◎【79点】search/サーチ【映像テクと話が良い】◎

製作

2018年アメリカ映画

出演

ジョン・チョー
スター・トレック

あらすじ

現代のアメリカのカリフォルニア州サンノゼ。
ここはアメリカのシリコンバレーで半導体ビジネスの発祥地、ここから新たなデジタルツールが生まれていく。
韓国系アメリカ人のデヴィッド・キム(ジョン・チョー)はこの街で妻のパメラと暮らし、子を産み育んだ。
家族3人でパソコンをマメに使い、ウィンドウズに自身の成長や思い出をパソコンに記録するちょっと特異な家族だ。
だがある日、パメラは癌を患ってしまい、夫のデヴィッドの献身的に頑張ったが長い闘病生活の果てに、パメラは亡くなってしまうのだった。
その時娘のマーゴットは14歳だった。

それから2年後、パソコンはMacに買い替えた。
パメラが亡くなってからデヴィッドはマーゴットとだんだん会話が減り、二人のやりとりはiPhone上での家庭の事務的な話が主流になってしまった。

だがある真夜中、デヴィッドの携帯にマーゴットから着信があるが、デヴィッドは睡眠薬を使っていたので、起きなかった。
翌朝、マーゴットに頼んだゴミ捨てはされておらず、昨日マーゴットは学校の授業の対策で友人の家に泊まると電話があったが、
それから全くメッセージも返さない。
仕事に行っても、全く連絡をよこさないマーゴットに腹をたてるデヴィッド、ピアノ教室にも行っておらず、挙句に半年前にピアノ教室を勝手にやめており、デヴィッドはお金を毎月マーゴットに渡していた。非常に腹を立てたデヴィッド。
マーゴットは学校にも登校しておらず、どうやら幼馴染とキャンプに行っていたようだったのだが、
翌朝その幼馴染に連絡を取ると、マーゴットは現れなかったという。
デヴィッドは自分の娘が行方不明になったことを察知し、急いで警察に通報。
後ほどローズマリー刑事から連絡があり、彼女がこの事件の捜査指揮をとるようだ。
彼女のことをPCで調べ信頼するデヴィッド。
彼女の友人の連絡先を全くしらないデヴィッドはローズマリーから連絡先を提供して欲しいと、言われマーゴットが置いていったPCにログインし、
彼女の個人情報にアクセスし、彼女の友人たちのリストを作る。
そしてそこから知られざる娘の隠された日常を知り、デヴィッドは居ても立っても居られないほど、苦しむのだった。
そして事件は思いも寄らない展開へと発展していく。。。

2018年10月28日劇場鑑賞107本目



感想

趣味ブログ運営の自分からすると全く人の事でない映画

今作はPCやアイフォーン、はたまた監視カメラの映像を繋いだ独特の構成で作られたサスペンス映画。
ITの故郷であるシリコンバレーのサンノゼを舞台にアジア人アメリカ人が、失踪した娘を日常に馴染む深いITツールを駆使し、
事件の真相を独自に追いかけるというなんとも胸熱な映画。

あ。空撮あると思ったらそういう映像も流用するのか!

テレビゲームのギャルゲーやらSFの読みゲーなどにありそうな設定だが、あくまでも映画として物語を一風変わったテクニックで繋いでいる。
iPhoneのフェイスタイムを異常に多用しているし、異常に保留しているのもあれだが、スカイプ風のネット会議や、
ネット配信、はたまたウェブニュース。バストショットしか映像がないわけではなくて、広角の映像も効果的に使っていて、
映画としてのセンスも高い。
誰もが耳にする映像を使ったIT技術は全てぶっこでいくアイデア力が本当にすごくで、
『クワイエット・プレイス』なんて非じゃないアイデア力に唸ります。またすごいのが、15分ごとに二転して行く、事件の展開と映像演出。
映像も見事だが、このどんどん暴かれて行く娘の闇に現代人として共感せざる追えない。

しかもこうやってブログを書いてる30代のおっさんだ。
趣味は映画鑑賞と行っても、仕事でも家でも常にモニターの前に座って、いろんな情報をまとめたり、
自分の考えを記入しまくっている自分としては、とても他人事じゃないし、
圧倒的な違和感のなくスムーズなデイヴィッドのPC操作にはとても感動した。

ロシア映画『ラブレス』へのアメリカからのアンサーに思えた。

今年鑑賞した『ラブレス』もまた少年が失踪してしまい、離婚間際の夫婦が息子を探す物語だった。
しかしこちらではいくら探しても全く息子は見つからない。
失踪する直前に息子は父と母にどちらも引き取りたくないという絶望を知り、家を飛び出してしまう。
ロシア独特の統制されたボランティアたちの活躍や、凍てつくような寒さ、そして独善的な人々。
承認欲求をもとめるようにSNSに依存する妻や、年下愛人に体を求める夫。
子供の足取りを見つけても結局は見つかることができない。

