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【海外ドラマ】ウォッチメン【感想】

ウォッチメンTV

LOSTのクリエイターが生み出したことは吉か凶か?

クリエイターは『LOST』を生み出した人。

あのフラッシュバックをして
キャラクターを描きつつも、
島?ハッチ?などなど謎すぎるワードを出し、
キャラクターの魅力を毎回描き、
筆者はとてもハマった。

今作もまた『ウォッチメン』が持つ複雑な要素を再分解し、
現代の社会派SF活劇として仕上がっていて、凄まじい。
だが描いているタイムラインが無茶苦茶難解なので、
見終わって調べると、
え?そういうことだったの?と困惑した。

とりあえず映画秘宝はマストバイだと思いましたね。

特に驚きだったのは、
オジマンディアスことベイトさん。

1話ごとにどこかに軟禁されているっぽい
老害ベイトさんが描かれます。
全く気がつかなったけども、
本編とは違う時間軸。
しかも1話1年以上も経過しており、、
無茶苦茶な描き方をしている。

正直全く気がつかなかった。

もっと短期間だと思いきや、
映画秘宝を読んでようやく理解。

回が進むごとに狂気に走りまくる老害ベイトさん。
もはやオジマンディアスという名称は虎の衣か何か。

さらに4話の冒頭の農場お買い上げの件も
時間軸がめちゃくに描かれていて、

むしろ正しい時間軸で本編をもう1度再修正してくれませんか???とも思う。

時間軸の描きがあべこべなのは、
Dr.マンハッタンというキャラクターが
複数の時間に同時に存在するキャラクターなので、
そいうことで時間軸を無茶苦茶にしたのかもしれない。

しかしベイトさんのキチガイっぷりが笑えるわけだが、
あの世界を救うべく自分のしたことが正しかったのか?
と終始悩んでいた彼がこんな成れの果てとは、

コミックが良かったと思う自分としては、
大切にしたものを壊されてしまったような。

本作は正当な続編ではなく、
二次創作であるので、
このような鑑賞者の痛みは
仕方がないとは思うが辛い。

だが今作はそんな問題点以上に
2019年のアメリカの抱える闇に向き合ったドラマとして秀逸だ。

世界は平和か?差別はなくなったか?差別者が権力者だったら?
誰が彼らを止めるのか?

本作では冒頭から有色人種というか黒人を
白人が虐殺する過去から始まる。

それは実際に起きた事件。
そして闇に葬られていた事件。

違った歴史を進む『ウォッチメン』なので、
その後虐殺された黒人の子孫は支援が受けられる。

しかしまたも黒人警官は、
ホワイトトラッシュに殺されてしまう。

その後物語の主人公は黒人女性にシフトし、
彼女は正体を隠した刑事として暴力を用いて悪人を裁く。

そして回を追うことで、
本作の敵がクー・クラックス・クランと
関わりがあることがわかる。

彼らは、亡きロールシャッハに似たマスクを被り、
上層組織である
クー・クラックス・クランの白人至上主義者の犬として、
テロ行為に身を捧げる。

個人的にはロールシャッハの存在が
曲解されてしまった未来というだけで悲しくもある。
ロールシャッハの書記を読んで影響された人々が、
勘違いしてその活動にのめり込んだ潜在的右翼や、
潜在的白人至上主義者でありながら、
中流階級になれない貧困層、
つまりホワイトトラッシュたちなわけ。

現実も彼らはあるリーダーを選んだ

彼らが支持して生まれたのが今のアメリカ。
当時話題になった今のアメリカの大統領である
トランプを支持したのは彼らのような人だった。

そのトランプを支援したのは資金力のある
特権階級のアメリカの白人たち。

今作で彼らは全治全能たる
Dr.マンハッタンの力を手にしようとするのだ。

狂ったホワイトアメリカという2019年の闇、
そしてそれを人種差別の強いアメリカ南部で描く、
そんなアメリカ社会の闇に
『ウォッチメン』元来のウィットを織り交ぜた。。

権力者を止めるのは誰なのか?もはや誰もいない。
偶像の中でしか悪いやつは消すことはできない

だから今もう一度『ウォッチメン』の奇跡が必要なのだ。

ルッキング・グラスという後継者

ロールシャッハの進化版のような
ルッキング・グラスさん。

彼の正体が劇中でも1話使って描かれる。
劇中ではロールシャッハに自身を重ね
テロ活動を行う奴らに対し、
ロールシャッハのことは特に意識してないけど、
ニューヨークイカ事件で精神をやられて、
マスクをつけてないと
本当の自分でいられない。
マスクによって自分を守り、
他者を見抜きながらも正義に熱く、
そして世捨て人っぽいけどどこか
おちゃめな銀色の覆面のルッキング・グラスさん。

完全なロールシャッハさんの後継者です。

覆面つけて豆食ってました。
覆面なきゃ生きてけないんですもの。

冒頭から新しいアプローチの
ロールシャッハテストを披露してくれて、
映像感覚の素晴らしさを体現する。

前半と後半で全く違ったキャラになってしまい、
本シリーズのブレブレを強調しているが、
『ウォッチメン』は
人間臭い人間賛歌だった気もするので
ありなのではないか。

