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◎【81点】関心領域【解説 考察:虐殺の隣で豊かな日常系映画】◎

職業は虐殺の管理者

はじめに

“まえがき”
閲覧いただきありがとうございます。
本ブログは筆者の鑑賞記録保管を
目的としたブログです。
副収入目的で色々SEO対策をして
おります。
閲覧いただきありがとうございます。

本ブログ記事を読むことで
私が味わった娯楽作品の
カタルシスを追体験できるかも
しれません。

ですがこの記事を読むことで
追体験するのではなく
映画を鑑賞して
自分自身でカタルシスを味わって
ください。
私以上の発見と出会うことが
できるのではないかと思います。
本日はご訪問いただき
ありがとうございます。

製作

2023年イギリス・ポーランド・アメリカ映画

戦争は今日も人を狂わす

監督

ジョナサン・グレイザー
・セクシー・ビースト
・記憶の棘
・アンダー・ザ・スキン 種の捕食

キャスト

キャスト一覧
ザンドラ・ヒュラー
・ありがとう、トニ・エルドマン
・レクイエム〜ミカエラの肖像
落下の解剖学

映画『関心領域 The Zone of Interest』はどんなストーリーなの?

最後までネタバレ あらすじ

ネタバレあらすじ
1943年第二次世界大戦末期。
ドイツの占領下のポーランドの南部にある
ドイツ軍のアウシュヴィッツ強制収容所。
この地にはドイツに住むユダヤ人が
ドイツ首相ヒトラーの思想により
絶滅されるべく収容され働かせ
虐殺されている。

この地の管理指導者のルドルフ・ヘスは
収容所のすぐ隣に家を建てて
プール付きの大きな庭を所持し
妻と息子3人と娘2人と乳母と
一緒に住み
ユダヤ人の家政婦が2人出入りしている。

妻のヘートヴィヒ
(ザンドラ・ヒュラー)はこの地の
生活をとても気に入り
ユダヤ人から強奪した高級な衣服や
小物類をとても気に入り
庭には多数の植物を植えて楽しんでいた。
ルドルフは職務としてヒトラーに
認められるように
強制収容所の運営を頑張っていた。
子供達はすくすく育つが
夜には殺されたユダヤ人の死体が
焼かれる煙とその灯りと匂いが
夜風に舞う不気味な場所だった。

ルドルフの功績は認められ
中枢に移動になったが
妻はこの生活を手放したくなく
ルドルフ単身で行くことと
この家に住まわせることを強要する。

ルドルフはさらに仕事を頑張るが
知らず知らずに
体はストレスで蝕まれ始めていた。

だがヒトラーの絶対
ユダヤ人を絶滅させるべく
アウシュビッツにはさらに多くの人を
収容させ殺害する必要がある。
ルドルフは再び収容所の管理者として
超効率的にユダヤ人を殺す
作戦の指揮をすることになる為
家族のもとに帰る。

彼がガス室の設営を進める未来が
見えたかに見えた。

終わり。

2024年3月10日先行上映劇場鑑賞
2024年15本目

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鑑賞経緯;アカデミー賞授賞式前夜に鑑賞

日本では2024年5月24日公開予定の
作品である本作ですが
2024年3月11日に
行われるアカデミー賞前日に
複数の劇場で先行有料上映の
イベント上映に参加。

同日の同時に
『パスト ライブス 再会』の
上映もあったが
そちらは2024年4月5日公開
だった為、
今回はより遠い
『関心領域』を先行鑑賞しました。

本作は
2023年5月にカンヌ国際映画祭にて
内容を伏せた状態で公開。
2023年12月にアメリカにて本公開。
2024年2月にイギリスにて公開と
全体的な鑑賞者数が少ないながらも
カンヌ国際映画祭にて
パルムドールに次ぐ
グランプリを受賞したこともあり
アカデミー賞の
外国語映画部門や
音響賞にノミネート。

第二次世界大戦中の
ポーランドのアウシュビッツ収容所の
所長の日常を描いた作品だ。

感想:戦争に負けたから

とカンヌ国際映画祭では
内容もわからないまま
映画を見進めることで
この映画が描いているものが
明瞭になっていったと思われ
それは衝撃的だったと思う。

第二次世界大戦中
多くのユダヤ人を正当な理由がなく
殺害していた
いわゆる虐殺の現場のすぐ隣に
贅沢に暮らすアウシュビッツの所長の
日常が描かれる。

しかし『シンドラーのリスト』に
登場する所長のように
自宅からライフルを取り出して
面白半分で収容中のユダヤ人を
殺害するような人ではなく
職務として自分の国の首相の指示
を真っ当すべく
ユダヤ人を収容し
そしてそのルールに漏れた人を
殺害しまた首相の指示で
大量虐殺を行なっている

真面目な男なのだ。

むしろその妻は
彼が出世しようやく
自分の願いが叶えられ
豊かな生活を送れる日常を
非常に満足し
子供5人と家政婦と一緒に
豊かに暮らしていることに
非常に満足しているのだ。

映画として直接的な
虐殺などは全く描かず
豊かな日常の中に
銃殺される音や
悲鳴が聞こえてくる。

あたかも自分たちは正しいことをしているかのように生きてる

彼らは多くの人々の死体の上に
豪邸を拵えている。

だがもしこの戦争で
ドイツと日本が勝利したら
この映画の持つテーマは
全く違うものだったのではないか?

