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◎【82点】女王陛下のお気に入り【映画感想:英国大奥で怪演の狂宴に圧倒】

製作

2018年アイルランド・アメリカ・イギリス映画

監督

ヨルゴス・ランティモス
ロブスター
・籠の中の乙女
・聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア

出演

レイチェル・ワイズ
ロブスター
・ハムナプトラ/失われた砂漠の都
・ナイロビの蜂
オズ はじまりの戦い
オリヴィア・コールマン
・思秋期
エマ・ストーン
ラ・ラ・ランド
バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜
小悪魔はなぜモテる?!
アメイジング・スパイダーマン
ニコラス・ホルト
マッドマックス 怒りのデス・ロード
・アバウト・ア・ボーイ
・ウォーム・ボディーズ
X-MEN: フューチャー&パスト
マーク・ゲイティス
SHERLOCK
・リーグ・オブ・ジェントルマン 奇人同盟!

あらすじ

1702年~1710年イギリス。
フランスとの戦争中のイギリス。
国の最高権力を持つアン(オリヴィア・コールマン)はこのイギリスの女王だ。
彼女には幼少期からの幼馴染で貴族のサラ(レイチェル・ワイズ)が側近として、
公私ともにお世話を行なっている。
サラの夫は戦争幇助派のマールバラ公爵(マーク・ゲイティス)で、
サラはアンを唆し、戦争を強行している節があった。
それを野党の戦争反対派のロバート・ハーレー(ニコラス・ホルト)は、
どうにかしたかった。

王宮に没落した貴族のアビゲイル(エマ・ストーン)がやってくる。
彼女は遠い親戚のサラを頼ってこの地に女官として働きにきたのだ。
仕方なくそれを受け入れるサラだったが、
地頭の良いアビゲイルはこのチャンスを活かし、
痛風に苦しむアン女王に近隣の林に生えている薬草を摘み、
彼女に湿布する。
それを知ったサラはアビゲイルを裁こうとするが、
効果を感じたアンはアビゲイルをお気に入りとして、
側近の1人として置くことにする。

それをサラは快くは思わなかった。
またアビゲイルを政治家のロバートは注目し、
彼女をスパイとして利用しようとする。
それをサラに報告したアビゲイルは逆にサラに脅される。

そしてある夜、
アビゲイルはサラとアンが同性愛者であることを知り、
2人の関係が仕事の中に私情を挟んだ特別な関係であることを知る。
一度没落を経験しているアビゲイルはこの状況を維持し、
そしてそれ以上のものを手に入れようと暗躍を始めるのだった。

2019年2月23日劇場鑑賞 2019年18本目



感想

2019年のアカデミー賞主演女優賞受賞作品。
それ以外でも作品賞や脚本賞、美術賞、衣裳賞、助演女優賞、撮影賞、編集賞などなど
2019年の映画の中でも非常に高い評価を得た映画であり、
変態監督と思えるヨルゴス・ランティモスがだいぶ普通の映画に寄せてきた、
監督の中での最高評価の映画。
まぁ元々はカンヌ国際映画祭で才能を見出された監督なので、
アカデミー賞が彼を認めるのは、逆に亜流な気がしてしまうが。。。

合作映画ではあるが、
一応イギリス映画。
イギリス王朝の18世紀初頭。
スコットランド合併前と合併後のグレートブリテン王国の王朝を舞台に、
当時の女王だったアン女王の側近2人との同性愛の三角関係とそれぞれのドロドロとした内情を
ブラックユーモアたっぷりに描いた日本で言うところの大奥映画。

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史実では存命中のアン女王の旦那の国王のジョージ王の存在が抹消。
また1702年から1710年程度の内容のものを劇中では半年~1年程度の期間の映画として描いている印象。

爪をひそめるヨルゴス・ランティモス

流石にアカデミー賞ノミネート作品で、
メタスコア90点という超高評価映画。
得意のメタ的で抽象的な脚本は封印し、
イギリス王朝を皮肉ったような
ドロドロの群像劇を描き、
地獄のような貴族社会の腹たつ日常を描いたわけで。

