★この記事をまとめるとこんな感じ★
製作
2019年アメリカ映画
アイムアゴリラ
フフ
監督
ジョーダン・ピール
・ゲット・アウト
キャスト
ルピタ・ニョンゴ
・それでも夜は明ける
・ブラックパンサー
ウィンストン・デューク
・ブラックパンサー
あらすじ
1986年アメリカのカリフォルニア州サンタクルーズ。
アデレードは両親と一緒にビーチにある遊園地へでかけるが、
導かれるミラーハウス風のお化け屋敷のビジョン・クエストへ入っていく。
そこでアデレードは自分と瓜二つの姿の人間と出会う。
そのショックがきっかけでしばらく喋ることができなかったアデレードだったが。
大人になったアデレード(ルピタ・ニョンゴ)は結婚し裕福な家庭をゲイブ(ウィストン・デューク)と築いた。
娘のゾーラと息子のジェイソンをもうけた2人は、
例年通り夏休みを満喫すべくアデレードの故郷のサンタクルーズに訪れる。
しかしアデレードは故郷のサンタクルーズで過ごすのが嫌だった。
それは過去のミラーハウスでのトラウマが思い出すからだ。
そして夜、
家の外に突如自分たちに瓜二つの4人が家に仁王立ち。
そして彼はアデレードたちの家に侵入を試みるのだった。
2019年9月7日劇場鑑賞 2019年74本目
THIS IS AMERICA
映画長編監督・脚本デビュー作の『ゲット・アウト』がアカデミー賞脚本賞受賞という快挙を成し遂げたわけ。コメディアン出身でありながら、独特の視点でのアフリカ系アメリカ人への差別と渇望という白人たちのおそろしき視点を描いた恐ろしい映画。
設定こそ笑えるが、中身をしっかり考えればとても怖い。
そんな絶妙な視点で今度はドッペルゲンガーをネタにした『アス』を監督・脚本。
出演にはルピタ・ニョンゴが参戦。
今作は差別的な思想よりももっと重たいアメリカ人の心に潜む資本主義的な欲望にメスを突きつける作品。
本作は日本語では『アス』となり『私たち』としか訳せないが、
現代での『US』は『USA』の略称としての『US』であるダブルミーニング。
ネタバレ:規模の大きい映画でビックリした
てっきりというかドッペルゲンガー家族との死闘が描かれたスリラーかと思いきや、
めちゃめちゃ規模の大きい映画なのにびっくり。
前作までの小さな民家の集合でのおそろしき行動というミニマムなホラーから変わって、
大規模なアメリカ全土を舞台にした壮大な物語にビックリ。
伏線が丁寧過ぎて、先読みが甚だしい
アデレードのトラウマ、
そして冒頭の手を繋いだ描写が露骨過ぎて、
後半の展開がだんだん読めてきて、
ラスト何分かの実は〇〇でしたが、衝撃を感じなかった。
スプラッター描写も良し、独特な世界観での映画表現も良し
前作の人間の欲望に潜む馬鹿らしさをうまくホラーとコメディで調和させ、
それでいてスプラッター描写もうまく混ぜて、キューブリックのような切れ味のある映像や
サイコホラー感がとても絶妙で、鬼才コメディアン感の極致を表現していて、
松本人志が本来たどりつくべきだった映画製作だったのかなと今作を見て思った。
今作のすごいところは、その尖った才能がそのまま映画のスケールを大きくしているところがすごい。
アフリカ系アメリカ人を前作同様主要キャストにして、
彼らの肌の色を味わい深く捉えながらも、
ドッペルゲンガーというクローンものとしてのホラー映画としてうまく昇華させ、
時折間の抜けたギャグを、時折スプラッターを、時折辛辣な社会風刺を、そして時折映画製作者としての野心的な演出を。。。。
そういった鬼才っぷりを今作でも内包し、
そして一見ミニマムなサイコホラーかと思いきや、アメリカ全土を舞台にしたちょっとしたゾンビパニックのようなディストピア映画へと枠を広げている。
しかし最終的な落としどころは主人公がクローンで、本物のアデレードは復讐者として虐げられた者として復讐にくるのだが、結局は持つものと持てなかったもの、資本なのか才能なのか、環境なのか?奪われたものはただ負ける。でも同じ人間で同じアメリカ人なのに。
アメリカという国の救済という行為や、弱いものへの視点というのはとことん辛辣であり、
アメリカの上流社会のための世界というのは、たしかに根強く、そしてトランプ政権になりそれはより確固たる。
弱い人困っている人を見捨て続けるならいつかしっぺ返しあるだろうというのが、ジェレミア11章11節の件。
それがアメリカだけの問題かといえば、今の日本の政治家たちの行いは、確実に1986年のおてて繋ぎ貧困募金キャンペーンが大失敗する持つもののためだけの社会なのだが、
決して日本は持つものと戦えない。
今より悪くなければいいの精神は、確実に歳月と共に老化する体のように、社会を蝕むんだろうな。
クローン戦争の始まりじゃ
見ていてヨーダの声が頭をよぎったわけだが、
それを言ったら大変なネタバレなわけですが、
どうしても言いたい。
指を3本にしてななめ45度の角度で言いたい。
細かいことを考えると穴のある映画
穴のない映画なんてない。
そんなの当然なわけだが。
設定的に考えるとわかりづらい要素がある。
それはアデレードが最初からクローンと入れ替わっていたということ。
アデレードがクローンと入れ替わったから地下のアデレードの復讐のために、
クローン戦争が勃発。
クローンの人は他者を大事にするので、おててつなぎ大成功!
クローン戦争勃発!
なわけですが、そんなアデレードは、地下に行ったら怪しい電波のせいで、野人との強制子作りやらなにやらが色々待ってたと思われますが、
彼女が覚醒したのが、地上でのクローンのダンスの発表会というような描写があったと思うのですが、そこから指導者として覚醒したのなら、そういうクローン家族の要素とかも矛盾なのではないか?と思う。
その他
結構ハラハラしましたが、
ボートの件が後半で夫の武器として大活躍。
ルピタ・ニョンゴが綺麗だったし、登場人物全員の演技良かった。
子供達の演技もうまかった。ジェイソンのクローンとの攻防とか面白かった。
あの火傷はジェイソンの火遊びが電波の関係で火事にあったのかな?
アレクサの使えない感じが、最高。
警察に電話しろが、ファック・ザ・ポリスだとか、
車の運転の件で弾く感じとか良かったが、
そこの先の哀愁なども良かった。
hisSCORE
・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 8/10
・映像のアプローチ 8/10
・映画の美術面 8/10
・キャラクターの魅力 8/10
・音楽 8/10
・上映時間と個人的趣味 9/10
83点
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