★この記事をまとめるとこんな感じ★
製作
2018年イギリスアメリカ映画
出演
ラミ・マレック
・MR. ROBOT/ミスター・ロボット
・ザ・マスター
・ショート・ターム
ルーシー・ボイントン
・シング・ストリート 未来へのうた
・オリエント急行殺人事件
・ミス・ポター
ジョゼフ・マゼロ
・ジュラシック・パーク
・ソーシャル・ネットワーク
マイク・マイヤーズ
・オースティン・パワーズ
・ウェインズ・ワールド
・愛の伝道師 ラブ・グル
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あらすじ
1985年イギリス。
ファルーク・バルサラことフレディ・マーキュリー(ラミ・マレック)はこの日のライブに全身全霊を掛ける意気込みがあった。
1985年7月13日。この日、イギリスとアメリカでは、アフリカ難民の救済のためのチャリティーライヴイベントのライヴエイドが開催されている。前例の無い大型イベント。
フレディにとってこの日は、バンドの岐路であり、自身の再起をかけた特別な日になることを彼自身も理解していた。
1970年インド系イギリス人のファルークはデザイン専攻の大学生だ。
ちょっと女性らしさのあるファルークは同世代のスマイルというバンドが大好きで頻繁にギグに訪れていた。
ある日、スマイルのベース兼ボーカルが脱退。困り果てるギターのブライアン・メイとドラムのロジャー・テイラー。
そこにファルークはやってきて、自分の書いた詩を手渡すが、実情を聞き、ファルーク自身がボーカルをすることを提案し、承諾。
次のギグでボーカルになったファルーク、そして新ベースのジョン・ディーコン(ジョゼフ・マゼロ)は、ファルークの女性っぽい振る舞いとパワフルな歌声で観客を魅了する。
その中には、ファルークの意中の人のメアリー(ルーシー・ボイントン)もいた。
バンド活動は大成功し、ツアーも行なうようになり、ファルークはメアリーとも恋仲になり、相思相愛の関係になる。
新しい音を求めた彼らはデビューアルバムを実費で作成、それをたまたま聞いたEMIは彼らをメジャーデビューさせることにする。
バンドは自身を女王様のクイーンと名付け、ファルークも芸名としてインド系出身であることが全くわからないフレディ・マーキュリーという芸名を名乗るようになり、家族と疎遠になっていく。
そしてクイーンにはポールという世話係が配属されるが、彼はフレディの中性な部分に深く惹かれていく。
そしてメアリーとも結婚したフレディだったが、ツアー先で男色に目覚め始めてしまい、ポールともまた深い関係になってしまう。
しかしクイーンはどんどん成功し、記録的な成功を手にしていくのだった。
2018年11月9日IMAX鑑賞 2018年114本目
2019年3月31日UHD自宅鑑賞 2019年33本目
物真似の向こう側がこの映画にはあった
1970年代から1990年代に大成功を収めたバンドのクイーン。
その最大の成功の1つであった前例の無い大規模チャリティーイベントの『ライヴエイド』でのライブシーンを最大のハイライトにした本作。
映画の冒頭はその当日の朝から始まり、フラッシュバックされここまでの軌跡が描かれ、
最後の20分はそのライブがほぼ一部始終が再現されるという凄まじい映画。
そこまでで、空中分解しそうだったバンドが、再起をかけて、そしてボロボロに果てたフレディが奇跡的に最高潮になるという、
過剰とも言える演出を通して、最大のカタルシスを観客に与えてくれて、最高のエンタメショウが繰り広げられる。
それがいわゆるフレディが目指した「生きてる限りエンターテイナーでいたい」やエンディングがショウ・マスト・ゴー・オンにへと昇華されておりものすごい。
伝記映画とは言えない、洗練されすぎた感動的な作品に仕上げられている。
特に凄かったのが、普通だったら物真似ショーになってもおかしくなかったライヴエイドの再現が、凄まじくパワフル。
そもそも他のメンバーがロジャー・テイラー以外クリソツというすごい完成度。
フレディは似てないものの、俳優としてのラミ・マレックの造形が見事。
この最終盤のライヴエイドが、鑑賞後にYouTubeでも確認してみたけど、舞台装置の作りから、一風変わったカメラワークから、何から何まで、
当時の状況を再現しようとしており、ラミ・マレックもフレディの動きを細部まで表現しようとしており、もはや物真似を超えて、名人芸。
その技術力の高さに物真似の向こう側がこの映画にはある。
まさしく稀なことがこの映画では起きていたように思える。
勿論、単純に音楽も当時の音源をリマスタリングしたりで映画専用にアップデートされ
自分が鑑賞したIMAXというパワフルなスピーカーの影響下だからか
極上の音質でライブ体験を与えてくれて、本当に最高。
楽曲群も申し分もなく、また歌詞一つ一つにもフレディの独自性とフレディのキャラクターとしての内面さえも描かれており、
非常にシンプルに洗練された最高のショウが目の前で繰り広げられて本当に最高!!
