◯【68点】IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。【解説 考察 :クローゼットの暗喩に驚嘆】◯

IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。

製作

2019年アメリカ映画

見たかった映画では
なかった。

キャスト

ジェームズ・マカヴォイ
・フィルス
・つぐない
・スプリット
・ラストキング・オブ・スコットランド

ジェシカ・チャステイン
・モリーズ・ゲーム
ゼロ・ダーク・サーティ
ツリー・オブ・ライフ
インターステラー

ビル・ヘイダー
・エイミー、エイミー、エイミー! こじらせシングルライフの抜け出し方
バリー
・スケルトン・ツインズ 幸せな人生のはじめ方
アドベンチャーランドへようこそ

ビル・スカルスガルド
・IT/イット “それ”が見えたら、終わり。
デッドプール2
・ダイバージェントFINAL

フィン・ウォルフハード
ストレンジャー・シングス 未知の世界
・ゴーストバスターズ/アフターライフ

あらすじ

2016年のアメリカ最北東部のメイン州のデリー。
カーニバルの夜1組のゲイのカップルが街の不良に襲われてしまう。
ボコボコにされた1人は川に落とされてしまう。
流れの早い川に戸惑い、落とされた方を救うのに躊躇していた片割れ、
溺れ掛けた方はこの街のゲイを許さないに古い価値観が根付くこの街に憤りを感じながら
岸辺に1人のピエロを目撃し、彼に助けを求める。

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快諾したピエロだったが、助ける寸前でピエロは豹変し、彼を食べてしまうのだった。
愛する人を失った片割れ、翌日警察が死体を創作するがその死体は見つからない。

マイクはこの街の図書館の屋根裏に住む変わり者だ。
彼はこの不審な事件を調査しようと現場に行くと、そこでマイクと友人たちで退治したピエロのお化けペニーワイズ(ビル・スカルスガルド)の復活のメッセージを目撃する。
マイクは街から離れたかつての友人たちに彼の復活を連絡する。

27年前の1989年にマイクとその友達たちは、ペニーワイズを退治した。
ペニーワイズは街の子供達を大量に誘拐し殺害していた。
その彼が復活し、またも人々を誘拐し殺害している。

マイクと友人たちは、もしペニーワイズが復活したらまた協力して倒すことを誓い合ったのだ。

成人したビル(ジェームズ・マカヴォイ)は女優と結婚し小説家になる。彼の作品が映画化されるが、映画監督にオチを帰られてしまう。
リッチー(ビル・ヘイダー)はコメディアンとして成功するが、自信がなくなりアルコール依存症になってしまう。
べバリー(ジェシカ・チャスティン)は夫とデザイナーとして共同会社を作るが、束縛の激しい彼に嫌気がさし浮気をしたことで、
それ以来激しいDVにあう。
太っちょだったベンは体型のコンプレックスを脱却しスタイル抜群のイケメン建築家になるが、
こだわりが強すぎて、周囲から忌み嫌われている。
マザコンで神経質な潔癖性だったエディは、危機管理コンサルタントとして活躍、嫁に尻に惹かれている。
スタンリーは、マイクの連絡を受けて、自殺をしてしまうのだった。

それぞれが人生の暗い落とし穴に直面していた矢先、マイクからの電話で久しぶりにデリーに帰る彼ら。
仲良くご飯を囲む中、なぜマイクが自分たちを呼び戻したのかは不明のまま。
彼らは街から離れたことでペニーワイズの記憶を失っていた。
だがペニーワイズの魔の手はすでに彼らのもとへ。
楽しかった食卓はペニーワイズの力によっておぞましい生物がうねる狂宴へ。
ふざけた事態に苛立ち、そして彼らの死をマイクによって宣告され怒り狂う彼ら。
またスタンリーの死を知り、怒りは最高潮に。
それぞれが自分の居住地に帰ろうとするが、
マイクは当時のリーダーだったビルを止め、
マイクが見つけたペニーワイズの起源ともいえる、この地域の先住民から買ったツボと薬物を用いて、
ビルにペニーワイズを倒す方法を共有する。
またべバリーはスタンリーの死を予知夢しており、ペニーワイズを倒さなければ、自分達が死んでしまうことを予知していた。

ペニーワイズを倒す方法を知ったマイクとビルは、
かつての彼らの秘密基地を訪れ、思い出に浸りながら、倒し方を伝える。
それぞれの思い出の品をペニーワイズの本拠地にてツボに入れることで封印ができるというわけだ。

それぞれの思い出の品は、それぞれ1人ずつが過去を思い出し、手に入れなければいけない。
27年前の夏、ペニーワイズを倒した彼らは、最高に仲良しでずっと一緒…というわけにはいかなかった。
ちょっとしたことで喧嘩をした彼らは、散り散りになり、別々の人生を歩み始めたのだ。

その時の夏の思い出の品を手に入れるため、バラバラに行動する彼らだったが、
ペニーワイズは孤立した彼らに嫌がらせを始める!!

