◎【80点】オデュッセイア【感想・考察:神話を現実にする、ノーランの魔法と不器用さ】◎】

クリストファー・ノーラン監督『オデュッセイア』を、グランドシネマサンシャイン池袋のIMAX GT版で鑑賞。80点。結論からいうと、ノーランらしい実景撮影とIMAXの圧倒的な映像を浴びたい人にはかなりおすすめです。

全編IMAXフィルムカメラで撮られた映像、美術、ルドウィグ・ゴランソンの音楽、主演級だらけの豪華キャストはさすが。一方で、神々や怪物が介入する神話特有の不条理さや、アクションの見せ方には物足りなさもあり、ギリシャ神話の予備知識がないと人物関係が分かりにくいところもありました。

この記事は物語の核心や結末に触れるネタバレを含みます。 IMAX GTで観た感想を中心に、豪華キャスト、実際のロケ地、「海の民」の意味なども含めて本音で書いていきます。

製作

2026年イギリス・アメリカ映画

監督

クリストファー・ノーラン
プレステージ
インターステラー
TENET テネット
ダンケルク

キャスト

キャスト一覧
マット・デイモン
グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち
オデッセイ
・リプリー
ディパーテッド

トム・ホランド
・スパイダーマン:ホームカミング
スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム
インポッシブル
シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ

アン・ハサウェイ
レ・ミゼラブル
・レイチェルの結婚
ダークナイト ライジング
・アリス・イン・ワンダーランド

ロバート・パティンソン
・トワイライト〜初恋〜
THE BATMAN-ザ・バットマン-
・ハリー・ポッターと炎のゴブレット
・トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part2

ジョン・バーンサル
ウルフ・オブ・ウォールストリート
・ドリームプラン
・ベイビー・ドライバー
ザ・コンサルタント

コーリー・ホーキンズ
ストレイト・アウタ・コンプトン
・キングコング:髑髏島の巨神
ブラック・クランズマン

エリオット・ペイジ
・JUNO/ジュノ
・ハード キャンディ
インセプション
X-MEN:フューチャー&パスト

ヒメーシュ・パテル
・イエスタデイ
TENET テネット
ドント・ルック・アップ

ルピタ・ニョンゴ
・それでも夜は明ける
アス
・クワイエット・プレイス:DAY 1
ブラックパンサー

ゼンデイヤ
・グレイテスト・ショーマン
・チャレンジャーズ
スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム
△【54点】DUNE/デューン 砂の惑星【解説 考察:ハンス・ジマーの交響曲?】△

シャーリーズ・セロン
・モンスター
マッドマックス 怒りのデス・ロード
・タリーと私の秘密の時間
ワイルド・スピード/ファイヤーブースト

ジョン・レグイザモ
・ムーラン・ルージュ
・スポーン
・サマー・オブ・サム
ジョン・ウィック

ミア・ゴス
・Pearl パール
・X エックス
・フランケンシュタイン
・インフィニティ・プール

ローガン・マーシャル=グリーン
アップグレード
・インビテーション
・デビル
プロメテウス

サマンサ・モートン
脳内ニューヨーク
・イン・アメリカ/三つの小さな願いごと
ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅
・マイノリティ・リポート

2026年9月6日IMAXGT版鑑賞
2026年33本目

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ノーランによって甦る古代ギリシャの英雄譚

紀元前8世紀ごろに成立したとされる古代ギリシャの叙事詩『オデュッセイア』を鬼才クリストファー・ノーラン監督が2026年に映画化。
今作は日本では2026年9月4日にIMAX版のみ先行上映されました。
チケット発売時刻から出遅れたが、グランドシネマサンシャインのIMAX GT版にて激戦を執念で勝ち取り、サイドブロック後方という良席を確保して鑑賞いたしました。

『オデュッセイア』についてはこれまでにも1954年の『ユリシーズ』、1997年のTV映画『オデッセイ』(DVD題『オデュッセイア/魔の海の大航海』)など、ホメロスの『オデュッセイア』は繰り返し映像化されていますが、今作は、通常の映画で使われる35mmフィルムよりはるかに大きな映像情報を記録できるIMAXフィルムカメラで、長編映画として史上初めて全編を撮影した作品。巨大なIMAXスクリーンで観ることを前提に作られた映画として、公開前から非常に話題性も高かった。
映画自体の北米のインターネットデータベースIMDbの評価も高く、2026年9月6日時点でMetacriticではメタスコア88点、IMDbでは10点満点中8.4点を記録しIMDb Top 250でも59位にランクインしている。超高評価映画です。

