◯【68点】DIGGER/ディガー【解説・考察:予告に騙された奇妙な風刺劇】◯

『DIGGER/ディガー』感想:一言でいうと

『DIGGER/ディガー』(2026)を劇場鑑賞。予告編で見たバカっぽい政治風刺コメディを期待していたら、まさかの仕掛けにマジクソびっくり。正直、面白かったというより「騙された!」という驚きの方が強く残る作品でした。

良かったのは、物語の正体が少しずつ明かされるトリッキーな構造。一方で、独特すぎる不快な音楽はかなり人を選ぶし、トム・クルーズの演技も自分には評価が難しかったです。

以下はネタバレありで、舞台劇の仕掛けや結末まで触れます。未鑑賞で驚きを残したい方はご注意を。

製作

2026年アメリカ映画

監督

アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
・アモーレス・ペロス
・バベル
・BIUTIFUL ビューティフル
・レヴェナント: 蘇えりし者

キャスト

キャスト一覧
トム・クルーズ
・ミッション:インポッシブル
・マグノリア
・レインマン
・トップガン マーヴェリック

リズ・アーメッド
・サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~
・ナイトクローラー
・ヴェノム
・ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー

ジョン・グッドマン
・ビッグ・リボウスキ
・バートン・フィンク
・アルゴ
・10 クローバーフィールド・レーン

ザンドラ・ヒュラー
・落下の解剖学
・関心領域
・ありがとう、トニ・エルドマン
・プロジェクト・ヘイル・メアリー

ジェシー・プレモンス
・キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン
・パワー・オブ・ザ・ドッグ
・ゲーム・ナイト
・憐れみの3章

マイケル・スタールバーグ
・シリアスマン
・君の名前で僕を呼んで
・シェイプ・オブ・ウォーター
・メッセージ

バーン・ゴーマン
・ビートルジュース ビートルジュース
・パシフィック・リム
・ダークナイト ライジング
・ジ・オファー / ゴッドファーザーに賭けた男

2026年10月23日劇場鑑賞
2026年39本目

広告




ネタバレ:騙された?入れ子構造の映画

予告編では風刺政治コメディと思えた『DIGGER/ディガー』。
主演にはアクション映画が多いスター俳優のトム・クルーズ。
『トロピック・サンダー』のハゲたデブのプロデューサー以来の、デブハゲメイクで、大統領にも影響力のある石油王を演じるかと思いきや?
という作品です。

前売り券にポストカードが付くということで、最近ポストカードファイルを入手したこともあり、せっかくなので買ったわけですが、まさか批評家評価が低いとは。

Rotten Tomatoesでは批評家評価53%に対して、観客評価は77%(2026年11月1日時点)。日本でも公開初週の週末観客動員ランキングは7位という結果で、初週を逃すとなかなかに観づらい感じで困りました。

しかし観客評価は割と高いという意外な作品なわけですが、鑑賞してみると久しぶりにびっくりしました。

早速ネタバレですが、本作、入れ子構造の映画。
予告編でのバカな感じがずーっと続く不快でヘンテコな映画かな?と思ったら、
それが舞台パートだったという設定が、序盤で判明。

なにも知らなかったのでマジクソびっくりしました。
2023年のウェス・アンダーソンの映画『アステロイド・シティ』に近い構造と言えるかもしれません。
こっちは冒頭にこれから描かれるのは舞台って最初に明かされますが、今作は予告で伏せてたわけで、さすがにイニャリトゥ監督。
かなりトリッキーでした。

確かにディガーが動く世界にはどこか歪さがあって、ヨルゴス・ランティモス監督の2023年の映画『哀れなるものたち』のような絵画的な世界観はあったわけです。

しかしこの入れ子構造はそれだけではないわけです。
この舞台を上演しようとしてる世界そのものにもトリックがあり、それが徐々に明かされていくという構造の映画という巧みすぎる作風。

ネタバレ:近未来ディストピア映画

作品としては、ディガーという石油王が主人公の舞台をやるわけですが、
このキャラクターは映画の世界では実在したキャラクターだったというわけ。
舞台ということで映画の中の創作のキャラかなと思ったら、彼は実際にいた。
このカオスで老人の特権階級者が既得権益のために地球の未来を壊すというアホ過ぎる悪ふざけのような事態は、脚色されてはいるものの実際にあったことというのが映画の後半の終わりぐらいに明かされるわけ。

北極の氷河の底からメタンが噴き出して石油を掘る機械ごと爆発した挙句、壊れた氷河が大移動したせいでヨーロッパは津波による大災害。

さらにはロシア方面からもアメリカ方面へ氷がいっちゃって大津波。
挙句に核汚染物質を含んだ氷への核攻撃で汚染が広がり、氷に封じ込められたメタンの影響でますます地球の温暖化は加速という地獄すぎる未来。