2019年11月30日劇場鑑賞 2019年94本目



大ヒットエンタメスリラーの続編が上映時間169分で降臨

スティーブン・キング原作でテレビドラマ化された『IT』。
2016年にリメイクというか再製作されたが、
映画のラストにて衝撃のチャプター2に続くという怒涛の展開を披露したわけで、
その続編がついに2019年に公開。
しかし上映時間がスリラー映画であるにもかかわらず2時間半超えの2時間49分という超大作。
大人になったルーザーズたちが、決着をつけるべくスティーブン・キングの街、デリーに帰ってくる。

2016年版は、ティーン80年代回顧映画として最高だったが。。。

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さて2016年にリブートされた本シリーズ。
海外ドラマ『ストレンジャーシングス』の大成功の影響か、
やたら80年代のポップカルチャーと少年時代を描くジュブナイル要素とSFという、
『E.T.』リバイバルの兆しが凄まじかったし、その『ストレンジャーシングス』の主人公のマイクのフィン・ウォルフハードが出演していることもあり、大成功していた。

ここで面白かったのはテレビドラマ版では、過去と現在を物語が行き来するのを排除し、子供時代のみを描いたことで、
前述のことに注力できて上映時間が長くても一級のエンタメとなっていたこと。

2019年版はTV版の失敗さえも再現。。。

さて169分と超長編になった本作。
監督は続投。
出演陣にはジェームズ・マカヴォイやジェシカ・チャスティン、コメディアンでありながらも賞受賞経験のあるビル・ヘイダーなど実力派が起用され、

充分過ぎる程のバックアップがあり、傑作の可能性が非常に高かったにもかかわらず、
作り手というか脚本は過去の失敗を再度繰り返す。。。

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せっかく前回で子供パートを完結させたにもかかわらず、
今作でも子供パートを描くというやり過ぎっぷり。

前回で親しくなった彼らだが、実はその後喧嘩別れしていたという前作を台無しにする展開。

大人の通過儀礼としての孤独というのは文学的にも理解はできるが、
おいおい前作の最高のジュブナイルっぷりはどうしたんだよ?
なに『スタンド・バイ・ミー』の最後盛り込んできてんだよ。
と原作者自身もできてしまう展開。

そりゃあ無駄に上映時間も長くなるわ。
テレビ版もパート1パート2合わせて3時間コースだっただけに、
そしてテレビ版ではどっちも子供パートと大人パートを描いた作品にしてて、
長過ぎ問題があったわけだが、
まさかのチャプター2でテレビ版の悪夢を再演するとは!!
そりゃあ公開後の海外批評家評価が結構悪いわけだ。

あまりにも丁寧過ぎる!!

誰がエクステンデッド・エディション風を望んだんだ?

あらすじでも紹介したが、ペニーワイズを滅ぼすための儀式には、各々の思い出の品を手に入れなければいけない。
どっかの『ロード・オブ・ザ・リング』かってぐらい、
別れたキャラクターたちがペニーワイズの悪夢と己の隠したい過去と向き合う冒険を映画はプレゼンしてくる。

1人ずつ丁寧に描くわけで、そりゃ上映時間長くなりますね。
1人あたり20分から15分はあったと思います。
なんだこの長編小説の映画化は?
スティーブン・キングが出てくるぐらいだから相当原作リスペクトしてますってことなのか???

もはや終盤の展開も長ったらしくて、
それでいて面白くないのだが、
そして最終盤のあの展開に????となった。

ネタバレ:クローゼットのメタファーがキツい

冒頭でゲイが死んだのが、謎だった本作。
そしてリッチーの過去での妙なセクシャルな視線とホモ呼ばわり。
そしてリッチーとエディのバディ要素とは違う親愛さと、
死んでしまうエディ。
さらには最後にエディの名を掘るリッチー。

おいおい。
まさかのゲイ映画じゃねぇか。

しかも冒頭のゲイ役の人天才若手イケメンゲイ監督のグザヴィエ・ドランじゃねえか。
見ている最中は全く気がつかなくて、
敷き詰められたピースを回収することで本作のメタファーとして、
クローゼットとオープンの葛藤、自身に嘘をついてクローゼットになるか、
受け入れて真実の自分を受け入れるかで、
生きるか死ぬかが決まってしまう惨たらしいシナリオだったことに気が付く。

リッチーの隠された秘密って、多分ゲイだってことだと映画では描いてた、もしくは寂しがり屋。
ただそうなってくると冒頭で死んだカップルがなぜ死んだのか?
いやあれは町の古い慣習に殺されたわけで、ヘイトクライムだが、

