○【69点】アリータ: バトル・エンジェル【映画感想 カンフーマスター少女を目にやきつけるべし】○

製作

2019年アメリカ映画

監督

ロバート・ロドリゲス
・シン・シティ 復讐の女神
・スパイキッズ
・エル・マリアッチ
・プラネット・テラー in グラインドハウス

出演

クリストフ・ヴァルツ
・イングロリアス・バスターズ
おとなのけんか
ジャンゴ 繋がれざる者
・ゼロの未来
マハーシャラ・アリ
・グリーンブック
・ムーンライト
プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命
・ベンジャミン・バトン 数奇な人生
ジェニファー・コネリー
・ビューティフル・マインド
・レクイエム・フォー・ドリーム
・砂と霧の家
・ロケッティア
エド・スクライン
デッドプール
・ビール・ストリートの恋人たち
ジャッキー・アール・ヘイリー
・ウォッチメン
・エルム街の悪夢
・リトル・チルドレン
・シャッター アイランド
エドワード・ノートン
バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
アメリカン・ヒストリーX
・真実の行方
・僕たちのアナ・バナナ
インクレディブル・ハルク

あらすじ

地球と火星は300年前に戦争をした。
地球には空中に浮かぶ都市ザレムとその下でザレムからの廃棄物が積み上がるアイアンシティの二つのみになり。
二つの世界で階級は分断され、富があるものは空中都市へ、貧困者はアイアンシティで暮らしている。

この世界では人類は生き残るために体の部位を機械に置き換えている。
また置き換えた部位を仕事のために工具に置き換えるようになったり、
悪人は体の部位を凶器に置き換えたり、その犯罪者を取り締まるために全身を機械に置き換えたりするサイボーグがいっぱいる世界だ。

そこで町医者を営むイド(クリストフ・ヴァルツ)は、ザルムからの廃棄物の中から女性型サイボーグの上半身を見つける。
彼はその上半身を亡くなった娘のために製作していた体と接合する。
翌日目覚めたサイボーグにイドはアリータと名付け、亡くなった実の娘のように一緒に暮らすようになる。

アリータは、イドにパーツを運ぶ10代の青年ヒューゴと出会い、
この街で流行しているモータボールの存在を知る。

また近頃女性を襲う事件が起きており、イドが関わっているのではないかと思い、
夜に出かける彼を尾行する。
実はイドは夜は賞金稼ぎとして犯罪者を成敗していた。
しかしイドはその賞金首であるグリュシカ(ジャッキー・アール・ヘイリー)は、
仲間達と一緒に自分を狙うイドを殺そうとするのだった。
そこにアリータが参戦。
アリータは自分の体に格闘術がインプットされていることを知り、
その力でグリシュカの仲間達を破壊する。
その戦闘の最中、自身の記憶をフラッシュバックするアリータ。
彼女は300年前の地球と火星との戦争時に月に従軍し、
先輩サイボーグに格闘術を教えてもらっていたことを思い出す。

自分の正体に興味を持ったアリータは、
ヒューゴと仲間達と一緒に廃墟化した火星軍の宇宙船に侵入し、
自分が過去に装備していたバーサーカーの身体を見つける。
それをイドに渡すが、イドはアリータをバーサーカーにすることを拒むのだった。

モータボールの主催者であるベクター(マハーシャラ・アリ)は
ヒューゴと仲間達に仕事を与えている。
さらに空中都市のザレムの科学者であるノヴァ(エドワード・ノートン)とコネクションを持っている。
ベクターはノヴァのために、グリシュカを使い、人体パーツを空中都市に輸出しており、
またノヴァはベクターとグリシュカの体に乗り移ることができる。
ノヴァはアリータの存在を知り、彼女をザレムに連れてくることをベクターとグリシュカに命令する。

アリータは自身の記憶を取り戻すため戦闘に身を置こうとする。
彼女は賞金稼ぎに登録して、賞金稼ぎが集まる酒場にヒューゴと向かい、
そこで賞金稼ぎに喧嘩を売り、戦闘を行う。
だがそこにアリータの身体を狙うグリシュカが現れるのだった。

2019年2月24日IMAX3D劇場鑑賞 2019年19本目



『ドラゴンボール』の悪夢を越えて

『アバター』や『ターミネーター』のビッグバジェット映画のエポックメイキングの代名詞のジェームズ・キャメロンが製作を手がける本作。
原作は日本の青年漫画『銃夢』。
ジェームズ・キャメロンは『ソラリス』以来のプロデュース作品(製作総指揮は結構やってる)。
監督はロバート・ロドリゲス。
ロバート・ロドリゲスと言えば監督作品がどれも挑戦的で、
ファミリー映画ど真ん中娯楽を企画したような『スパイキッズ』を4作もつくり、3Dや4Dに挑戦。
さらにはアメコミの『シン・シティ』を原作コミックの味わいそのままでグリーンバックを多用して、映画化。
そして出世作のマリアッチの殺し屋を描いたメキシコアクション映画は3作もあり、
さらにタランティーノと組んで、C級映画をハリウッド映画として復活させたグラインドハウスなどなど、
それ以外にもダニー・トレホを主役にしたアクション映画マチェーテだったり、
2115年に公開予定の映画を監督したり、挑戦的過ぎる映画監督。
その監督の次の挑戦がジェームズ・キャメロンの下で日本のサイーバパンクコミックの映画化というまたまた高難易度に挑戦している。
完成した映画は北米批評家評価は低かったが、
観客評価は比較的高いが、興行成績が制作費に及ばない状況で、
かなりの赤字映画になってしまった。

