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◎【80点】ジョジョ・ラビット【解説 考察 :意外とパンチがなくて真面目な映画】◎

ジョジョ・ラビット

製作

2019年アメリカ映画

現実味の無さで隠す
ナチス党への怒りと戦争の悲劇

監督

タイカ・ワイティティ
シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア
・ハント・フォー・ザ・ワイルダーピープル
・マイティ・ソー バトルロイヤル

キャスト

サム・ロックウェル
・月に囚われた男
・スリー・ビルボード
セブン・サイコパス
・コンフェッション

タイカ・ワイティティ
シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア

スカーレット・ヨハンソン
her/世界でひとつの彼女
・ゴーストワールド
アベンジャーズ
・ロスト・イン・トランスレーション

レベル・ウィルソン
ピッチ・パーフェクト
・ロマンティックじゃない?
ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン
・ワタシが私を見つけるまで

アルフィー・アレン
ジョン・ウィック
ゲーム・オブ・スローンズ
ザ・プレデター

スティーブン・マーチャント
ファイティング・ファミリー

あらすじ

第二次世界大戦末期1945年。
ヨーロッパのドイツのどこかの街。
この時期ドイツはナチスの支配下にあった。
ヨハネスことジョジョは、
母親のロージー(スカーレット・ヨハンソン)
と二人暮らし。
父親はイタリアに出兵しその後連絡はない。
ジョジョは姉がいたが
最近インフルエンザで死去。
愛国心の強いジョジョは、
空想上の友人として
ナチス・ドイツの国家元首
アドルフ・ヒトラー(タイカ・ワイティティ)
を作り、彼と交流し
さらに自国への愛と武力での支配の
気持ちを高めていく日々だ。

10歳のジョジョはナチス党公認の
ファシズム青少年組織ユングフォルクに
加入するため、
ヒトラーユーゲントの行う
初心者野外キャンプに親友のヨーキーと参加。
隻眼の
クレンツェンドルフ大尉(サム・ロックウェル)と
その忠実な右腕フィンケル(アルフィー・アレン)、
女性アシスタントの
フロイライン・ラーム(レベル・ウィルソン)
たちとその部下たちの指導の元、
参加した10歳になった
少年少女たちは訓練を行う。

しかし訓練中に小柄で純粋無垢なジョジョは
上級生に目をつけられ、
ウサギ殺しの残虐非道な行いを見せられて、
ショックを受けて逃げ出してしまう。
それ以来、ジョジョは、ジョジョ・ラビットと
不名誉なあだ名をつけられてしまうのだった。
落ち込むジョジョはヒトラーに叱咤激励を受けて、
元気を取り戻し、颯爽と手榴弾投げ訓練に参加、

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説明もよく聞かないまま指導員の
クレンツェンドルフから手榴弾を奪い、
投げるのだが、それが木に跳ね返って、
自分の近くで爆発。
結果怪我をしてしまったジョジョは
自宅に意識不明のまま強制送還。

五体満足で復活した彼だが、
顔に傷が残ってしまう。
それを知った母のロージは
クレンツェンドルフに怒りの抗議。
2人には何かしらの親交があるようだ。。。

めげないジョジョはクレンツェンドルフに
国家元首のために新たな仕事を受諾しに行く。
今回の件で、デスクワークに左遷された
クレンツェンドルフとその仲間たちは、
ジョジョに街へプロパガンダのチラシ張りなどを
依頼しジョジョはそれを熱心に行う。

そんなある日、家で過ごしていたジョジョは、
姉がいた部屋から物音がするのに気が付く。
部屋を調べていた彼は、部屋には隠し部屋があり、
そこでユダヤ人の少女を発見してしまう。
ユダヤ人を化け物と教えられていた彼は、
彼女を恐れ、また通報しようと考えるが、
逆に彼女に脅されてしまう。。

ヒトラーと相談したジョジョは、
支給されたナイフを持って、
彼女を襲撃しようとするが、
逆にナイフを奪われてしまう。

彼女は、亡き姉の同級生のエルサで、
親戚の家から母親のロージーが同情し
引き取ったのだ。

ロージーが引き取ったことはエルサは
言わなかったが、ナイフを紛失したら、
酷い懲罰をうけてしまうと
ジョジョを脅すエルサ。
ジョジョは酷く動揺して逃げてしまう。
それ以来ナイフをなくしたことが
バレないようにクレンツェンドルフに
会いに行くにも動揺する日々の彼。

またナチス・ドイツのために、
ユダヤ人の弱点をまとめようと
考えたジョジョは彼女を観察に試みるが、
逆に彼女の暇つぶしに利用されてしまうのだが、
美人のエルサにジョジョは知らず知らずに
恋心を抱いてしまい、
変な嘘をつくようになってしまう。。。。
そしてユダヤ人を虐殺することを
命令するナチス・ドイツや武力主義の愛国心が
エルサへの恋心のせいで、
徐々に揺らいできてしまうのだが。。。。

2020年1月19日劇場鑑賞 2020年3本目



いやエルサの存在ってすっごいネタバレなんじゃねぇのか??

