すごく面白い原作を、映画としてちゃんと面白く見せたSF映画
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』をIMAX GT版で鑑賞しました。
原作小説は先に読破済みです。結論から言うと、映画としてかなり満足度は高かったです。
ただし、個人的には「原作を読んでから観た方が、この映画の良さも物足りなさも分かりやすい」と感じました。
原作の持つ、推論・実験・科学的な試行錯誤の面白さはかなり整理されています。
その代わり、映画版はライアン・ゴズリングの魅力、ロッキーとの交流、宇宙船やタウメーバ周辺の映像的な気持ちよさで勝負していました。
原作の重さを期待すると少し軽く感じる部分もありますが、映画化としてはかなり良い出来だったと思います。
★この記事をまとめるとこんな感じ★
製作
2026年アメリカ映画
でもね。原作読んでから鑑賞して欲しい映画
監督
フィル・ロード&クリス・ミラー
・くもりときどきミートボール
・LEGO ムービー
・21ジャンプストリート
キャスト
2026年3月21日IMAXGT版鑑賞
2026年8本目
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概要:ニューヨーク・タイムズベストセラーのSF小説の映画化
2000年から活動しているアメリカのSF小説家のアンディ・ウィアー。彼の4作目、と言っても1作目は同人作品(自身のHPで公開)なので、出版作品としては3作目。
2作目の『火星の人』は2015年にリドリー・スコットにより監督され実写化。北米の映像作品データベースサイトIMDbでは100万人が鑑賞し平均点10点中8点という高評価を取得している。もちろん私も映画も見たし、小説も読んだが、どっちもすっごく面白かったし、映画の方はその年のベスト映画にしました。北米版ではエクステンデッド版もあるのですが、日本語字幕はなく歯痒さを感じています。
そんな映画制作者も映画ファンも小説ファンも待望の最新作であった『プロジェクト・ヘイル・メアリー』がいよいよ2026年に映画化。
どうやら2020年という出版前の状態で映画化権をアンディは販売。パンフレットにはアンディ自身がライアン・ゴズリングに主演キャストになって欲しいというか、本作をあてがきしたとラブコールを送り、プロデューサーと主演俳優として契約を結んだという逸話の記載があり驚き。
私も映画化に先駆けて小説読みました。主人公のディティールは映画化同様にライアン・ゴズリングで『フォールガイ』を演じた時のユーモアがあるけどちょっとダサい感じに当てはめて読みましたが、オールタイム・ベスト級に面白かったし。そんなわけで原作読破済みにて、ラージフォーマット版のIMAXGT版にて劇場鑑賞しました。
感想:原作の知的興奮を、映像の楽しさに置き換えた映画化
『LEGO ムービー』の監督フィル・ロード&クリストファー・ミラーが今作を監督。監督よりも製作のイメージが強くなった2人。いやいや監督作もどれも良作だったわけで、そこからの製作としての成功という映画制作者として確実な成功を収めた2人が、イケメン俳優のライアン・ゴズリングのタッグ、ならまだしも原作が最強のSF映画というすごい組み合わせ。
原作既読勢もびっくりな冒頭のバッサリカットや原作での推論と実験と考察の繰り返しで人類存続の道を手繰り寄せていく冴えない教師だった男の1人での宇宙活動という小説の面白さよりも9回裏の逆転満塁ホームランを期待する人類代表が冴えない教師だった系のSF映画として、チャーミングなライアン・ゴズリングの一人芝居と宇宙活動という手堅さで攻めていくわけ。

片道チケットしかない長距離宇宙活動の悲しさやそこにたどり着く物語、小説でも最大の盛り上がりの一つである、異星人との遭遇も宇宙船のアメイジングな煌びやかな独特な船体描写と笑わせる映像、原作再現でもあるが、そこからの未知との遭遇。
原作にて岩の形状をした蜘蛛と称されたエリディアンのロッキー。今作では愛される存在にうまくデザインされ素早く動ける愛嬌のあるキャラクターとなっておりました。
原作での交流シーンはもちろんしっかりあるものの、そこからの展開もかなり早く、グレースの船内を改造するパートをなくし、専用の球体をロッキーが生み出して、次の展開へ。2人が別宇宙同士の住民ということで環境への適応の結果、必要な大気などの違いを科学の力で超えていく面白さはさすがに描かれず、人類救済のための活動を中心に進んでいく。