感想:時代劇映画なのに事象を見ているような変な感覚

今作の第一印象としては、面白かったけどなんか変な映画だったという印象。

歴史から読み解く『オデュッセイア』

まぁ実際にあったことではなく、神話としての創作物の映画化だしまぁそれはそれでいいんだろうけど。
自分自身ギリシャ神話だけにとどまらず以下の時代区分に詳しくないんだけど
あまりにも予備知識がないとわかりづらいと思い調べて表を作った。

時代 おおよその年代 特徴
新石器時代 ~紀元前3000年頃 石器中心、農耕・定住
青銅器時代 紀元前3000~1100年頃 青銅器、宮殿文明、ミケーネ文明など
初期鉄器時代/いわゆるギリシャ暗黒時代 紀元前1100~800年頃 ミケーネ文明崩壊後、鉄器が普及
アルカイック期 紀元前800~480年頃 ポリス発展、ホメロスの叙事詩が成立
古典期 紀元前480~323年頃 アテネ、スパルタ、ソクラテスなど

『オデュッセイア』自体が現在に近い形になったのは紀元前8世紀頃とされているが、物語が振り返るのはそれより数百年前の英雄時代。ただし何百年も口承で語り継がれた物語なので、実際には青銅器時代と後世の文化が混ざり合っている。

本作の舞台となる時代を整理すると
今作は、トロイア戦争があったと伝えられる後期青銅器時代を背景にした、古代ギリシャの神話的な英雄譚なんですよね。

結構普通の映画と違って、この世界には神々も存在する。
主人公であり王様で英雄で勇気と知性と高い戦闘能力を備えたオデュッセウスは、メネラオスの妻ヘレネを奪還するための戦いに参加する。侵略戦争に見えるけど、戦いの発端はそこだったというわけ。
彼はその知性で勝利を手に入れる。けども、その謀略による戦いは公平なものではなく、虐殺に近いものだった。

また、木馬の謀略は、神を讃える贈り物への信頼を逆手に取った手法だった。
それによって、神を讃える贈り物でさえ疑わないと危険、という状況を生み出してしまう。これが、神の名のもとに守られてきたルールを、人々が守らなくなることにつながったのだと自分は受け取った。
オデュッセウスは、自分が崩壊させた公平さやルールというものに罪を感じながら、帰路に神々の世界に迷い込んでしまう。
一方、彼の帰郷を待つ国ではお家騒動が起きている。
この二つの話が同時進行するという不思議な映画。

映画としては彼の回想と同時並行で国というか島の覇権をめぐって若干対立する母と息子、そして国の権力を略奪しようとする悪漢たちの物語なのだけど、そこにオデュッセウスが帰還して、結局バッタバッタと悪漢を成敗していくという、どこか日本の時代劇を思わす物語に収束していくわけ。

映画としてのアプローチは、回想と現在の物語が入り乱れる、いつものノーラン映画風。
『ダークナイト』『テネット』でもお馴染みの、船とか飛行シーンを広角で俯瞰する映像も織り交ぜ、モンタージュな感じで物語を紡いでいく。
その合間には、キャラの表情を中心に見せる会話シーンが入り、『オッペンハイマー』であったような幻影も時折出てくる。
そこに独特の音楽がガンガン鳴り響くなど、個性強めの映画でした。

豪華過ぎる俳優の集結、むしろそのネタが見どころ?

ノーラン作品の常連と初参加の俳優たち

冒頭から『インセプション』で出演したエレン・ペイジが性転換してエリオット・ペイジとなって青年兵として登場し、すぐさま退場?かと思いきや回想やら死者として頻繁に登場という重要キャラで、なんか面白かった。
オデュッセウスを惑わすというかガチ恋してる海の女神をガチで美人なシャーリーズ・セロンが演じてて、平凡な雰囲気をいつだって醸し出すけど好感度が異常なマット・デイモンがガチ恋されてる状態が全然理解できないし、そんな彼女がどうして彼をここに引き止めるのかも語らない、余計なことは語らない切り口のノーラン映画にやきもき。
そんなオデュッセウスを待つのは、年齢が不詳な妻ペネロペ。
近年劇場映画化されている『閃光のハサウェイ』のライバル機体であるペーネロペーはここから来てるのかと豆知識を得た。
劇中では出兵前の20年前と現代パートで登場し確かに若干老けたアン・ハサウェイが登場。
この手の時代劇でも一切セクシーシーンがなく、存在感だけで綺麗さを描くわけだが、なんかまぁもうちょっと女性を魅力的に描くことも試みてほしいなぁと思ったり。