カルト舞台となっていたディガー主役の舞台が超大掛かりになって甦るというわけ。

トム・クルーズが演じたのはディガーを演じるこだわりの強い舞台俳優。
コメディながらもディガーという人物をリアルに演じたいというこだわりの中、実の娘が乗った飛行機が嵐により行方不明になるという不遇極まりない状態。初日前の通しリハーサルで精神的に追い詰められながら、ディガーを演じきるという変な映画。

舞台でのディガーの描き方にブチギレ出すトム・クルーズ演じるカーティスたちを仲裁したのは、実はディガーの甥だったケニーという意外な展開。
この舞台を再演した意味を説いて、丸く収めて舞台は大成功を収めるものの、外には地獄のような汚染された大地が広がり、兵士やドローンが行き交う一方、壊れたロボットが山積みになっていて、ディガーたちがアホやって戦争になった未来を感じさせて終わりを迎えるというかなりイカれた映画でした。

トランプ政権への風刺をやりたかったのかなぁと思うけど、2026年の現実は風刺が笑えなくなるほど異常な感じ。そんな現実まで入れ子構造の舞台劇で描こうとしたのか??難解過ぎる。
しかも舞台名もディガーじゃなくて『化石の愚者(Fossil Fools)』という映画とは違う名称なのもずるいわ。

独特すぎる不快な音楽と音響

今作正直あまりにも歪で、独特な映画だなぁってすっごく感じました。
その理由は、音楽かなぁって??

そもそもこの映画の感想書くのってすっごく難しいなぁと思います。上手く書ける自信もなく、寝かせてしまったところはあります。

映画の中身が入れ子構造で、舞台パートとドラマパートがあるわけで舞台パートも舞台パートでメタ的な構造やトリックが多いんです。
ディガーの家と欧州議会の議場が繋がっているし、なぜかディガーの家は雨漏りをしている。
舞台っぽい演出と映画的なメタファーなのか?舞台がメタ的な構造なのか?すごく意味を考えるのが難しい。

映画には雨漏りの音、野生動物の声などなど、やたら環境音が響く。音楽もアンビエントとも言えるし、コンテンポラリーミュージックのようでもあって、めちゃめちゃ独特。
類似映画は『哀れなるものたち』なんだけど、あっちよりも不快。これがなにを表しているのか?が非常に読み取りづらいのもきつかった。

ちなみに音楽を担当したのはコスモ・シェルドレイク。イニャリトゥ監督は、絶滅危惧種の鳥の鳴き声をサンプリングした楽曲を気に入り、本作への起用を決めたそうです。音響制作にも約1年をかけたとのことで、あの奇妙な音作りには相当なこだわりがあったようです。

疑問:トム・クルーズの演技は評価されるのか?

久しぶりにアクションスターではなく、俳優として勝負したトム・クルーズという印象ですが、果たしてこの演技は評価に値するのか?

映画は8:2ぐらいのバランスで、舞台パートと舞台裏のドラマパートに分かれていました。物語が進むにつれて作品の正体が明かされる構造のため、キャラクターが真実を明かすための装置になっていたように感じました。

トム・クルーズは、特殊メイクでハゲて太ったディガーを演じるベテラン俳優を熱演したと思うのですが、あまりにも装置になってしまって、俳優としての技量が全く見えてなかった。
なんか惜しいなぁって思った。

逆にドラマパートの登場がなかったリズ・アーメッドの方が俳優としての演技力が垣間見えてしまってる感じ。

せっかく近年アカデミー賞を賑わしたザンドラ・ヒュラーも出てるのに舞台パートの装置で中身がなく可哀想でした。
ジョン・グッドマンも舞台だけの登場で怪演しましたが、演じてるキャラがあまりにもカルト舞台系の狂気キャラなので、ここも同じくなんか微妙。
しかし随分やせ細りましたねぇ。

hisSCORE

・脚本のユニークさ、濃さ、テーマ性 6.6/10
・映像のアプローチ 7/10
・映画の美術面 6.7/10
・キャラクターの魅力 6.5/10
・音楽 5.5/10
・上映時間と個人的趣味 7.3/10

68点

非常に評価の難しい映画だなぁと思いました。
面白いと言えば面白いんだけど、構造と予告戦略的にも楽しむより驚いたという感じ。
自分が鑑賞した回では、途中で退出するお客さんもいた。
この映画の正体が最後まで明かされる前に去ったので、それはそれで驚きだなぁと思う。

関連記事

ネタバレ あらすじ

ネタバレあらすじ

石油王ディガー・ロックウェル(トム・クルーズ)は、とにかく猫のマギーを大事にしてる。
猫のマギーは遺伝子治療で30年以上生きていて、体はボロボロで歩くこともできない。
彼は仕事そっちのけで世界で一番優れた獣医師をマギーのために呼び寄せるほどだ。
ディガーはアメリカ大統領コンプソン(ジョン・グッドマン)と結託し、アラスカとグリーンランドで石油採掘を進めていた。
朝から現地でメタンが大量に噴出していると警告を受けるが、彼は採掘をやめさせなかった。
また、腹違いの妹エマ(ザンドラ・ヒュラー)からは、新しく立ち上げたエコエネルギー会社に泥を塗るようなことはしないでほしいと告げられる。