とりわけ映画として優れているなぁと思ったのは人類を救う可能性のあるタウメーバを回収するシーン、映画的なファンタスティックな映像が繰り出されて感動しました。
原作の良さはほどほどとして、あくまでも映画としてこの素晴らしい原作をどうするかというプレゼンテーションとして大満足な映像の数々。原作では皿型のロッキーの宇宙船が光り輝く人類が作れないような物体でできてる点などめちゃめちゃ素敵。異形の蜘蛛型宇宙人のロッキーと交流する楽しさなどとても良かったです。
原作を読んでから観た方がいいと思った理由
映画としてすごく優れてたと思うのですが、やっぱり原作読んでから今作見ると、原作読んでから見た方がいいなぁと思いました。原作での深刻さがテンポよくなってしまった感じもあったし、記憶喪失と思い出す物語の展開が、しっかり組み込まれたものだったと原作では終盤に判明し、そしてあれだけ優秀なパイロットたちがいながら何故教師のグレースが選ばれたのか、その真相の悲しさとそれでもその選択の正しかったストラウトの判断と悲しさを超えて、グレースがヒーローになり、親友を救うために覚悟を決めていく件が小説の方が重かったので良かった。
ここからネタバレあり:原作との違い
最後の大量のエリディアンも最高ですが、グレースのクローンを生成して肉を摂取しているという重たい展開もなくあくまでも爽やかに終わらすのもいいんだけど、やっぱり原作の方が良かったなぁって思いました。
ただ原作も終盤の容器漏れ展開がくどくは思うんですよ。
映画もそこはもちろんあったけどテンポめっちゃ早かったですね。
原作は原作で生物の進化という空想の生物でも抗体を得るようにし進化して適応していくという生物学的なニュアンスの面白さが素晴らしいわけですが。
そういえば原作でのエネルギーを増やすためにメガソーラーをアフリカ全土に作ったり、核爆弾を南極で爆発させて、氷に封じ込められたメタンを放出させて太陽のエネルギーが減った地球を強制的に地球温暖化を加速させる展開など、もともと南極の氷床下には、太古の微生物が生成した大量のメタンが閉じ込められており、温暖化による氷の融解に伴い、この強力な温室効果ガスが大気中へ放出されるリスクが指摘されていて、だから2025年の酷暑は生まれてるし、太陽光も強く感じてやばいし、というそういう現実的な危機も実感してやばかったす。
ストラウトについては個人的にはジェシカ・チャステインでした。
IMAX GT 1.43:1で観て感じた、画角の悩ましさ
今作はIMAXGTの1.43:1のアスペクト比で鑑賞しました。これ調べると実は、サイドが少しカットされているわけ。
逆に通常のIMAXだと上下がカットされているという悩ましい仕様。また今作地球のシーンでは2.39:1のレターボックスサイズで流れる。
IMAXGTだとその差が激しくやや違和感があるわけですが、通常のIMAXであれば縦の部分は見れないものの横の部分はしっかり見れて、レターボックスの違和感をそこまで感じないという悩ましさ。今後もIMAXGTが一番優れた上映か?という部分で悩ましい作品も増えるのではないかと思うのでした。
横に広い映画を好むか縦に長い映画を見るか。。。でもトリミングされてないのが一番いいよねぇ。。。
今後も数多くの映画が1.43というIMAXGT対応サイズが増えるようで本当に悩ましい。
hisSCORE
・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 8.6/10
・映像のアプローチ 9/10
・映画の美術面 9/10
・キャラクターの魅力 9/10
・音楽 7/10
・上映時間と個人的趣味 9/10
88点
音楽はハンスジマーを感じる映画の展開のエモーショナル部分を先行する楽曲群が多かったですが個人的には解釈違いでした。
映画は映画でとても良かったなぁと思いました。映画オリジナル展開で、老体化したストラウトが今でも指揮官として振る舞い、低温化してしまった地球でグレースが送ったビートルを回収する展開があったの良かったですね。
とりあえず今年ベスト級の映画です。
ネタバレ あらすじ途中まで
最後に:ご訪問ありがとうございます
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