカ映画とは違い
飲みっぷりは派手目だけど地味。

そしてヨーロッパ映画だけあって
エスカレートへの
不安さが尋常じゃない。

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家庭も仕事もうまくいかない
マーティンことマッツさん。
1回目の実験が成功した彼は、
よりお酒を飲んだらどうなるか?
と悪い方向に進んでしまう。

アメリカ映画だったら
笑えるオチがつくのはなんか予感する
でもヨーロッパ映画で
終始重厚な映像、
冒頭から薄暗いレストランでの
暖色の薄灯にて
マッツさんの悲哀泣きから始まり、
いっときの喜びに
劇薬たるお酒をどんどん飲み
進めてしまうマッツさんの
異常なまでの老けっぷり。

his
そんなマッツさんがめちゃめちゃセクシーで、見ているだけでなんか面白いんです。

また上述のように
過剰な演出ではなく
あくまでも等身大感が
人間の弱さを実感させてくれる。

息の匂いでわかるんじゃないか?
それで一気に破滅か?
などなど危機に直面しつつも
確かにうまいこと回避していたが、
少しずつ良くなっているような
喜びを実感していく彼の姿に
上記のコロナ禍での
人生の喜びの再発見的な
側面を実感しました。

his
むしろどこで終わるのかわからない平坦さがあったことは確か

しかし4人は実験を
実験として限定的な極端な飲酒を
してしまうことで、
悲劇に物語が進んでしまい
アルコールの喜びと怖さを
再実感できるわけです。

羨ましくもある

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2000年代後半のアメリカ映画的な
バディ映画が
ヨーロッパの高い技術力で描かれ、
そして『偽りなき者』ばりに
精神的に参ってるマッツさんの
セクシー悲哀でグッと完成度が高まってる
そう思いました。

そして今作の中年4人友情物語として
それぞれの成功と失敗の悲喜交交が
魅力的。

ときっとこういう映画を見ると
やはり友人の飲み仲間とかと語ったり
して盛り上がったり、
自分にもこういう仲間がいるなぁ?
と思ったりするんだろうぁと
思ったのですが、

自分は親が大酒飲みで
酒に嫌悪感があるのと
学生時代貧乏だったのと
結果的に酒が弱いのと
最初に勤めた会社で
飲み会がただのお説教大会で
飲み会にトラウマがあるので
この映画の喜びを
実体験したことがないです。

his
映画ファンの集いの2次会は最高に幸せな時間だったです。
貧乏に戻ったことが契機と
行かない期間が空き過ぎて、
出来上がったコミニティが怖くて
もう行けてないですが。。。

と男友達もいないわけで、
この映画の状況羨ましいと思いつつも
酒で壊れるのは嫌だなぁと思いました。

ただ見ている最中尿意がすごかった。

お前ら裕福過ぎだろ

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映画を見てて思ったのが、
デンマークって教師がこんなに裕福なの?

それで結構調べたら
デンマークも一応北欧の国で
税金が鬼らしいですが福祉や教育が
充実してる幸福度2位とかの国
なんですね。

登場人物たちの家がそこそこ広いし
窓から見える景色は美しいし、
家具の数々もとても魅力的で、
結構びっくりした。
船まで買えるのかよ。

そんな彼らも人生について
壁を感じてしまうのだから
やはり人間というものは
弱いのだなぁと。

his
よく考えたらラース・フォン・トリアー監督の出身地だし

hisSCORE

・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 8/10
・映像のアプローチ 8/10
・映画の美術面 7.7/10
・キャラクターの魅力 8.5/10
・音楽 8/10
・上映時間と個人的趣味 8.5/10

82点

デンマーク賛歌みたいなの
よく流れてたから
国から出資とかされたのかしら?

レンタル

通販

マッツ・ミケルセンは
『デス・ストランディング』で
とても堪能して何か、
親近感がある。
あのゲームでの役柄も
すごいよかったし。

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あとアカデミー賞で紹介された
映像が中盤にあるかと思って、
そっからもそういう展開が
見どころとしてあるのかなぁ?
っておもったら
まさかの展開でした。
いやまぁあれ自体は、
再生の喜びと鎮魂という
複雑な心情を素人的視点で
再現した複雑なものだったなぁ。

his0809
3日に1回更新を予定してます。また来てください!

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