その視点こそはやっぱりぶれてないというか、
それでも得意の意味不明さは比較的なりを潜めていたな。

それでも謎ダンスは今作でも健在。

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そしてその歪んだような脚本のなりを全てアン女王という
王族として周囲にイエスマンしかいなかったような、
そして鳥かごのような場所での日々、さらには元来の怠けっぷりや不摂生ぶり、
さらには性欲などなどなどなどのブラックユーモアは全部つめこまれており、
その特異な存在を演じきったオリヴィア・コールマンがアカデミー賞受賞は、
結構納得したし、見た直後はこの怪演が凄かったので受賞して欲しかった。

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それにしてもこのアカデミー賞受賞して、
女性社会らしい主導権を握るための悪質とも思える手綱の奪い合いの白熱を
アカデミー賞受賞者が演じたわけで、これはこれで上質だな映画になったなと改めて思いました。

エマ・ストーンの乳首ありがとうございました

今作の見所はレイチェル・ワイズとエマ・ストーンのアン女王のお気に入りの奪い合いなわけですが、
男勝りの将軍風のレイチェル・ワイズもカッコイイのですが、

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貧困を経験したエマ・ストーンの人を蹴落としてもでも生き残るための姿勢も見ごたえあり。
中盤では映画内でついに乳首を披露。
夜のシーンで薄明かりでしか拝めないが、
ちょっと黒めの乳輪ですが、絶妙な大きさで素敵でした。
なかなか経験豊富なのかな?という邪推。

しかし同い年の俳優さんで、
ヒット作からスターダムに登るまではだいたい見ているので、
本気で応援しているし、本気で毎回見るたび、美人だわー素敵だわー1回お願いしたいわー。
むしろアンドリュー・ガーフィールドと復縁して欲しいわぁと、
妙に親近感たっぷりで応援しているので、
本当に本当に乳首ありがとうございましたと言う感じ。

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でも終盤の結局クズだったアビゲイルのなりふりなど、
ヨルゴス・ランティモスだなぁというざらっとした感じでの
ハーレー・クインのようなメイクはなんだかなあと。

魚眼

宮廷内の映像は魚眼レンズをつかった歪みながらも狭い場所ながら広角風な独特な映像が魅力的だったと思うし、
こんなにうまく撮れるんだぁとすごいなぁと思った。
映像的にも色々野心的なものも多くて、
オフビートながらエッジの効いた作品であることは確か。

豪華絢爛な美術と衣裳

正直アカデミー賞受賞するのではないかと思っていた。

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衣裳の独特なドレスはどれも素晴らしかった。
揶揄ったドレスがアカデミー賞でもできてし、
まさか『ブラックパンサー』がどっちも持っていくとは、
イギリスの伝統的な美術や衣裳よりもアフリカ系の多国籍でオリエンタルな方が勝つとは思わなかった。

それでも宮廷内の扉を扉と思わせない作りで全てが美術作品のような美しいセット?撮影場所?の数々は、
とても見応えがあった。
話こそはドロドロしてよくある?とも言える人間ドラマななのだが、
そういう衣裳や美術、そして魚眼レンズなどの撮影方法、

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奥行きがあるショットこそ少ないが、
普段見れない美しい美術の数々を眺めるだけでも見ごたえあり。

また独特な編集で映画をうまくチャプター分けしている。
また終盤では説明要素を排除して、
映画的に観客に意味を考えさせるなどの監督の遊び心もあって、
監督としての才能もビンビン感じるが、
前作の『聖なる鹿殺し』がめっちゃ暗喩のメタファー映画だったので、
カンヌよりの抽象的な映画監督なので、そっちに走ったら見辛い映画になると思うので応援はそんなにしてない。
それでもエマ・ストーンやらレイチェル・ワイズやらをここまで魅力的なキャラにできるんだからすごい。

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まぁ冒頭からオナニーとか泥まみれのエマ・ストーンやら、
この映画の唯一無二の不愉快さあったなと。

hisSCORE

・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 7.5/10
・映像のアプローチ 8.5/10
・映画の美術面 10/10
・キャラクターの魅力 7.8/10
・音楽 7.5/10
・上映時間と個人的趣味 8/10

82点

東京国際映画祭でも先行上映していた本作。
公開当時ツィッターなど見てもそんなに話題になってなかったなぁと思う。
乳首のこととかよく黙っていられるなぁ。
それにしてもやはりなんとも形容しがたい質の高い映画だったなと思う。

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