★この記事をまとめるとこんな感じ★
製作
2006年アメリカ映画
この映画って意外と解説必要だって
思った人のための映画ガイドです。
監督
マーティン・スコセッシ
・沈黙 -サイレンス-
・グッドフェローズ
・タクシードライバー
・ミーン・ストリート
出演
レオナルド・ディカプリオ
・インセプション
・ウルフ・オブ・ウォールストリート
・タイタニック
・レヴェナント: 蘇えりし者
マット・デイモン
・グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち
・リプリー
・オデッセイ
・ジェイソン・ボーン
ジャック・ニコルソン
・チャイナタウン
・カッコーの巣の上で
・恋愛小説家
・バットマン
マーク・ウォールバーグ
・ザ・ファイター
・ブギーナイツ
・テッド
・パパVS新しいパパ2
ヴェラ・ファーミガ
・マイレージ、マイライフ
・エスター
・ゴジラ キング・オブ・モンスターズ
・死霊館
アレック・ボールドウィン
・恋するベーカリー
・摩天楼を夢みて
・ロック・オブ・エイジズ
・ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション
あらすじ
アメリカ北東部のマサチューセッツ州のボストンの隣のサウスボストン。
サリバン少年はある日雑貨店でご飯を食べているとアイルランド系の犯罪組織のボスの
フランク・コステロ(ジャック・ニコルソン)と出会い、
金銭的に豊かで何もかも手に入れられる可能性を感じたサリバンはフランクの犯罪組織に協力する。
彼の支援を受けて豊かな教育を受けたサリバン少年は、警察学校に入校しトップの成績を獲得し、
エリートコースへと進み、フランクの部下としてボストン警察の潜入スパイへとなるのだった。
現代。
サリバン(マット・デイモン)はサウスボストンで1番の犯罪組織のボスであるフランク・コステロを
逮捕するチームに配属される。
そこでサリバンは、コステロに情報を流す。
そして警察側は別のチームがフランクへの潜入捜査官を投入をする。
彼はビリー・コスティガン(レオナルド・ディカプリオ)。
警察学校で最高の成績で卒業したビリーだったが、
母親は余命わずかで、身内もほぼいない。
そして彼の身内の中には多数の犯罪者がおり、
彼が犯罪に手を染めても誰もが自然だと判断できる。
そんな彼の経歴を汚し、フランク・コステロへの潜入捜査官に仕立てる
クイーナン警部とディグナム巡査部長(マーク・ウォールバーグ)。
ビリーはこの任務を受けるのだった。
数ヶ月後、刑務所に入所し出所したビリー。
ビリーはその後ドラッグディーラーとなり、フランク・コステロの部下に注意を受ける。
彼の組織の興味を惹いた彼は、巧みな行動で、
フランクとの面会に成功する。
拷問じみた面会も切り抜けたビリーは、フランクの手下になることに成功。
しかしフランクの行動全てが常軌を逸しており、
ビリーは心を病み始める。
またサリバンは潜入捜査官がいることをフランクに告げる。
そしてフランクのアジトへの捜査がくることをフランクに告げ、
サリバンは警察側にフランクのスパイがいることを知る。
自分の命の危機を察知したビリーはクイーナンとディグナムに、
任務中止を提案するが、彼らはフランク側のスパイを見つけることをビリーに強要。
さらに精神を病むビリーは、精神科医のマドリン(ヴェラ・ファーミガ)と出会う。
マドリンに惹かれていくビリー。
しかしマドリンはサリバンの恋人だった。
だがマドリンはサリバンのフランクの手下という側面に違和感を持ち始めていた。。。
2019年5月31日自宅Netflix鑑賞 2019年50本目
2006年アカデミー賞作品賞受賞作品
いつものIMDbTOP250内での34位という超高評価の映画なのでこの度再鑑賞。
ブログ開設当初に鑑賞しててみたのは10年ぶりか。
DVDも購入していたが、再鑑賞に際してNetflixで配信していたのでDVDを売却して再鑑賞。
本作は2002年の香港映画『インファナル・アフェア』のハリウッドリメイク。
ずっと3部作を1作にまとめた映画だと思ってたけども1作目の設定を変えて1作にまとめたアメリカバージョン。
まぁ『インファナル・アフェア』見たことないんだけどね。
2作目が前日譚でマット・デイモンが演じるサリバンのネタ元ラウの過去などが描かれる。
3作目でレオナルド・ディカプリオ演じるビリーを殺害後のサリバンの物語が描けるわけですが、
本作ではエピローグとして1作であっけなく完結。
『ディパーテッド』というタイトルにふさわしく”死者たち”というタイトルらしく、
1作で皆死ぬ。
しかしこの映画何故アカデミー賞作品賞を受賞したのかよくわからなかったりする。
確かにこの年のアカデミー賞で対抗馬が『バベル』とかなんで、前年で似たような群像劇の『クラッシュ』が受賞したこともあったり、
ずっと頑張っていたマーティン・スコセッシへのアカデミー賞からのご褒美のようなとこもあったかなぁって思うんだけど、
スコセッシの過去作に比べたらそこまで面白い映画だったかなぁと思う。
2019年目線で言えば、豪華すぎる俳優の共演が印象的だなぁと。
わけわかんねぇ映画でもあるような
作品としては、潜入捜査官ものとして、
マフィアと警察それぞれのスパイがスパイを追い詰めるという話。
