将来を約束された女性は…
★この記事をまとめるとこんな感じ★
製作
2020年アメリカ映画
復讐するは彼女にあり
制作
マーゴット・ロビー
・アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル
・ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY
キャスト
キャリー・マリガン
・わたしを離さないで
・SHAME -シェイム-
・未来を花束にして
・ドライヴ
クランシー・ブラウン
・スターシップ・トゥルーパーズ
・ショーシャンクの空に
アルフレッド・モリーナ
・スパイダーマン2
・ブギーナイツ
・マグノリア
・フリーダ
クリストファー・ミンツ=プラッセ
・スーパーバッド 童貞ウォーズ
・キック・アス
・キック・アス/ジャスティス・フォーエバー
ネタバレ あらすじ
現代のアメリカオハイオ州。
どこかの街の酒場にて酔い潰れた女性がいた。
ジェリーは彼女を送るため、
彼女に声をかけタクシーを呼んだ。
ジェリーは自宅近くにて
タクシーの目的地を自宅に変更。
彼女を自宅に連れ込んだ。
泥酔した彼女にレイプを
試みようとするジェリー。
しかし女性の泥酔は実は演技だった。
突如牙を剥くその女性は言葉巧みに
ジェリーを追い詰めた。
そして翌朝彼女は実家に帰った。
女性の名はキャシー(キャリー・マリガン)。
コーヒーショップで働いている。
大学時代医学部だったが中退し、
30歳を迎える今でも実家で暮らしている。
夜になると酒場で泥酔したふりをして
レイプを目論む男に仕置きをしている。
そんな彼女のコーヒーショップに
元大学の同級生のライアンが現れた。
キャシーのことを覚えていた彼は、
昔から彼女に好意を持っており、
この度デートに誘うが、
訳ありの彼女はそれを拒む。
しかし熱烈なアプローチに負け
ライアンとデートを行う。
ユーモアたっぷりのライアンに
彼女も心を許すが彼が不意に
自宅へ招待したことをきっかけに
一気に興醒めしてしまうのだった。
だがライアンは諦めず
キャシーも自身のトラウマである
親友のニーナをあることをきっかけで
失ったことを乗り越えようとするのだが、
ライアンがかつての同級生のマディソンや
アルと連絡を取り合っていることを知り、
ニーナを集団レイプしたアルが幸せに
暮らしていることを知り、
ニーナはそれを訴えたが退けられ
精神を病んで自殺し、自分も大学を中退し
将来を失った怒りに身を焦がし、
復讐計画を考え実行するのだった。
2021年7月17日劇場鑑賞 2021年40本目
アカデミー賞脚本賞受賞
2021年に開催された
アカデミー賞脚本賞受賞作品。
イギリスの海外ドラマ
『キリング・イヴ』シーズン2にて
高い評価を得ていた方が
映画初監督脚本をし
衝撃のアカデミー賞受賞にまで至った。
もともと俳優さんである
エメラルド・フェネルは、
『プロミシング・ヤング・ウーマン』
将来有望な女性というタイトルにて、
医大を中退した女性の恋愛と復讐を描いた。
楽しい思い出は他人のトラウマ
かなり辛辣な映画だった
実話をベースにした物語のようだが、
『モンスター・ユニバーシティ』のような
大学のフラタニティー文化の悪しき文化
アメリカのティーンのパーティ文化は
きっと多くのカーストトップの
男子大学生の楽しい思い出なんだろう。
しかしそこでトラウマを
得てしまう人もいる。
そしてそのトラウマが
誰かの人生を壊してしまう。
今作では前に進めなかった女性が、
復讐のチャンスを得、
復讐を行うスリラーだった。
彼女の怒りは至極真っ当で、
彼女が天誅を下す行為には共感も得る。
なんせ復讐劇なのに暴力に
頼らないのがすごい
だが
この復讐を受ける加害者が憎みきれない
それは彼らにとって過去で
若かりし頃の無自覚な過ちなのだ。
もしかしたら私たち自身
映画館の客席を購入し
この物語を見下ろすことなど
できないのかもしれない。
私たち自身いつかは裁かれるべき
なのではないか?