映画の最後に何故かエディーが死んでしまう。

唐突に死んでしまう。犠牲には意味が必要だ。
退場するにはそれ相応の理由がある。

自分は見ている最中には彼が退場する必要性はなかったと思って憤りを感じた。
リッチーは生き残り、最後に木にEと掘る。
最初は意味わかんなかったが。

冒頭の死んだカップルの件が、ここで生きる。
憶測だがリッチーとエディーは実はゲイだが、社会的にオープンにしていない。
エディーとリッチーはその気持ちを隠していたが、
リッチーはその気持ちに向き合い、嘘をつかず、克服した。
逆にエディーは、妻を迎えて、クローゼットにその気持ちを押し込めた。
いつまでも自分自身の本心に向き合えなかった彼は死んでしまったと思った。
そしてまた最序盤で自殺してしまうスタンリーだが、
彼もペニーワイズの試練に勝てそうにないということで自殺することで、仲間たちに全てを託す。
彼もまた妻を迎えて自分の本心をクローゼットに押し込めた。
彼は社会に自分がゲイであることを公言できない。その重圧に負けたから自殺してしまったということなのではないかと思う。
それぞれのキャラクターが自分自身のトラウマと向き合う。
弟を殺してしまった自分を許せないビル。
父の虐待の恐怖から抜け出せないバーブリー。
デブだったことが受け入れられず、外見を変えたが、心はずっとあの時のままになってしまったベン。
そして三人の心にあったのは、同性愛者であることを打ち明けられない自分自身だったのかもしれない。

てかそうなってくると前作のルーザーズクラブか3人ゲイという最早映画としての視点が狂ってくる作風になってしまう。
こりゃ問題作だわ。

3時間近い上映時間にゲイ映画としてのメタファーを盛り込んで、めっちゃやりたい放題じゃないか?

正直酷い映画なのでわ?って思ったし、見ていてしんどかった。

『シャイニング』ネタ多い。

冒頭のビルの原作小説の映画化って『シャイニング』だよな多分。
多分ビルのメタファーはスティーブン・キング自身。
監督と対立するのは『シャイニング』の舞台裏でのキューブリックとの対立を描いているネタ。
しかもその後もキング自身がベンとあって、そのネタを披露するし。笑

またペニーワイズの襲撃でも『シャイニング』のホテルのドアを斧で壊すシーンのオマージュもあるし、

今後公開予定の『シャイニング』の続編の『ドクター・スリープ』の宣伝のためなのか?

しんどいぜ。
裸のおばあちゃんのお化け。

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漫画太郎チックですが、これも『シャイニング』ネタ??

『遊星からの物体X』

なぜ『遊星からの物体X』をそのまま再現したわけですが、『ストレンジャーシングス』シーズン3の古いのもいいけど、
新しいのも良いを掛けての盛り込みですかね?
もうまんま頭がエイリアン化のパロディーでやり過ぎ感異常。
ここまでくるとこの映画のオリジナリティとか?どこって感じ。

俳優陣の演技物足りない??

序盤のラリったマカヴォイさんがマジで鬼畜だし、
中盤の少年に気をつけろと諭すシーンの迫真感が完全に精神異常者だったので、
マカヴォイさんが怖い。
マカヴォイさんのキワモノ形演技やば。
逆にジェシカ・チャスティンのパワーのなさ。
期待外れ。
ビル・ヘイダーは役所が難し過ぎて、いまいち個性が発揮されていなかった。
汚らしい感じの役今までやってたっけ?

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ペニーワイズの正体もしんどい

いっそ秘密のままでよかったよペニーワイズ。
まさかの宇宙人という設定。
もはやスティーブン・キングの映画はだいたい宇宙人が原因じゃないの?と思ってしまったわけ。
思えばミストとかも別次元からやってきた怪物だったし、
そういう地球外生命体みたいなのをこよなく恐怖のモチーフとして使うのが好きな人なのかもな。

総評

すっごくしんどい映画だった。

ゲイ要素がもとからあったと思えないが、
作り手の意向が強く反映し過ぎている作品になってしまい、
肝心の面白い映画という側面が抜け落ちて、

主張のサンプリングがソフトで、スリラー映画はハードになってしまった映画としての本質を狂わせた作品に思えた。

やりたいことをやり切ってるが、押し付けられた感が強かった。
楽しみにしていたのでショックでした。
あとわりと怖かったのはよかった。

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hisSCORE

・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 6.4/10
・映像のアプローチ 8/10
・映画の美術面 8/10
・キャラクターの魅力 8/10
・音楽 8/10
・上映時間と個人的趣味 5/10

68点

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