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○【73点】TENET テネット【解説 考察 :映画という教義そして黄金体験】○

TENET テネット

製作

2020年アメリカ映画

僕らのミライへ逆回転

監督

クリストファー・ノーラン
ダンケルク
インセプション
ダークナイト
プレステージ

キャスト

ジョン・デヴィッド・ワシントン
ブラック・クランズマン

ロバート・パティンソン
・トワイライト〜初恋〜
・リメンバー・ミー

エリザベス・デビッキ
・華麗なるギャツビー
・ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス
・コードネーム U.N.C.L.E.

ケネス・ブラナー
・ヘンリー五世
・ハムレット
・から騒ぎ
・オリエント急行殺人事件

ヒメーシュ・パテル
・イエスタデイ

アーロン・テイラー=ジョンソン
キック・アス
・ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ
・GODZILLA ゴジラ
・ノクターナル・アニマルズ

あらすじ

現代のウクライナの首都キエフのオペラハウス。
アメリカのCIAに所属する諜報員の
ポルタゴニストまたは主役そして名無し
(ジョン・デヴィッド・ワシントン)は潜入中の
諜報員と物品回収を行うべく、
オペラハウスにて起きたテロ事件に
現地特殊部隊に紛れて現場に潜入する。
見事に諜報員と合流、物品回収も成功したが、
テロリストたちの時限爆弾を止めるべく
会場に戻るが、そこで現地特殊部隊に
バレてしまうが、特殊装備をした仲間に
救ってもらうが、彼は銃弾が逆行する銃で、
特殊部隊を撃退したのだった。
爆弾テロから会場の人々を救った
ポルタゴニストことポルちゃんだったが、
潜入中の諜報員は偽物でロシアの特殊部隊に
捕まってしまうのだった。
拷問に仲間たちが秘密を明し殺されていく中、
ポルちゃんはCIAより支給された青酸カリを
用いて自殺をすることに成功する。

しかしポルちゃんは目覚めるのだった。
その青酸カリはテストだった。
任務に命を捧げられる強い自己犠牲の精神を持つ
ポルちゃんは謎の組織テネットに引き抜かれる。
秘密基地で迎えを待つポルちゃんは、
船で謎の場所に導かれ、
アメリカにあるテネットの基地へ訪れ、
そこで研究員のバーバラにより
テネットという組織が未来からの
略者と戦っている組織であることを明かす。
また未来人は第三次世界大戦を
仕掛けて現代に移住しようとしている。
彼は弾丸が戻る逆行の銃を用いており、
その武器を未来から持ってきている。

闇市場にて出回っている逆行銃の
薬莢から出所はインドであることを知った
ポルちゃんは、インドのムンバイに旅立つ。
そこではテネットの何でも屋の
ニール(ロバート・パティンソン)がポルちゃん
の支援にやってきた。
ポルちゃんとニールは協力して
インドの武器商人のもとへ強襲。
武器商人のプリヤを捕らえたポルちゃんは、
彼女から逆行銃の出所は、
ロシア人の武器商人のセイター(ケネス・ブラナー)
であることを教えてもらう。
そしてセイターは未来との接点があるとのこと。

セイターと接触しよう考えたポルちゃんは、
セイターには妻がいて、2人の仲はとても悪いが、
子供のために妻は離婚ができない。
そして妻は絵画の鑑定しでありながら
以前の恋人で贋作画家のものを本物として出品した
詐欺行為の秘密をセイターに握られ脅されている。

その情報をMI6のマイケル・ケインから聞き、
他の贋作も渡されたポルちゃんは、
セイターの妻のキャット(エリザベス・デビッキ)
と接触に成功する。

ポルちゃんはキャットに協力をしてもらうために、
贋作がある思われるオスロ空港にある
タックスヘイブンの温床と思える特殊金庫に
ニールと共に潜入。
そして飛行機をぶつける大作戦を行うのだった。

彼女にちょっかいを出したことで、
セイターに目をつけられ、身分を偽りセイターの
ディナーに招かれたポルちゃんだったが、
セイターはすぐさまポルちゃんを殺そうと
あれやこれやと脅しを受け始める。

2020年9月20日IMAXGT鑑賞 2020年53本目




スパイ映画

クリストファー・ノーラン監督11作目の劇場映画。
映画タイトルから回文という
0~10のTENを回文してTENET。
教義という宗教の教えの内容という意味を持ち
10~0という逆行を意味したかのような
ノーランらしい奥ゆかしいメタファーを
タイトルからも感じさせてくれる。

もちろん内容はスパイ映画だ

なんせ昔から007が大好きな
イギリス出身の映画監督。
何故か007の監督の声がかからないからか、
自分だけの007を描いたスパイ映画を
『インセプション』で制作した。
人の夢に入り込みアイデアを盗もうとする泥棒。
人の夢の中に入り物語を植え付けるが、
大量の敵や雪山、スーツでの肉弾戦。
彼は自分が愛するものを映画内に巧みに持ち込む。