そんな現代ロシアからの時代を反映した傑作ヒューマンサスペンスに対して、本作はアメリカからの愛の物語だと勝手に解釈。

SNSを駆使しまくって娘を探す父、娘の失踪の痕跡を探し求めて行くうちに、
娘が学校でも友人のいないガチボッチだったことを知る。
勉強もまぁまぁ家では楽しそうだったのに、そんな娘の心の闇を垣間見て行くうちに、痛々しいインスタグラムや、
痛々しい生配信など、現代のツールを駆使しまくって孤独を埋めようとするマーゴットに他人事思えない自分がいる。

それでも繋がろうとする父の愛。
使える情報はなんでも使う、ネットニュースはタイムリーで生々しく事件を追いかける。
刑事とはすぐにフェイスタイムで電話会議という現代のITツール全てを駆使し、
はたまた最初期のyoutubeでビデオ日記をするわebayで中古品買うわとまじ最強。
(いやでも真っ先にiPhoneを探す使えばよかったのでは?と思ったのだが。)

via GIPHY

このネットリテラシーの高さが、本当にすごくて、確かにSNSの闇こそあり孤独とか承認欲求で自己肯定のために、自分を偶像のように
コロコロと違う自分を表現する恐ろしさは確かにあるが、
それでも諦めない父の行動や、マーゴットの悩みなどに向き合って行く、ヒューマン的側面も兼ね揃えており、
ロシアが愛なき人類の未来を描くなら、アメリカでは最先端ツールを使って、人と人はもっと分かり合えることができると
非常にアメリカらしい娯楽大作の要素を兼ね揃えたファミリー映画としても一級のものを生み出した。
さすがアメリカ!って思いましたよ。

フィンチャー映画張りのサスペンスミステリー!!

娘のPCから導き出される些細なワードをきっかけに映画では二転三転の展開が起こり、どんどん父は狂って行く。
そして衝撃の真相なども含めて、一休のミステリー映画としても仕上がっているのが本当にすごい。

ただ映画公開前の宣伝文句では、日本映画の『渇き』的な展開かなと思いきや、なかなかのミスリードを誘っていた。
父の圧倒的なサーチ力の前では、為す術もないのだ。

Macユーザーとしては支持せざるおえない。

僕もね。初めてつかったwindowsの文字がすっごくカクカクしているのが許せなくて、
UIが全然好きになれず、まぁクリエイティブ系の職業を志したので、MacBookを専門学校に入学してカードローンで買ったんで、
そっからずっとMac信者なので、映画内で起動音がなるだけで、もう至福。
主人公一家がWindowsからMacに買い換えるのが「わかってんなぁこいつら」って思う。
あと映画での視点誘導がすっごい絶妙で、ストーリーテリングがズームというのがまた妙に暑かった。
劇場でみるよりもテレビやPCで見たらもっと面白い映画なのかもしれない、配信されたら絶対PCでもう一度見るぞ!!
ネットに弱い映画好きの両親とかがそれを見て勘違いしてしまいそうだよね。笑
でも実際に生配信とかやってる人は「あるある」みたいなツボあるんだろうな。
正直そういうのはやばいと思ってるで「あ。あの微妙に反応いい人生配信とかやってるんだろうな。うわー。」ってなってしまった。

アジア人が紡ぐハリウッド映画その2

先日、『クレイジー・リッチ!』を見ましたが、それはアジア系アメリカ人の移民2世の話。
こっちはそういった設定は描かれないが、主役家族は韓国系アメリカ人。
捜査官は女性で美人ながらもたくましく、現代のアメリカ的な配役が十分にされていてすごいです。

多分本作は設定に溺れず、話もそこそこ面白くして、演出構成がとてもいい、そしていい話なので、
こういう映画の金字塔になりエポックメイキングした映画だと思うのです。

余裕があれば見た方がいいのかなと思うが、別に見ないでもいいのかなとも思う。

でも見てて、「これが2018年って時代だよなぁ」ってちょっと思った。
もはや人に会いに行く時代でもなくて、人と繋がるにはモニター越しでも詳細に繋がれる。
電話じゃなくて対面式での打ち合わせで、距離の壁を越えたんだなと。
営業職をやっている自分としては、こういうことが社会の常識になりつつあるのかなと思うが、まぁ人間が生物である限り、
絶対的にメラヴィアンの法則はあてはまるから、それでも営業訪問とかの方が、ネット会議よりも効果的だろうけど、
効率的な働き方や時間の使い方を考えるとこういうのが時代のスタンダードになるのが、実感できる。

hisSCORE

・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 8/10
・映像のアプローチ 8.5/10
・映画の美術面 7/10
・キャラクターの魅力 7/10
・音楽 8/10
・上映時間と個人的趣味 8/10

79点

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