オデュッセウスを支えるキャストとしては、『テネット』でも起用したヒメーシュ・パテル。いい味出してましたが唐突に終盤遭難してさよならなの寂しい。
ジョン・バーンサルが演じるメネラオスは、オデュッセウスと共闘してていい味だしてたけど、現代パートに登場するといまいち立ち位置がわからない。
その妻ヘレネを演じてるのがルピタ・ニョンゴ。ヘレネは顔に傷があるが、その理由は明かされず。
映画としては予備知識がかなり必要か。

また実際に調べると、この戦争はメネラオスの妻ヘレネ(顔に傷があるルピタ・ニョンゴ)をトロイアから奪還することが発端とされていたようだが、
そのシーン自体存在しない謎仕様。物語や時代背景といってもそもそも神話なので正しいかもわからない逸話を知っている高尚さが必要か。

またルピタ・ニョンゴは二役を演じ、ジョン・バーンサル演じるメネラオスの兄アガメムノンの妻クリュタイムネストラも演じている。この二役が、映画を理解することを妨げている。(ルピタ・ニョンゴというアフリカ系の女性が絶世の美女として扱われてる点は自分が思い描くギリシャ神話の金髪白人ふくよか美女イメージとは違うが、映画の個性としてはありだと思う。)
劇中では、凱旋勝利したギリシャの大将アガメムノンをベニー・サフディ(本業は映画監督だが『オッペンハイマー』から2度目の起用)が演じている。
アガメムノンが戦のために娘を生贄として海で殺した恨みと浮気の関係で、妻が彼を殺害するシーンが描かれている。
二役だと知らないと、この妻が顔に傷のある女王ヘレネと同一人物で、この事件が原因で顔に傷がついたのかと思ってしまう。さらに、ジョン・バーンサルが演じるメネラオスが、兄の妻を寝とったようにも見えてしまう。
だが、この二人の女性は別人。妻を奪われたのはメネラオスの方で、その弟を助けるためにアガメムノンが戦士たちを集め、トロイアに攻め込んだというわけ。
ジョン・バーンサル演じるスパルタのメネラオスが甲冑もつけないし最前線で死ぬかもしれない兵士として活躍している違和感もあり、とことんこの物語を理解していないとわけがわからなくなる。

とりあえずジョン・バーンサルが、オデュッセウスの息子を演じるトム・ホランドと仲良くするのが『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』を彷彿してニヤニヤできるのでネタとして面白いですね。

冒頭で『テネット』でエンディング楽曲を担当したトラヴィス・スコットが登場し、ラップではなく英雄譚としてオデュッセウスの話を叫ぶというネタ。

『デューン』しかりアテナとしてゼンデイヤが登場するが、こいつも終盤にネタがあって、オデュッセウスの罪の象徴になっていて、その美しさと儚さのバランスがすごい。

ローガン・マーシャル=グリーンも存在感が薄くどこかトム・ハーディっぽさがあるものの『アップグレード』の人じゃん!となんか内心盛り上がった。

ほぼセリフがないがミア・ゴスもいるじゃん!となったが、ロバート・パティンソンとのネタがあり、ちょい役だけど濃さがあるのねと感動。

またロバート・パティンソンのキモさが素晴らしく。『テネット』でイケメン頼れるバディキャラだったのにこんなにキモいもっさりやろうになれるなんて!と感動しました。あの髪型キモ過ぎる。

マット・デイモンのオデュッセウスが良かった

そしてこの時代劇に凄まじい安定感をもたらすマット・デイモンの万能感。
どう見ても英雄に思えないし、強そうとも思えない。それでも、物語の中で主人公の知性が描かれることで、外見以上の凄さが伝わってくる。そこに映画的な凄さを感じた。
そんな彼と再会する時の各キャラのリアクションがとてもよく、なぜか自分は見てて泣いてしまったし、
それに対してのマット・デイモンのリアクションの虚無な感じも良かった。

トロイアに侵略に行った際の意気消沈してしまうマット・デイモンの表情と予言を受けた後の英雄として生存確定はあるものの仲間を救えない虚無感の出し方や、セイレーンのシーンで磔にしてもらい何故か敢えて狂おうとする彼の姿が妙に泣ける。
全ては素晴らしいルドウィグ・ゴランソンの音楽により盛り上げられているといえど良かったです。
あと、オデュッセウスがポリュペモスの目を矢で撃ったのは、仲間の仇を討つためでもあったけど、それによって、より重い神の怒りを受けようとしていたのかもしれない。
木馬を使った戦法の罪を裁かれたいし、自分が世界のルールを崩壊させたことを恥じて、愛する妻にも会いたくなかった。
そんな気持ちがあったからなのかもと思ったり。