そんな彼が手がける今回の物語は、
元CIAエージェント自称主役ことポルタゴニストが、
第三次世界大戦の危機を救うため、
未来人から時空を破壊する兵器を受け取った
ロシアの武器商人の陰謀に
秘密結社テネットの一員となって
スーツを着こなし戦う!
めちゃめちゃ王道スパイ映画だ!!

his
このネタだらけなので大筋がそもそも見失いがちだが善人と悪人が戦う単純明快な物語なはずなのだが

映画の過程がSF小説オタだったりシネフィルだったりバカビッグバジェットエンタメと振り幅がおかしい

his
結構うまいことひとまとめにくくったなぁ。

うん。映画の内部に描かれた内容の振れ幅が広すぎてアレなのだ。

映画の主人公に名前がないということは、
正直見ている最中は気がつかなかった。
途中でメタ的な会話してるなぁと思ったら、
最後に「おれこそが主人公だ!」となって、
え?ってなったけども、
そこにも監督のメタ的なこだわりがあったことに
後々知って驚くが、まずはそこじゃない。

引用と思えるSFがマニアックなのだ。
時間系のSFを描いた小説から多数引用されると
思えるものがあるようで、
一つ一つが興味深く、
それでいて入り組んでいる。
この要素はあの小説から
これはあれーと色々と考えられる
奥ゆかしさは流石鬼才。
インディペンデントとメジャービッグバジェット
の両立ができるスーパー映画監督だ。

今作でも無駄なビッグバジェット感は満載。

廃棄予定の航空機を購入し改造して、
実際に空港の一角に衝突させてしまう。

his
頭おかしい。
しかもその必然性は全くない。

むしろキャラクター自身が
「映画的に面白いから飛行機つっこませようぜ!」
と言っている

めちゃめちゃメタ的な構造だ。
少しだけ第4の壁にも近づいているが、
監督自身が映画というものをメタ的に
どうあるべきか?を提案している。
いわば監督の教義であり、
だからこそ『テネット』なのだろう。

his
監督が『テネット』を通して
映画というものが私たちにもたらす
感動を教義として描いたのだろう。映画の可能性の話なのだと思う。
スポーツボートのどうでもいいシーンや
巨大なタンカーやカーチェイス、
終盤の廃墟での挟撃作戦など、
逆バンジーでのビル上りも
意味はない。
むしろ逆行することもどうでもいい。
それらは全て映画の持つ可能性それらを
感じることが私たちに映画の感動を
思い起こさせてくれる。
ノーランが観客に伝えたい感動を
映画化していると思う。

考えないで感じればいいんだ!

すっごいいいこと言ったが、

his
今作の恐ろしいところは、一つ一つのシーンに考察を加えると色んな矢印で検討ができるのだ

セイリングのシーンがめちゃめちゃやばい

his
流石ノーラン先生。
『ダンケルク』の飛行シーン凄かったが、このセイリングのスポーツの迫力めちゃめちゃすごくて、
生々しかったし、全く知らない競技だったから感動!IMAXでの最高品質の映像も感動でした。

ノーランと時間

ノーランと言えば映画の時間軸を
めちゃめちゃにして深みを出してくる
SFおじさんだ。
自分の知っている限りでは、
『インセプション』では夢の中の更に
夢の中という奥に行けば行くほど、
現実との時間の進み方が変わるという設定。
それを巧みに用いて、
あるシーンでは車が横転しているが、
別のシーンでは無重力バトルをしていて、
さらにその中の夢では、雪山で戦っている
などなどスローモーションでの車の横転は
とても笑えた。

『インターステラー』では、
浦島効果。
ブラックホール直近では、
重力の関係で地球と流れる時間が違うという。
主人公のマコノヒーは全く歳を取らないのに、
マッケンジー・フォイは年老いて顎が割れて
たくましいジェシカ・チャステインへと成長。

そして初期作の『メメント』では、
10分しか記憶を保てない男が、
事件に巻き込まれ、
その真相を探すのだが、
映画は物語を遡り続ける。
映画の最後で真実にたどり着くが、
そこは映画のスタート地点だ。

『ダンケルク』でも
1週間と1日と1時間を映画で同時に描き。
最後は一つの時間と場所に集約するという
シンプルな時間映画で面白い。

そして『プレステージ』では、
ヒュージャックマンは、
毎日自分をマジックの為に複製し殺す。
その1日を延々と繰り返し、
複製されては死ぬ。
同じ死の1日を繰り返し栄光と破滅を
同時に手に入れる。わずかな時間を繰り返す
というやはり時間について描いている。

そして今作では、
タイムマシーンではなく、
逆行マシーンが登場。
同じ時間だけ逆行することで、
過去に戻ることができる。
でもそこでは世界が逆のため、
息も吸えない。
武器も特殊な状態となり、
順行の世界では逆行する人は、
逆に行動を起こす。
さらには銃弾も撃つと逆に戻り、
銃に戻っていく。

映画の最後では順行と逆行の
10分間の強襲挟撃作戦を行うなど
不思議なシーンが描かれる。

ノーランのライフワークともいえる
時間とそして憧れのスパイ映画を同時に描いた
凄すぎるノーラン映画。
ノーラン映画の集大成だ!