クイーンのことあまり知らなかったが見終わって事実と本作の内容が違うことを知り後味が悪くなってくる。
本作を見て、クイーンのことあまり知らないなって思って、事実確認をウィキペディアとかで見ていくと、
映画本編とは違うことがちらほら出てきている。
むしろ鑑賞直後は、フレディの人間性について本当にこんなだったのか?破滅的な孤独な天才で、気が狂うのが怖くて、乱交やドラッグに手を染めてしまった悲しい人間なのか?かなり情緒がやばい人の描かれ方をしており、フレディに持っていたイメージがことごとく壊れてしまったし、
メンバーが全員いいやつすぎるとこもあったが、それが本当なのか?ドキュメンタリー映画みたいと思ったけど、あまり流通してないようで、
プライビデオやNetflixにあれば是非チェックしたい。
エイズ発症の告白もライヴエイドから2年後だったりや、世話係のポールの暴露本の話題やそもそもポールとの関係などかなりディープな内容だが、
そのあたりが全く知らないし、あまり情報も無いようで、本作の話がかなり美化されているできの悪い映画であることは確かだと思う。
ブライアン・シンガーがまたX-MENと同じことして失敗した印象
ブライアン・シンガー自身がゲイで、周りから特異な存在としての違和感の経験をうまく反映させたのが『X-MEN2』だったと思うが、
本作はそれをフレディというバイセクシャルを通して、露骨にやってしまった印象。
中盤の秘め事や、特にアナザーバイツァダストでの発展場やSMクラブなど男色の快楽を追求して闇落ちしていくフレディの描写は強烈で、
そして典型的。
また記者会見での記者団のセリフの悪意の数々は、ブライアン・シンガー自身のマイノリティをこじらせたように不愉快で長ったらしく、
もっとどうにかできなかったのかなとも思う。結果監督降板などもあったりとブライアン・シンガーは最後のシーンを監督したのか?ちょっと気になる。
セクシャルな部分と音楽やバンドとしてのチーム感などのバランスが非常に悪い映画だった。
最後のカタルシスに対して、避けて通れないフレディのセクシャルな部分と破滅的な部分。
それに対してのメンバーの閉口感など、真実味のない感じが、全然感情を揺さぶられない。
フレディのセクシャルの追求よりもメンバー視点での成功と破滅を追求したロック映画が見たかったなというのはある。
それでもボヘミアン・ラプソディの制作秘話やウィー・ウィル・ロック・ユーなどの制作秘話、アナザー・バイツァ・ダスト・ワンの秘話など
少しクイーンやジョジョの奇妙な冒険をかじっているとめっちゃワクワクするシーンがある。
でもバランスが悪い。フレディと元嫁で親友との関係がいまいち信用できない。リオでのライブでそんなに人いたのかよ。
あれをテレビで見てるのは本当のエピソードなのか。しかしあそこまで人の心が読めずに奔放すぎるフレディがまた信憑性がないんだよな。
むしろ美化させているのが現存のメンバーな気がしてしょうがない。フレディ死後も違う人をボーカルとして招いてライブ活動するぐらいだからな。
ブライアン・メイとロジャー・テイラーは恐ろしい。
映画マニア向けのネタもある
『ウェインズ・ワールド』の一コマ。
ここでボヘミアン・ラプソディを聞いて、大いに盛り上がる彼ら。
それを演じるマイク・マイヤーズが本作でプロデューサーを演じるが、
彼が『ボヘミアン・ラプソディ』じゃ首が触れないじゃないか!みたいなこと言ってシングルカット化を反対するという、
本末転倒なギャグ。このプロデューサーがそもそもマイク・マイヤーズだって超わかりづらいが、なかなかマニアックなネタ。
勧善懲悪なポールの存在
初めから悪役としか思えない、フレディをどん底に導く悪魔として登場。
彼もまた生粋のゲイとして差別されていて、フレディの才能に出会ったことで自己肯定が強くなったようだが、
