セス・ローゲンがまさかのプロデュース
★この記事をまとめるとこんな感じ★
はじめに
製作
2023年アメリカ映画
だから世界に人の心の光を見せなきゃならないんだろ
製作
セス・ローゲン ・ソーセージ・パーティー 2023年9月24日劇場鑑賞
エヴァン・ゴールドバーグ
・無ケーカクの命中男/ノックトアップ
・スモーキング・ハイ
・ディス・イズ・ジ・エンド 俺たちハリウッドスターの最凶最期の日「ミュータント・パニック!」はどのようなストーリーですか?
ネタバレ あらすじ
2023年42本目
コアな映画ファンにとっては話題性抜群の映画
8年ぐらい映画公開しないと
権利が切れてしまうのか
7年ぶりの劇場向け映画化。
(Netflixでも2022年に映画公開済みだった)
前作は一応
2016年のマイケル・ベイがプロデュースの
『ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影<シャドウズ>』
そんなに悪い映画じゃなかったですが。
パラマウント製作での権利的な問題が
あるんじゃないかなぁと
SONYの『スパイダーマン』とかね。
そんなわけでパラマウントの傘下で
前作同様の子供向け映画を作ることの多い
ニコロデオン・ムービーズさんが
製作スタジオなわけですが
今回プロデューサーに
コメディアンであり
大人向けの等身大コメディが得意だけじゃなく
スピルバーグの映画にも出演したことのある
セス・ローゲンが抜擢。
『ソーセージ・パーティ』という
お下劣大人向けアニメの
パンチやばかったけど今回は
どんなアニメ映画になるのか?
と思ったら
「ミュータント・パニック!」の監督は誰ですか?
監督に大傑作映画
『ミッチェル家とマシンの反乱』
の監督の1人のジェフ・ロウが抜擢。
面白くて『グラビティ・フォールズ』にも
自分は手を伸ばしてしまったよ。
そんなコアな映画ファンとしては
スルーせずにはいられなかったので
セス・ローゲンも声優を勤めている
ということで字幕版を都心で鑑賞しました。
賛否両論?設定変更
さてさて7年ぶりの映画化となった本作。
2016年ではティーンというか
突然変異でムキムキになった
アメフト選手系大学生風の
タートルズが大活躍という感じでしたが
今作はだいぶ10代前半より。
おそらく15歳ぐらい??
まだヒーロー活動もしていない彼らが
人間世界と同世代の少年少女の
青春の日常に憧れる。
愛情いっぱいではあるものの
アンダーグラウンドな世界で
ある種ホームレスに近い存在ながらも
人生そのものを欲するという
悲しい存在。
そんな彼らが
10代のエイプリルに出会ったことが
きっかけで人生が変わるという
全然違うトーンだと思われ
パンフレットの解説にもあったが
監督が左右均等の人間がいないのに
アニメだと左右均等はおかしいということで
不完全なデザインを採用され
良い感じに醜いクリエイチャー感を
大事にしている。
怪獣映画や
人と仲良くしたいモンスター映画感あるね。
そしてまた違う点としては
エイプリルが美人姉さんキャラじゃない
アニメやベイ版では美人キャラの印象が
強いエイプリルですが
15歳ぐらいの小デブのキャラに変更。
将来はジャーナリストになりたいという
願望があるがあがり症で
限界が来るとゲロを吐くという
しんどめのキャラ。
そんな彼女にレオナルドが恋しちゃうという
なんとも渋い内容。
そしてそして
敵キャラが敵とは言えない
と今作の敵が
シュレッダーでもクランゲでも
ラットキングでもトリケラトプスでもなく
スーパーフライさん。
とそんなスーパーフライさんも
幼少時に生みの親を人間たちに
殺害されてその復讐や
引き取った弟分たちの
ミュータントたちが
幸せに暮らせるように
人類を全てミュータントに
変えようとするという
壮大な計画を
マッチョ感全開に実行するわけです。
そんなスーパーフライの
引き取った
ミュータントたちも
タートルズたちと同世代。
世界には自分たちだけだと
思っていたタートルズは
まさかの同世代だけど
多種多様な生物から変異した
彼らに親愛の情を抱いてしまう。
という
現代の価値観をアンニュイな作風
この世界にはまだ希望の光があるんだと教えてくれる。
ただまぁ
そんな設定改変も
映画全体を通すと
どうでもよくなった。
映画終盤の展開にて
ヒーロー映画的展開が泣ける
とこの手の
ヒーロー映画オリジンあるあるでは
ありますが
少年だった彼らが
これはいけないと思い
暴走し悪に染まった
スーパーフライを止める為に
立ち向かうわけですが
流石に勝ち目は薄い。
必死に戦うもボロボロに
なるわけですが
そこにまさかの
ニューヨークの人々が参戦。
恐怖の対象の一つだった
タートルズを
エイプリルの勇気ある行動で
人々の価値観を変えて
地球が駄目になるか、ならないかなんだ!やってみる価値はありますぜ!