本当に汚れなき人生を歩めているのか?
Twitterにて過去の発言をもとに
多くの人が裁かれるのを目にする。
人は成長し、
そのことを悔やんでいる可能性もある。
主人公のキャシーはしっかり見極めていたが、
ライアンとの関係については、
彼女自身もライアンの存在を見逃していて、
ライアンには同情してしまう部分もある。
ライアンもまた同調圧力と
先見の利益のために事件を見逃している。
そしてそれを忘却していた。
忘却は罪なのか?忘却は自律するための薬なのか?
非常に難しい問題だ。
生きている限りそれでも前に
進まなくてはいけないだろうし、
成功は多くの人を踏み台にした先に
あると思う。
優しい奴は生き残れないと思う。
でもあの時のあれは人を傷つけていたのか?
そう思うこともある。
人間と関わることはしんどいことだと
思えてしまう。
批判しづらさがある作品
しんどいが面白い映画だった
キャリー・マリガンはシーンごとの
衣装チェンジや髪型のセットにて
色々な表情を見せてくれた。
でも30歳ちょうどには全く見えなかったが
そしてどうにもこうにも女性が男性により
性的搾取されていることに対して
批判を行う作品上、
これまで男性主導という社会において
どうしても描かれることが難しく、
低予算よりで弱さ前提で描き、
社会派として君臨する低予算映画に
ありがちなことを
ポップで毒を効かせラブコメ要素もうまく
盛り込んでいて、大衆娯楽作品と調和していて
やはりめちゃめちゃすごいんだが、
批判自体を受け付けないと思う。
何か言えば本作に感銘を受けた
痛みを抱え目覚めた人、
いわゆる信者に攻撃される可能性がある。
ある種全肯定されやすい映画になっている
のではないかと思った。
男性が本作を称賛することも難しい、
だって過去のハリウッドコメディでは
どうしても女性をトロフィーのようにして
描いていてそれをみて私は育ってしまった。
この映画が描いていることはとても正しく
そしてエグく不都合な真実とも思える。
でも私たち男子は過去の作品を
楽しんでしまい良い思い出にしてしまった。
2010年代後半から価値観は大きく変動するのを
実感する。
映画で描かれる生活様式が
コロナウイルスの登場により非現実的に
なっていくのではないだろうか?
俺はまだジャド・アパトーの映画で笑っていたい
それが古い価値観になってしまっても。。
音楽が微妙だった
冒頭の音楽がなんとも乗り切れない。
全体的に古臭いなぁと思うのは、
2010年代に時が止まった女性の物語だからか?
パリス・ヒルトンのネタがいまいち笑えない。
むしろその塩梅が巧み過ぎるのか?
個人的にはずっとテイラースウィフトとか
流れてた方がクレイジーだったなぁと。
映画秘宝が全力で推してたら笑える
見終わった帰り道ふと思ってしまった。
作風的には映画秘宝の大好きな
女性がクソどもを成敗するという天誅もの
なわけだが、女性軽視及び嫌がらせ問題で
空中分解した雑誌が、本作をどう褒めようと
搾取している側にしか見えないなぁと。
結局あれ以来、
映画秘宝を買わなくなってしまったなぁ。
映画秘宝は2020年代には
生き残れない宿命だったのかもしれない。
町山さんが今作コメディと評して
笑ってるの見て戦慄した。
と言いつつもキャリー・マリガンを見るたびに
タレパイなんだよなぁと思ってしまう自分も
紛うことなき裁かれるべき人なんだよな
hisSCORE
・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 8.5/10
・映像のアプローチ 8/10
・映画の美術面 8/10
・キャラクターの魅力 7/10
・音楽 6/10
・上映時間と個人的趣味 7.5/10
78点
マーゴット・ロビーが製作なのすっごい。