最終的には自己欲求を満たすためにフレディを利用していた最低の奴として退場。
いやまぁそういうね、勧善懲悪な人はまぁいらないと思いました。
もっとどうにかできなかったのかな?と思いました。実話だったらだったで、本当にどうにかメンバーが出来なかったのか。。
日本人ってクイーン好きなんだね。
一番ロックが元気だった頃の著名バンドなのかもと思えるクイーン。現代だったらこんなに多くの人が見てないかもしれない。
ポップスターとしてもフレディは活躍できたかな。
もっと最初期から同性愛であることを明かして、エポックメイキングできてれば、もっと世界を変える存在になれたかもしれないが、
時代的にそれが追いついてなかったんだよな。
現代でも生きてたらどんなヒット曲を生み出していたのか?そもそもレディー・ガガが存在しない世界になったかもとか?苦笑
日本では特に人気があって、日本限定のベスト盤が出たりと、すごい。
日本で大ヒット間違いなしの映画だよね。
応援上映で歌って、足を踏みならして、手拍子してとか流行りそう。
自分も今までろくに聞いたことなかったけど、この度自分のプレイリストにいれて、ヘビーローテション。
ドンストッピミーナウが好き。
UHDスチールブックをアメリカから輸入
アメリカのウォールマート限定のUHDスチールブックに日本語字幕が入っているのと、
UHD版の特典映像でライヴエイドの完全版のが収録!
劇中ではカットされた楽曲の再現映像がある。
それが見たかったし本作の人気も考慮してこの度、DVD Fantasiumで購入。
20分程度が限界だった物真似ショー
早速見てみた完全版。
うん。これは20分間に編集した製作陣英断。
だんだんしょぼさを感じてしまうし、だんだん下手な物真似を見させられていることを感じるし、
俳優陣の演奏の素人感も滲み出してしまうし、
ふりふりしているラミ・マレックのくねくね物真似もしつこく感じ始めてしまう。
もしかしたら特典映像なので編集やCGの補正が足りていないのかもしれないが、
これは見ない方が良かったのかもなぁと。
おいおい。金ピカのスチールブックも微妙だったのに。これはなんだよ。
UHDを流し見で再鑑賞
ブログを書くのにBGMとして利用。
これはなかなかの良作業BGM。
吹き替え版で鑑賞。案外あっという間に終わる。
しかしUHDとしての解像度やHDRの効果はあまり感じられず。
それでも本作は2019年のアカデミー賞の主演男優賞などを獲得した映画なわけ。
合宿でのボヘミアン・ラプソディを作曲すフレディの歌声とかついつい聞き惚れてしまう。
まぁ多分そっくりさんの声だと思うが。
またBGMとして利用したいかな。
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hisSCORE
・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 6/10
・映像のアプローチ 7.5/10
・映画の美術面 7/10
・キャラクターの魅力 7/10
・音楽 9.5/10
・上映時間と個人的趣味 7/10
69点
IMAX版は特殊バージョンだったと思ったけど、そうではなかったようです。
批評家評価が49点観客評価が8.4点という観客評価の驚異的な高評価の映画です。
去年の『グレイテスト・ショウマン』に似てるかも。
いいとこもあるけどわるいとこもある。
クイーン好きだったりライブが好きな人は見たら楽しめるのかなって思う。ちょっとセクシャルが露骨でイケてないと思った。
この映画見るまでフレディがインド系の移民(難民)だったの知らなかったし、出っ歯だったのも知らなかった。むしろ出っ歯要素うざめだった。
あとタイトルがこれなのがマジで謎。
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