運命の奴隷

『テネット』での教義は、
起こることは起こる。
未来は決まっている。
映画のオチも決まっている。
主人公は必ず逆行してきたニールに救われる。
そしてニールは必ず主人公を好き命を落とす。
それは『ターミネーター』の
カイルとサラとジョンのように、
必ず起こることなのた。
映画は最初のオペラの時間に既に完結している。
オペラの時にセイターは逆行してきてベトナムで
キャットに殺される。
逆行してきた主人公はアイブスと共に
アルゴリズムを手に入れる。

そして主人公ことポルタゴニストは
テネットという組織を作る。
それは卵か先か鳥が先か?のように
全くもって謎だが。

映画において大事なのはそこではなかった。
決まり切った人生に対して
どう選択肢どう生きるか。
それはポルタゴニストの冒頭の英雄として
観客を救い、そして秘密のために自殺をする信念。
全ては決まっていたが、
そこにたどり着くまでの人間の信条、
強い意志こそが世界を救う。
そしてニールは強い意志を持って死にいく。
眠れる奴隷は目覚める。

his
ここでも黄金の風が吹く
そう言えば荒木さんもジョジョのラスボスは
時間を操るなぁ。

「このジョルノ・ジョバーナには『夢』がある!」

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ロバート・パティンソンやば

スーツ姿のパティンソン。
かっこいい。
個人的に若かりしブルース・ウェインに見えた。
え?バットマンやん。
バットマン結構楽しみです。
流石ヴォルデモートに殺されただけありますね。

IMAXGTに慣れてきたのか?

正直IMAXGTで結構いい席で見たのですが、
そんなIMAXで見てよかったなぁとは思わなかった。
むしろ先行公開のプロローグの
衝撃の方が大きかった。
会話シーンでフィルムに戻るのですが、
そのサイズに違和感すごい。
画面ガチャガチャ変わっちゃうのがなぁ。
あとフィルムの粒子が逆に違和感。
フィルムもうちょっとアプコンして
サイズ大きくできないものか???
でもIMAXGTは大好きです。
次のIMAX作品は何かなぁ???

注目の音楽

『ブラック・パンサー』『マンダロリアン』
『クリード』のルドウィグ・ゴランソンが担当。
ジマーさんが忙しすぎるようです。
ただ個人的には方向性としては
ジマーさんに寄せていて、
ルドウィグ・ゴランソンさんの個性が
隠れていたなぁと。
逆再生などで楽曲をミックスしたりしてたり
アナログシンセサイザーでしか鳴らせない音は
確かにあったのだが、
ノーラン映画終始要素の殴り合いなわけで、
音楽もジマーさんで殴り合ってたが、
今回は寄り添った感じになった印象。

設定のおかしさは考えるな!感じるんだ

映画のシナリオは致命的におかしな点は多々ある。
その問題点を思えばマイケル・ベイの映画と同じ
ジャンルなんじゃないかと思ってしまう。
ベイも自分の映画の引用元がフランス映画や
SF映画からのオマージュとか語り出したら、
天才扱いされるんじゃねぇか??

his
個人的に後から考えておかしいなと思ったのは、
未来から来た武器って使い物になるの?

あれって弾が銃に戻るんでしょ?
撃ってある場所で使わないと意味ないでしょ?
それとも事象が起きたという現実改変の力が
あるの?
そして研究所の銃のテストもおかしいのでは?
そんな使い物にならないものを売ることに意味は?

逆行したら息もできないし、ご飯も食べれないし
トイレもできないのかな?生きられなくね?
車の運転無理じゃね?
あのカーチェイスの時ポルタゴニストは謎消失
していたの?対消滅が起きていたの?
などなど気になることが目白押し、
そういう部分を再確認のために
再鑑賞するのもいいよなぁ。

ニールはマックスではないよな

個人的にはニールがマックス説は熱い。
それこそ『ターミネーター』のカイルのような
立場なのがとてもいい。
でもこの映画の逆行の手法として、
逆行している最中は加齢がないならわかるが、
逆行は進んだ分だけ戻らないといけないという
ことはマックスの年齢が20歳ぐらいで、
ポルタゴニストがスカウトして育てて、
10年間孤独に逆行したのかもしれないが、
そんな途方もないこと、
起きたことは起きるというルールなら、
その運命に立ち向かうのかもしれないが。。。

hisSCORE

・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 7/10
・映像のアプローチ 8/10
・映画の美術面 8/10
・キャラクターの魅力 7/10
・音楽 7.5/10
・上映時間と個人的趣味 7/10

73点

終盤のクロスカッティングが
どのノーラン映画にも共通しているが、
今回のは破滅的なノスタルジーが強くて、
フランスチックだったけどだるかった。

あと終盤のシーンCG使用少ないことを考慮すると
逆行進を演じてる人が大勢いて笑けてくる。

好きな映画でUHDは買うけども、
最高に面白いとは思えなかった。

嘘つくとピヨった顔するポルタゴニスト萌。

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