1970年に寄宿学校で年末ぼっち
★この記事をまとめるとこんな感じ★
はじめに
製作
2023年アメリカ映画
それぞれの孤独
監督
アレクサンダー・ペイン
・サイドウェイ
・ハイスクール白書 優等生ギャルに気をつけろ!
・ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅
・ファミリー・ツリー
キャスト
ネタバレ あらすじ
2024年6月13日試写会試写室鑑賞
2024年30本目
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概要:1970年末に寄宿学校にて
2024年のアカデミー賞にて
助演女優賞を受賞。
作品賞、主演男優賞、脚本賞、編集賞に
ノミネート。
ゴールデングローブ賞では
主演男優賞と助演女優賞を受賞。
北米批評家の点数の平均である
メタスコアは82点と高評価の作品。
監督は
アレクサンダー・ペイン
2005年に『サイドウェイ』
2012年に『ファミリー・ツリー』で
脚本賞を受賞しており
今回は『サイドウェイ』でも
主演だったポール・ジアマッティが
再び主演になり主演男優賞を
ノミネートしておりファンは
嬉しくなるような懐かしさもある。
今回は脚本は別の人が担当。
ハワイ出身のアレクサンダー・ペインが
北東部のボストン周辺の1970年末の
寄宿学校という特異な場所で
奇しくも人生のターニングポイントを
迎えてしまうおっさんと少年、
そして直前で迎えてしまって
精神ボロボロながらも
高校に勤めるという自分の流儀の為に
生徒と心を閉ざした生真面目教師の
3人の2週間が描かれる。
感想:ノスタルジーとアイロニーと
今回は数年ぶりの試写会での鑑賞。
本公開前に感想書きたかったが
相変わらず間に合わず。
見るまで本作の舞台が1970年末という
ことも知らなかったわけで
始まってやや困惑したが
なんとか持ち直した。
1970年ともなると電子機器が
現在のように全然発展しておらず
アナログチックな感じや
ややレトロとも言える空間描写など
どこか懐かしさを感じさせる
絵作りが効いている。
映画音楽も当時の音楽の中でも
カントリー調の音楽を多用し
全く知らないどこかへ
鑑賞者を誘ってくれる映画だった。
北米最果ての地での
寄宿学校というやや異常な状況にて
取り残された接点のなかった3人が
徐々に交流をして心の距離を
詰めていく姿が
年末のクリスマスやら年越しなどに
絡められ
自分自身毎年そこは一年のビッグ
イベントであるわけで
そのあたりを巧みに交えながら
人生のターニングポイントを
迎えることになる彼らの
もがくこともできない
刹那的なやり取りの中に
ユーモアたっぷりの皮肉で
切り返す彼らの力強さが
実に見事だった。
考察:寄宿学校という異常さ
寄宿学校という
親元を離れて
全寮制の学校にいれられるということ。
それは将来の成功のための1歩である
ということもあるだろうが
裕福な親が問題のある子供を
遠ざけたいという不和からもあるの
だろうなぁと思うわけである。
教師として生真面目に子供たちを
導こうとする彼もまた
この学校出身で
もちろん訳ありだったことが
映画が進むごとに解き明かされていく。
どこか人生において
普通じゃない欠けた存在とも言える
彼らが成長するという
映画という2時間の枠組みだからこそ
網羅したドラマ映画としての
一級の舞台ではあるが
やはり根底には悲しさが漂う
その絶妙な塩梅がやはり見事でした。
残念:主演男優賞逃した
お金がなく息子を大学に
行かすことができず
戦争から帰還すれば
その代わりに大学に行けるという
自分の命を担保して
ベトナム戦争に行って帰らぬ人に
なってしまった息子を持つ
学校の給食のおばちゃん。
夫も病弱で早々に亡くし
旦那と子供を失いながらも
強く生きる女性を演じ
アカデミー賞助演女優賞を受賞。
対抗する主演のポール・ジアマッティは
なんと斜視を眼力だけで再現という
わけわからなん演技を試みたのだが
映画の風格として
『オッペンハイマー』にもってかれて
しまったわけでした。
ある種コテコテな作風の
2000年代後半の
懐かしきミニシアター映画の風格が
ちょっと弱かったか?と思うところもある。
hisSCORE
・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 8.3/10
・映像のアプローチ 8/10
・映画の美術面 8/10
・キャラクターの魅力 8/10
・音楽 8/10
・上映時間と個人的趣味 8.5/10
82点
素敵な映画でした。
また今度家で見たいなぁって
思いました。

あと地味にパンフ読みたい映画でした。買わなきゃ
それではみなさん
おやすみなさい。
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