だが観客評価が高くヒットしてないということは、
映画化に厳しいであろうオタク層の評価が高いということでもあるので、
過去に日本の代表的な漫画である『ドラゴンボール』のハリウッド映画化に比べたら、成功だったのかなと思う。

話はナシですが映像はアリでした

話というか根本的な設定がかなり荒唐無稽で、説明要素がほぼなかったと思う。
なぜ地球と火星は戦争をしたのか?
そもそも火星とは地球の移民なのか宇宙人なのか?
地球には空中都市しかないのか?
背景の設定の説明は一切ナシ。
超兵器であるアリータが復活し、彼女が狙われるというプロット一本道。
そこに復活したアリータの好奇心で色々どっちらかる物語と、
劇中での重大要素であるモータボール描写、
そして根本的なサイバーパンク感や賞金稼ぎ的な血みどろ感、
フラットで話の展開が読めるペラペラなシナリオを
監督と製作の映像感が最高に詰まった映画になっていた。

アリータ自体も人間ではなくドールを意識したのか、
目が人間に比べると非常に大きくなっている。
これに違和感を持つ人が公開前から散見されたが、
自分は違和感なかったな。普段からアニメとか色々見ているからか。

それだったら人間の顔面に機械の顔がついてることの方が違和感強いよ。

近未来ロボットパンク感すごい

人体の部位のほとんどを機械にしている世界設定を映画内で描きまくり、
エキストラ一人一人をロボットパンク感でCG合成しており、
凄まじい金の注ぎ込み方にワクワクした。

また終始実写とCGの合成が多用されており、
00年代なら主流だが、現代ならちょっと古臭く思えるような合成の数々。
しかしアクションシーンの見ごたえはたっぷりで監督の手腕が十分楽しめる。

そして妙に古臭い映像な気がするが研ぎ澄まされており、
高品質な映画であることは確か。
しかし話のコミック感が古臭いことは拭えず、
総して盛り上がりに欠けるSF映画程度の内容だったのは、
残念だった。

でもジェニファー・コネリーの顛末にはびっくりした。

アリータの行動観念にびっくり

突拍子もない行動や決断を下すアリータに終始、
困惑したが、まぁ笑えたのでよかった。

それでもなんだかんだ脇役が固く。
アカデミー賞受賞俳優のクリストフ・ヴァルツ、マハーシャラ・アリ。
さらにエドワード・ノートンが登場。
まぁ後の2人は悪役として変な服装で変な立ち回りだったけども。

また映像がすごい映画だったが、
特にアリータの初期のボディの彫刻の数々などの細かいディテール。
そしてアクション面での動きの数々など見応えあった。

ロバート・ロドリゲスの非凡な才能を感じるし、
今作でも挑戦は見事に成功していた。
ヒット作と無縁なのは、いつものことと思うしかないか。
カルト的な魅力のある映画監督なのにキャメロンとタッグって本当に面白いな。

ただ今作を見る限り『アバター』の続編が世界に求められているのかを疑問に思う。
現代のディズニー神話とも思えるマーベルヒーロー映画の流れを考えと、
『アバター』って異色な映画だったと思うし、当時は3Dという映画革命が根底にあったと思うが、
『アリータ』ではそれを感じられず、キャメロン監督の次回作では何かあるのだろうか?
特に映画オタクの本流の主流はIMAXカメラでの最高画質の映画とかな気がする。
特にノーランのような監督が求められている気もするが。
期待はしつつも不安が多いが、
『タイタニック』もラブストーリーだと思ったら一級のパニック映画として最高に面白いし、
『ターミネーター2』は何度見ても色あせない傑作ビッグバジェットアクション映画だし、
結局『アバター2』もむちゃくちゃ面白いんだろうと思う。

全然見えてこないロバート・ロドリゲスの底知れぬ才能

映画監督といえば、話だったり、映画の演出だったりに段々その監督の個性が見えてくるわけですが、
やはりロバート・ロドリゲスの場合全然見えてこない。
むしろその個性があまりにも自然体にマニアックすぎて、
言葉を失ってしまう。
ギターや棺桶を銃にしてしまうセンス。
スパイを子供にした挙句ひみつ道具を地で描き、夢のような映画を作るセンス、
亡くなった片足にマシンガンをつけてしまうセンス。
入った酒場が吸血鬼の巣窟で大暴れさせてしまうセンス。
アメコミ映画かと思いきやハードコアノワールコミックをテイストそのままのバイロレンスを鮮やかに映画化してしまうセンス。
そのどれもが、誰が望んでいるわけでもない、本人の類い稀ないセンスが暴走してしまい、
監督の個性なのか?それともただのクソボンクラなのか?
見る側に擦寄らない圧倒的な才能は、
今作でも目の大きすぎる少女がカンフーマスターだったという、
ジェームズ・キャメロン印のフェティシズムを超弩級に超えて、
アクションマスターの称号にふさわしいバトルエンジェルを描いてしまったわけで、
100年後に公開される彼の映画は拝めないですが、
いつかきっとアカデミー賞脚本賞を受賞する映画を作ってくると信じたい。
そうですよね。ギレルモデルトロ監督。(?)

hisSCORE

・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 6/10
・映像のアプローチ 8/10
・映画の美術面 8/10
・キャラクターの魅力 6/10
・音楽 7/10
・上映時間と個人的趣味 7/10

69点

エドワード・ノートンがなぜこの映画に出ようと思ったのかが謎すぎる。

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