正直本作がそういう映画だってのは、
知らなかったんです。

映画を見てびっくり!え?
ユダヤ人出てきちゃうの?って。
そこからは少年の価値観が刷新されてきて、
むしろ戦時中のヒトラーの影響下にあって
歪んでしまった少年が正しい心を取り戻す
という物語で、
その正しさを感じる少年の目線で、
戦争の惨たらしさや歪んでしまった世界に
善人であろうとする
ジョジョの真なる姿勢に
感動する映画なんだなぁと。

いやまぁタイカ監督の作品だったから
もっと頓珍漢な展開が
目白押しかと思いきや、
その部分は背景やアートの面にて
追加されていて、
あくまでも本筋はナチス影響下の少年の
歪みを描き、そこから見える戦争や
ナチスの歪みの映画なんだなぁと。

そういう意味では、
エルサの存在は、物語を語る上で絶対的な
ガジェットなので、
別に広義の意味のネタバレには
該当しないかもしれないが、
日本公開直前までその話なかったのに、
公開後の新聞広告で一気にそれを載せて、
この映画は第二次世界大戦のナチスの
ユダヤ迫害ものの
シネフィルアート映画ですよ感
出されてしまうと
俺の好きなワティティじゃないと
言っても過言ではなかったが、
むしろ
『ハント・フォー・ザ・ワイルダー・ピープル』
と変わらず、孤独な少年の成長物語として、
一貫している。

その少年が変な状況下に陥って
クスクス笑えながらもエンタメしちゃう感は、
全くもって同じカタルシスなので、
社会的価値の高い作品色だが、
紛れもない俺の大好きな
ワイティティだったと
映画オタのドヤ顔でマウント取らさせて
いただきます。

ワイティティもユダヤ人だった

パンフレットを読んでびっくりしたが、
肌の色や名前からして、
マオリ系とかあったかい地方の
原住民族の血筋の方なのかな?って思ったら、
母親がロシア系ユダヤ人という衝撃。

ハリウッド大作『マイティー・ソー』で
大成功をしたらきっちり、
自分のルーツであるユダヤ人の痛みについて、
真剣に考えて、
それを自分の力を持ってどう描けるか、
どうあの恐ろしさを映画に内包し、
そしてどう自分の個性で物語を着陸させるかを
心得ていた天才映画製作者だったタイカ監督。

演じる人が誰もいなかったからか自身で
ヒトラーを演じて、
あくまでも彼のイマジナリーラインで
成り立たせる手腕本当にすごい。

そして原作小説があったにも関わらず、
大幅なアレンジを加えて、
難しい題材をエンタメとも社会派とも取れる
作品にしたことで
アカデミー賞の脚色賞を受賞して、
映画製作者として上り詰めてて、
やっぱりすげぇなぁと思った。

『シェア・ハウス・ウィズ・バンパイア』を
あのとき劇場で観てた俺えらい。

サム・ロックウェルまたも大活躍

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サム・ロックウェル先生がまたも
モーホー系な役ながらも
え?ナチスにこんなおらついてない酔っ払い系の
心優しいおっさんいたのかよ?
というしかもさりげなく反戦派という
絶妙すぎるポジションを好演。
ワイティティらしさも醸し出してくれて、
彼の顛末がまた男泣き級に泣ける。

レベル・ウィルソンもワイティティらしい
ずんぐりむっくり無口姉さん。
アルフィー・アレンも良キャラ。

そいやスカーレット・ヨハンソンは
本作で助演女優賞のノミネート。
うん。すごかった。

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天才子役結集

ジョジョを演じた
ローマン・グリフィン・デイヴィス。
彼は父親が撮影監督で母親が脚本家という
超エリート映画家庭。

初主演とは思えない演技力。
そしてオフショットの可愛さが凄まじい。
エルサを演じた俳優さんもむっちゃ綺麗。

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そしてそして最高の癒し系ヨーキー。

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ヨーキー。ヨーキー。ヨーキー。

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ヨーキーもナチス影響下で頭角を
表しまくってるけど、
ジョジョとはいつまでも親友。

最終盤では、
死亡フラグがありそうだったのに。。。
裸の大将モードで
「家に帰ってお母さんを抱きしめたい」と
ギャン泣き間違いなし発言。

クライマックスはハリウッド映画ばりの盛り上がり

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第二次世界大戦末期とあり、
やはり終盤では戦争シーンが描かれる。
そのシーンのテンションもやばいが、
一気に惨たらしい戦争という
側面が克明に刻まれ、
ジョジョはこの行いの間違いに気づき
大人の階段を上る。
このシーンの演出の幅こそ、
コメディ映画での低予算での経験と
ビッグバジェットでの経験が
見事に監督に根付いているの実感した。

上品すぎるのでは

欲を言えば良くできすぎている。
第二次世界大戦の末期という設定に対して
ドイツ人少年のユダヤ迫害と
ナチスの正義に葛藤するというプロット。
これだけでも十分過ぎるほどパワフルなのだが、
そこからもゲシュタポの捜査、
レジスタンスだった母の首吊りや
終戦末期の敗戦国の末路など、
意外に一本道過ぎるとこがあり、
作品としての余白がなかったと思う。

その力強過ぎるプロットを監督たちは、
ユーモアたっぷりの服装や、
音楽、色調、そしてイマジナリーヒトラーとの
やりとりなどで味付けしているが、
ちょっと期待値に対して
パンチに欠けていたかなと思う。
でもヨーキーは最高だった。
ヨーキーの発言。行動。全てが愛らしかった。

最後の方ありえない?いやそもそもこの映画言語が英語だぞ!

文句がある人もいるのかなぁと言う
真面目な作風の映画なのですが、
色々と最序盤から、
それを言うならそもそもドイツが舞台なのに
英語の言語の映画だよ!
という最初から一線がぶっ壊れている作風。

後半母親がいない状況で
どうやって生きてんだよ。
服なんでそんな綺麗なんだよ。
イマジナリーフレンドがヒトラーの映画だぜ。
そういうイマジナリーラインで
作られた映画だからね。

hisSCORE

・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 8/10
・映像のアプローチ 7.5/10
・映画の美術面 8.5/10
・キャラクターの魅力 8.5/10
・音楽 8/10
・上映時間と個人的趣味 8/10

80点

his0809
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