もちろんドイツと日本は敗北し
この収容所の所長は
大量虐殺の実行犯として
指名手配されて
のちに捕まり処刑される。

しかしもし彼らが勝利していれば
彼らの行なった虐殺は
歴史に埋もれていたかもしれないし
歴史的なとても価値のあることと
なっていたかもしれない。

ディストピア映画である本作は
絶妙なドラマ映画として
極悪人たちの悲鳴に耐えながらも
強く豊かに生きた
同じ人間を殺さざる終えなかった
大義と職務を全うした偉大な
人物であったと思うのかもしれない。

それぐらい絶妙な距離感で映画は描いてた。

映画は彼の行いを
否定せずに淡々と描かれる。

彼が家族をより豊かに暮らせるように
首相の命令を実行すべく
ユダヤ人をより大量に
殺害できるように
ガス室のアイデアを思いつく。

それが歴史に刻まれる
大虐殺の方法であるかもしれないと。

そこにあったのは
彼の善意だったかもしれないが
彼の体は確かにストレスで
蝕まれている。

主観のない物語が描かれ
見る側に多くの意味をもたらせる。
凄まじい映画だった。

ここが凄い:ザンドラ・ヒュラーの化け物っぷり

パルムドールに輝いた
『落下の解剖学』にも
殺人の疑いを掛けられた妻として
主演。
グランプリに輝いた今作にも
アウシュビッツ収容所の所長の妻
として助演している。

どっちも畜生でやばい

『落下の解剖学』では
旦那を精神的に
じわじわと追い詰めて
生きる気力を失わせる
というナチュラルネグレクト
おばさんという側面が
裁判で暴かれ
実の子供さえも
母の正体を知り恐怖さえ
覚えるという
まぁ人間ってそういう一面ありますよ
ねぇという一言では済ませられない
恐ろしさ。

今作でも別の恐ろしい存在を
演じていた。

今作では所長の妻として
夫婦で夢見た豊かな生活を
手にした人物として
このユダヤ人虐殺の
隣り合わせで
ユダヤ人から略奪した
高級品を愛し
そして豊かな土地で
好き勝手に庭園を作り
その生活を謳歌する。

無関心の代表

焼却された死体の匂いにも
微動だにせず
自身の幸福のためなら
旦那に手を汚してもらうことも
厭わない地に落ちたど畜生。

かなりヒトラーの思想に
傾倒しているという
無情さも兼ね揃え
八つ当たりで家政婦に
お前も旦那に
銃殺して焼いてもらうぞ
という地獄の発言を劇中で披露し

『落下の解剖学』と立て続けに
鑑賞した自分としては
ザンドラ・ヒュラーさんの
怪演の連続に凄まじく
衝撃を得ました。

この人がカンヌでも無冠で
アカデミー賞でも
無冠なのはとても悲しい。
是非とも数年以内に
著名な賞を受賞して
報われてほしいと思いました。

his
フランス語も英語もドイツ語も話せる凄まじい技術力。

しかし絶妙な顔つきでやばい。

しっかり旦那に浮気されてるし
そういう肉体関係も
全然対応しない
甲斐性なしな感じも凄まじく
本当に本当に今作でも
素晴らしいキャラクターを演じている。

庭での工事作業員との
あの間の感じは
浮気したんですかね?
絶妙な間です。

ここが凄い:長回しがたっぷりで体感時間1時間程度

映画として
カット割が少なく
長回しが全体的に多く
シーン数も少なく感じた。

もともと本編は
1時間45分と
冒頭の間奏と
エンドロールを鑑みると
正味1時間20分程度だが
それでも体感時間が短く
あっという間であった。

映画内で描かれている
期間も半年程度で
地獄のような
ガス室の展開などはなく
その直前で終わり
謎の原始映像で
実際のガス室が
博物館している光景が
描かれるわけで
それはそれで謎めいていたが

この映画全体の
テンポが最近のカット割
バストショット多すぎ
海外ドラマ風な映画の数々と
比較すると

文芸映画見た感が強くて良い

ここが謎:ラスト付近

映画の舞台は
1943年第二次世界大戦末期
なのだがラストで
何故か2023年の
アウシュビッツ跡の
ガス室やら博物館の映像が
差し込まれて
そこを清掃する清掃員が
登場するわけだが

マジで何見させられているんだろう?