世界を救ったおっさんたちはただの人間だったという

via GIPHY

二次創作であるため、
今作を見て原作の良さは
損なわれてしまったと自分は思う。

オジマンディアスは、
答えのない未来を監視し続け
ボケながらも自身のナルシストっぷりを
拗らせてしまうが、
帰ってきたDr.マンハッタンにウッキウキ。

Dr.マンハッタンは、
人類を見限って自分で命創造するって
どっか行ったのに、
結局飽きちゃって、
帰ってきて、恋をするんだ俺。
って頭お花畑になって、
でも俺死ぬんだって言ってウッキウキ。
全治全能の俺を守ろうとする彼女激マブ。

おいおいお前ら偉人だったじゃねぇかよ。
シルク・スペクターは
Dr.マンハッタンのちんこ寂しがって、
名前も憎んでた人の名字使って、
挙句に「笑えるだろ」ってコメディアンみたいなこと
言って政府に魂を売ってヒーロー狩りしてるし。

いやいや
そもそも『ウォッチメン』って
スーパーヒーローではなかったのか???
特殊な身体能力があったのではないか????
テレビドラマの常人っぷりを見て、
「あ。」あいつら人間だったんだって、
コミックのロマン返してよ。
みんなみんな人間だった。
そこがドラマチックであり、
逆にしょっぼいんだよな。

でもそれこそが『ウォッチメン』という作品だったような気もする。

女性の時代

主人公は黒人女性。
旦那はいるけど現刑事。
子供は養子として白人の子供を3人引き取る。
辛い過去を持ったベトナム出身の彼女が
自分のルーツとして差別との戦いと、
その力の源流を学ぶ。

彼女の愛がDr.マンハッタンをウッキウキにさせ、
次代の『ウォッチメン』へと。
次の時代の神は男じゃない、
ヒーローの物語は男だけじゃない。
女性だ!
そして黒人だ!!
これが2019年のヒーロードラマだ!

ベイトこそサブストーリーの主人公だが、
主は彼女が悪い白人のおっさんたちを
しばくまでのお話かと思いきや、
真のラスボスは、
同様に家族という部分で辛い経験をしながらも
受け継がれるナルシストに溺れてしまった
天才のアジア人女性。

そして中盤まで
アンジェラに立ちはだかる
初代ヒロインことシルクスペクター。

アメリカの今として女性の活躍、
そして各々の人種の選定の妙もすごい。

総評:メタファーを結びつける妄想スキル必須作品

via GIPHY

Amazonを利用して話が気になりすぎて、
1日で感想してしまった。

所感としては『ストレンジャー・シングス』の方が
SFエンタメとして楽しい。

今作は多数のキレッキレの個性的な
点というメタファーが多数出てくるのだが、
それを詳細に結ぶ線が描かれない。

物語として詳細な描写が欠如している。

前述のロールシャッハのマスクを着ける人々が
明確にトランプ信者のホワイトトラッシュだとか、
彼らの上位が大統領を支える白人至上主義者であるとか

ルッキング・グラスがよく考えれば、
ロールシャッハの後継者であるとか、

そんなことは明確に描かれてはいない。

もしかしたら
コミックスの『ウォッチメン』のように
HBOの公式サイトにそういう文章が
あるのかもしれないがそれは描かれない。
ここまでの解説は洞察力と妄想による想像でしかない。

作品はエッジの効いたメタファーや
レジーナ・キングを中心とした高い演技力、
トレント・レズナーの素晴らしく
暗黒なEDMなど部分部分が全体的に高い。

しかしそれをまとめる線が薄く、
それぞれのインパクトばかりが
前面に押し出されてしまっている。

さらには

物語が全然進まない。

過去の回想が多く描かれている。
気になって先を見ても、
1話丸々回想で、要素が増えただけだったり、
物語がなかなか進まない。

さらにフーデッド・ジャスティスの回想後、
そのフラッシュバックが盛り込まれがちになり、
余計に話が進まない。

回想はあってもいいし、キャラクターは描いてもいいが、
だって海外ドラマだから!
でも話が前に全然進まない。
ベイトの物語も楽しいが、
進んでるのかがわからない。

本作が描く期間は
1920年から2019年という1世紀をまたにかける。

そうアメリカの有色人種の差別の物語を描くが、
その開始地点は2019年9月であり、
物語もまた2019年9月で終わる。
リミテッドシリーズものでありながら、
キャラや過去に振りすぎて、
肝心の物語が点で結ばれなくて難解。

そしてあの転移装置ってなんだったんだろ?

あと本作の紹介で日本のメディア関係アンジェラが
新ヒーローって紹介されてるの
全部嘘なのやばくないですか?

そして有色人種もの系の作品だって、
全く知らなかった。
『ビール・ストリートの恋人たち』や
『マッドバウンド 哀しき友情』と同じタイプ。

あと『ジョジョの奇妙な冒険』チックだったなぁ。
オカルトと現実の社会問題を織り交ぜながら、
主人公は魂の冒険を通して、
強大で許すことのできない悪を愛する人たちを
犠牲にしながらも友人たちと協力し勝利を掴む。
すっごい奇妙な作品でした。

でも二次創作なんだよなぁ。。。

こんなすごい大変な思いして作っても報われないだろうクリエイターの人は、
今作で真のオジマンディアスの気持ちを理解できたのだろうなぁ。

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