しかしミニマムに見ていくと色々と複雑な要素がある。
マサチューセッツ州会議事堂
劇中で印象的に出てくる金色の屋根のある建物。
これのこと何も知らなかったし、そこから出てくる人も描かれるわけでもなく、
あれは何の象徴なんだろうとよくわからなかった。
あれは州の議員が働く場所で、コリン・サリバンは幼い頃からずっとそればかり見ていた。
この部分の描写は本来のサリバンの人物設定としてとても重要で、
彼が潜入スパイであることも足がかりでしかなく、
真の成功者として州の議員果ては州知事や政治家になることをずっと夢見ていた。
今は南ボストンの超悪いやつの部下だが、彼の財力を使いなし上がることを考え続けている。
そして大して愛してもいない精神科医という彼女のネームバリューで恋人を作るという、
どこまでも自己中心的で出世欲の塊という、マット・デイモンは『リプリー』のような
いけ好かないやつを再び好演していたということだったのですな。
アイルランド系アメリカ人
アイルランド系アメリカ人のマフィアとしてのコステロ。
彼は凶悪犯罪者としてたくさんの人を殺す極悪人。
しかしアイルランド系としてイタリア系よりも遅い人種としての存在。
二番手である彼が、この立場にまで登ってこれたのは、
裏でFBIと繋がっていたり、潜入捜査官としてのビリーを側近にしたり、
さらには身近にスパイがいることもわかりつつも平然としていたり、
さらには支援をしていたコリンもいつか裏切る可能性も考慮して彼を追い詰める証拠も準備していたりと、
結局のところ自分自身が絶対はないことを確信しており、
彼もまた翻弄されることしかできなかった極悪人。
本作のタイトルを『死者たち』にしたのは、彼自身もいつかそこにたどり着くと知っていた。
そして貧乏な家庭から特別捜査官になったサリバン、
貧乏な家庭ながら努力して捜査官になったが、結局のところの生まれを利用され、
翻弄されることになるビリーもまたアイルランド系の南ボストン育ちのアメリカ人であり、
決してホワイトトラッシュではない彼らだが、
逃れることのできな犯罪地域の運命に翻弄される悲しき人々を描いた作品。
そしてクソ発言だらけのクソ野郎を演じたマーク・ウォールバーグもまた
私怨なのかそれともけじめなのか最後には南ボストンの流儀でサリバンに死の手向けを渡す。
彼もまた警察という職務を捨てたのだが、彼のその後が全くもって謎なので、
彼もまた何かしらの潜入スパイだったのかもね。なんてね。
字幕わかりづらい問題
今作の字幕結構適当。
犯人は戸田奈津子。
以上。
彩すぎて本質がわかりづらかったなぁ
マーティン・スコセッシの犯罪活劇の特徴としての
巧みなロックソングの選定で、ついついめまぐるしい犯罪活劇として堪能してしまうが、
人間としての駆け引きが本作の主題なのかもしれない。
それをジャック・ニコルソンの恐ろしすぎる怪物っぷりで見えなくなったり、
マット・デイモンのナチュラル坊ちゃんぶりや
via GIPHY
ディカプリオのうるうるギリギリっぷりや
via GIPHY
マーク・ウォールバーグの悪態ぶりばかり目がいって本作の本質が見えてこない。
中国へICチップを売るのを止めるという、
今思うと最先端過ぎる犯罪内容。
今ならすっごくそういうのやばいって思うが、
2006年ぐらいだったら、なんで中国なんだろとか思ってたかもしれない。
中国が国際犯罪に絡んでくるという視点が非常に見事。
いやいやそうじゃなくてねずみは誰か?という作風よりも
生きづらさを描いた映画だってこと。
コリンの彼女がビリーと浮気して、子供は誰の子?とかどうなったとか?
むしろそっちの方が本作の主題なのかもしれない。
破滅していくアメリカの南ボストンの男たち。
人を描いた映画だったのかそうじゃなかったのか?
もはやよくわからないです。
ってこの映画リメイクだったはずなのに全く違うカタルシスの映画だったのか?
と記事を書く上で思いましたが、
正直本当によくわからんのです。
モチーフが多すぎてよくわからん。
また本作のジャック・ニコルソンが演じるコステロのモチーフはジェームズ・ジョセフ・バルジャー。
ジョニー・デップが主演を務めた『ブラック・スキャンダル』でも彼を演じてる。
彼の弟が政治家で、そしてその政治家に憧れるコリンという構図。
ふむふむ。
hisSCORE
・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 7.5/10
・映像のアプローチ 8/10
・映画の美術面 8/10
・キャラクターの魅力 8/10
・音楽 8/10
・上映時間と個人的趣味 7/10
76点
いまでは『死霊館』の名物おばさんだったり直近の『ゴジラ』でのマッドサイエンティストでインパクトやばめのヴェラ・ファーミガですが、
今作ですっごい良い尻拝めるので感動しました。
あとこうやって本作のこと色々調べていくと、リメイク映画とは全く言えない、オリジナル作品なんじゃないかなと思えるようになった。
作中で×マークを多用する心意気だったりと、香港映画とはちがうアメリカ人を描いたアメリカ映画だった。
そういうとこ含めてぐちゃぐちゃした映画だったけどスコセッシすごいし、アカデミー賞もそういう面を評価したのかなと思ってしまった。
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