と置いてけぼりにされてしまった。

そこのあたりの
所長の表現などは
あっけらかんとして
それはそれでよかったんだが

それでもあまりにも唐突
過ぎやしないか??

絶妙な息苦しい
博物館に置かれた
虐殺された人の量を
表す靴の数など

こんなこと身近で起きてほしくない

そういう気持ちは確かにあるし
毎日子供の成長を見ているが
彼女がこのような犠牲に
あうことを想像するだけで
死にたくなる。

でも今でも虐殺は起きているんです

感想:アカデミー賞でのスピーチ

と今作は
アカデミー賞にて
外国語映画賞を受賞しました。

監督は受賞のスピーチで監督だけが
現在のイスラエルのガザ地区への
攻撃の恐ろしさと即時終了を
訴えるのでした。

ハリウッドではスピルバーグを筆頭に
ユダヤ系の人が多く
今作でドイツ人に虐殺されたユダヤ人が
今度は現実で罪のない人々を
攻撃し無関係な人々を虐殺している。

確かに国は違えど
それを止めるということを
ハリウッドでは支持もしないという状況。

ここで描いた無関心による
どの超えた虐殺は現実でも
再び起きている。
今度は無関心を決めているのは
悲鳴をあげていた人と同じ人種。

恐ろしい。

ここが難しい:合間合間の少女の活動

映画は収容所の隣に住んでいる
狂った家族だけに
スポットを当てたわけではなく
その中でも収容者に支援する
ポーランド人の実在した少女の
活動にも焦点を当てている。
彼女思想などは描かれず
ただ彼女は虐待されている
人々のために
食料を真夜中の暗闇の中
必死に忍ばせている。

その映像が暗視ゴーグルを
通した不思議た映像で

野暮ったい

his
監督の主張がちょっと度を越してはいるんだよな

まぁ娯楽ホラーではなく
しっかりとした反戦映画という
認識を持てばこれはこれで
必要な展開だなぁと
思うわけではあるのです。

それが複数回あるというところで
また彼女が
何者かのユダヤ人の詩を
見つけて読む展開など

正直野暮ったい

ここが凄い:恐ろしき環境音

と本作は収容所の隣で
豊かに暮らす家族を描いた

日常系映画

ではあったが
環境音として常に銃声や
人々の悲鳴が鳴り響いている

体感要素が見事

その音作りの見事さ。
映像よりも音に
こだわったんじゃないか?
そう思うところもあったりと。

またシンプルで美麗で緑豊かな
映像の合間に
超重低音で劇場を震わし
見ている人に不穏さを与えたりと
面白い。

注意喚起:爆音映画を上映している劇場では見るな

と自分が鑑賞した劇場は
大好きな
グランドシネマサンシャイン池袋
だったわけです。

この劇場は関東唯一
IMAXレーザーGTという施設があり
IMAXサイズのより上位の
70mmIMAXサイズでIMAX映画が
見れるという真のIMAX体験ができる
非常に素晴らしく行く度に
作ってくれてありがとうと
思いながらエスカレーターや
エレベーターを登っているわけです。

そしてこの上映日には
『デューン 砂の惑星 PART2』の
先行上映が行われていて
これがまさにIMAXGTにふさわしい
真のIMAX体験にふさわしい
サイズで映像が作られた作品なのです。

そしてそして『デューン 砂の惑星 PART2』
では超巨大なサンドワームが登場し
劇場を震わせて大移動してくれて
座席も揺らすぐらいの重低音と
轟音が本当に素晴らしく
非常に楽しかった。

そしてそれに対抗するように
ハンスジマー先生も大轟音の
重低音重視の音楽も登場。

劇中ではミサイル攻撃の爆発など
多数あり劇場が揺れる揺れる。

それは下の階の劇場も同様に揺れる揺れる。

そうです。
自分は超先行上映の本作で
デューン 砂の惑星 PART2』の爆音轟音を
比較的静かなこの作品で喰らいました。

音響が凄い映画なのに雑音もすごくて
この重低音が映画から出てるのか?上の階の『デューン 砂の惑星 PART2』』なのか
全くわからなかった

ただ『デューン 砂の惑星 PART2』の
IMAXGT上映がすごくよかったので
あんまり悪く言えないんですよ。

もうちょっと上映スクリーンを
考えて欲しかったよ。

なので見る人は劇場選びを
気をつけてほしいと思う。
轟音系のIMAXやらが
近くにならないようにね。

hisSCORE

・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 7.6/10
・映像のアプローチ 9/10
・映画の美術面 9/10
・キャラクターの魅力 8/10
・音楽 8/10
・上映時間と個人的趣味 7.7/10

81点

SONYのカメラを使っているので
バキバキのバリバリの高解像度
映像がすっごく綺麗。
そして自然光のみで
撮影しているらしいので
映画とは思えない不思議な
映像感がまたとても良いですね。

あと絶妙に主役の所長が
おしゃれなのクソやばです。

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