しかし、警告を無視して操業を続けたグリーンランドの採掘現場でメタンが爆発。

巨大な氷棚が分離し、ヨーロッパへ向かって流れ出す。環境安全責任者のガネシュ博士(リズ・アーメッド)は、3日後にノルウェーへ衝突し、北海沿岸に壊滅的な津波をもたらすと警告するが、ディガーと大統領とその部下たちはディガーの家に集まり秘密会議を行い情報を隠蔽することを決定する。

ところが、小道具の故障をきっかけに、ここまでの出来事が風刺劇『Fossil Fools』の一場面だったと明らかになる。

ディガーを演じているのは俳優カーティス・マークソン。

一座は再演初日を目前に控え、本番同様のリハーサルを行っていた。
若手プロデューサーの1人であるケニー(ジェシー・プレモンス)はカーティスの演技をとても気に入り、彼にネクタイの差し入れを行う。
またさらにリハーサルを続けた後の場面転換の際カーティスのもとに、娘ホープを乗せた飛行機がカテゴリー6のハリケーンに遭遇し、消息を絶ったという知らせが届く。プロデューサーのケニーは、独自の情報網を使って捜索に協力すると申し出る。

劇中では、氷棚がヨーロッパに衝突し、北部の主要都市が水没。

欧州議会に召喚されたディガーは責任を認めながらも、自分は世界が求める石油を供給してきただけだと主張し、追及する側の石油依存を突きつける。やがて、ロシアの氷河からさらに巨大な氷棚が分離し、今度はアラスカへ向かう。アメリカ政府はガネシュの反対を押し切って核攻撃を実行するが、氷棚は砕けただけで進行を止めない。
ロシアの氷河には核汚染物質が大量に含まれているようだ。
ここに対して核攻撃をするとはつまり、氷を砕き、汚染をさらに広げることを意味するのであった。

一方、カーティスは舞台の過剰な風刺に耐えられなくなり、現実の出来事を歪め、被害者の苦しみを軽く扱っていると訴える。そこでケニーは、自分が本物のディガーの甥であると明かす。かつてこの劇を見た彼は、叔父への憎しみを乗り越え、人々が共通の悲しみに向き合う場をつくろうと、上演権を買い取ったのだった。その思いを聞いたカーティスは、リハーサルを最後まで続ける。

劇中のディガー一家は、災害後、海上施設へ追放される。5年後、コンプソンの死によって大統領となった元副大統領のエディ(マイケル・スタールバーグ)が資金援助と軍の保護を打ち切ると、従業員たちは食料や金、船を奪って去っていく。追い詰められたディガーは、神に食料を与えろと迫るが、何も起こらない。愛猫マギーの遺灰をまき、甥のカイルと言葉を交わした彼は、汚染された海へ身を投げる。

ディガーの死とカーティスの演技に、客席から拍手が起こる。妻アガサも駆けつけ、ケニーの協力によってホープの無事が確認されたと伝える。しかし、劇場には屋外が「レベル4」の状態にあるとのアナウンスが流れる。観客たちは呼吸用マスクを装着し、外へ出ていく。その先に広がっていたのは、水没した街に壊れたロボットが積み上がり、兵士やドローンが行き交う荒廃した世界だった。

最後に:ご訪問ありがとうございます

あとがき
閲覧いただきありがとうございます。本ブログは筆者の鑑賞記録保管を目的としたブログです。本ブログ記事を読むことで私が味わった娯楽作品のカタルシスを追体験できるかもしれません。ですがこの記事を読むことで追体験するのではなく映画を鑑賞して自分自身でカタルシスを味わってください。私以上の発見と出会うことができるのではないかと思います。本日はご訪問いただきありがとうございます。

関連商品

his0809
育児の影響で更新頻度が落ちてますが、ChatGPTを使って誤字脱字の見直しなどやって効率上げてます。

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村

広告

his0809
↓ふるさと納税、今年は牛タンとカニにしました。上限内なら自己負担2,000円を除いた分が所得税と翌年度の住民税から控除されるのでおすすめです

his0809
↓たまには旅に出てはいかがですか?

his0809
↓過去に妻の誕生日を祝う時に使ったりしました。子供の誕生日とか大事な日のレストラン予約に今度使おっと

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


ABOUT US
his
30代後半のおっさんです。妻と娘と暮らしながら、映画館で注目作を観たり、家でUHDを見たり、PS5でゲームしたりしています。 このブログでは、映画・アニメ・ゲーム・ガンダム作品を中心に、点数つきの感想やネタバレあり考察を備忘録として書いています。 好きなものはガンダム、洋画、洋楽、バットマン。初めて来た方は、映画おすすめまとめ、ガンダム作品レビュー、Rick and Morty感想まとめからどうぞ。