小さいヒーローたちに呼応する
市井の市民たち。
自分たちの職業のツールを駆使して
バトンリレーして
スーパーフライを止める方法を
実行しニューヨークの平和を取り戻す。
自分としては
暴力的で陰鬱なアニメや暗黒SNSを見て、
この世は残酷、ねだるな勝ち取れ。
と真っ暗な未来しか見えない中で
世界には偏見を超えて
慈しみの心や
身を挺して
希望の光もあるんだよと
訴えてくる本作をみて
分断に立ち向かう融和のメタファーとして
近年の人々が忘れてしまった
大事なものを描いているの
とてもとても良かったし
めちゃめちゃ泣いてしまった。
セス・ローゲンの持ち込むリアル
と歪なキャラデザや世界観など
物語も死や差別。
いじめや偏見による生きづらさなど
リアルな社会の課題や醜さ
それでも世界には希望の光が
あるんだとその視点は
やはり『スーパーバッド』の
プロデューサーだった彼らしい
方向性だし、このブラックな視点も
また『ソーセージ・パーティー』にも
ルーツはあるよなぁと。
そしてタートルズたちの
メタファーはなんか
貧乏な家庭に育ったアメリカの少年かな。
何方かと言えばアフリカ系アメリカ人
かなぁNYのハーレム街で
不自由に暮らしている少年たちというか
そんな彼らが最後に高校に通えるようになる
というのも希望のある展開だなぁと
思ったしジェフ・ロウの才覚やばと思った。
クレイアニメのような
『スパイダーバース』以降
という言葉がもうあたりまえに
なるほどに
エポックメイキングだったなぁと
日々実感しているわけですが
今作の映像感。
左右不均等のキャラによる
生々しさ。
そしてクレイアニメのような
質感の映像。
3DCGアニメなのに
手書きのコミックのような
味わいが凄まじい。
映画好きとしてすごいと思ったし
もう一度見たくなるような
ストップモーションみたいでもあるし
それが終盤のスケール感にも
良い感じになっていて
前半はちょっと凄すぎて
ノイズにも感じたが良かった。
おじさんにはティーン感がきつい
とまぁちょっときつかったのは
物語展開としての
レオナルドの淡い恋心とか
ノリ。BTSのバター歌う感じとか
ちょっと冗長かなぁと思ったり。
声優超豪華
タートルズ勢はキッズを採用しているが
セス・ローゲンは豚で登場。
サイはなんとジョン・シナ。
そしてセス・ローゲンとは
『無ケーカクの命中男/ノックトアップ』で
共演し『ソーセージ・パーティ』でも
声優として参加したポール・ラッドも参加。
ヴィランとなったスーパーフライは
アイス・キューブが好演。
セス・ローゲンと長年映画で共演している
ローズ・バーンも参戦。
マヤ・ロドルフも参戦。
と一番はやはり
ジャッキー・チェンが
スプリンター師匠を演じてる。
アジア移民のメタファーとしての
スプリンターが
孤児とも言えるタートルズを
育てるという
なんとも生々しい立場を
めちゃめちゃ好演。
好演すぎる。
最後のチューしまくってるの
めっちゃセス・ローゲンっぽくて
好き。
あ。まさかのキャラ
ポスト・マローンなのくそやばい。
hisSCORE
・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 8.76/10
・映像のアプローチ 9/10
・映画の美術面 9/10
・キャラクターの魅力 8/10
・音楽 9/10
・上映時間と個人的趣味 8.3/10
86点
地味に音楽もすごく良くて
エンディングの
ルー・リードをサンプリングしている
A Tribe Called Questの
Can I Kick It?がかっこよすぎ。
これがまた90年代の曲で
タートルズがアニメ化して
大成功した90年代を感じさせる
よさよ。
楽曲中90年代のヒットソング感が
また暑いながらさらに
劇中では濃厚なEDMのBGMありで
その音楽担当がまさかなお
ナイン・インチ・ネイルズの
トレント・レズナーと
アッティカス・ロス
なの何気にびっくりした。