唐突に始まる神々の世界との対峙というホラー

神々の世界に迷い込んだ最強兵士たちがあっけなくむしゃむしゃ首から食べられる感じやばかったです。
どうしてこうなったのかはやはりわからず、ある種不条理だなぁと思える部分もありますが、
一つ目のポリュペモスの不気味な感じ。まさか目が縦で鼻がひん曲がってるとは。人を「ご飯」としか思っていないようで、襲撃というより家畜を管理する羊飼いのように振る舞う描写も、見たことのない怪物の描き方で恐ろしかった。『進撃の巨人』の雰囲気も感じました。

魔女キルケが人を豚に変える不気味な演出も独特で驚きましたし、巨人族とかもなぜいきなり子供は笑い叫んだのかもわからんし、林で木が動くシーンの地面が動いてる感じ、どうやって撮影したのか気になりました?そういう可動式セットを作ったのかな???

スキュラが足しか登場しないで蛸壺みたいな中に入っちゃって笑えました。

「海の民」って結局なんだったの?

あとオデュッセウスたちが航海中に食料なくなって上陸してはご飯を奪ってくの普通に略奪で、しかも正当化した感じで描いてて、なかなか違和感でした。こいつら海賊だなって思いました。これが海の民という意味っぽいけど。
そしてその行いこそが、交易網の破壊や、王国や都市の秩序の破壊につながり各地で蔓延し「後期青銅器時代の文明崩壊」の始まりにつながっていくっぽい。
なお、史実の「海の民」は紀元前1200年前後の東地中海で活動した複数の集団を指し、その出自には未解明の点が多い。「海の民=自分たちギリシャ人」というのは、本作で示される解釈です。

驚愕の映像の数々がすごいのだが|トロイアとイタケのロケ地

やはり今作のすごいところは、映画の美術でしょうか?
冒頭から登場するトロイの木馬。
船のパーツで作りそこに人が入っているという。
さらにそれを運ぶ描写もしっかり丸太を敷いて人が引っ張っている。
CGが多い現代の中で凄まじい描き方。
トロイアの場面は、モロッコの世界遺産アイト・ベン・ハッドゥで撮影。既存の城塞集落に約1万平方メートルもの巨大セットを増築し、アテナ神殿や城門などを作り上げている。さらに高さ約11mの「トロイの木馬」も実物が製作されたようです。
Architectural Digestの制作デザイン記事

なんというか流石ノーラン監督、みんな信頼して出資してるんだなぁと。
あの帆船もどうやって撮ったんだろうと思ったが、実際にはノルウェーで調達した全長約35mの船をギリシャの軍船に改装し、海上で撮影していたという。

イタケの城などもしっかり実際にあるんだろうなぁって

オデュッセウスの故郷イタケの宮殿外観は、イタリア・シチリア島西方のファヴィニャーナ島にある15世紀の「サンタ・カテリーナ城」で撮影されている。一方、求婚者たちが集まる宮殿の大広間(メガロン)などの内部は、ロサンゼルスに巨大なセットを建設して撮影されたようです。

出典:Architectural Digest「Where Was The Odyssey Filmed? How the Blockbuster Came to Life Across Six Countries」(2026年7月20日)

ここがなんか物足りない;大規模な殺陣など

映画としては終始すごいことしてるし、その事象を捉えるような映像が多数あり、
ああ。これもあれも実際に建物壊したりしてるんだろうなぁすごいなぁってビッグバジェット映画の真髄のようなものを拝める感動があるんだけど、戦争映画やアクション映画としてはどうかな?って思うとなんか物足りなかったなぁと。そういえばノーラン『ダークナイト ライジング』の終盤のベインとの戦闘シーンなどなんか面白くなかったんだよなぁ。
アクションシーンも工夫すればもっと面白くなったりできたと思うし、戦争シーンももっと面白くできたんじゃないかなぁって?
戦争シーンでは、多くのギリシャ兵がわーって移動しつつ、奇襲に動揺するトロイア兵や普通に暮らしていた巫女たちを一方的に殺し、ある種の虐殺のように思える。戦線がこう着していたことでストレスも溜めていた兵士たちが、戦士としての野蛮さを発動し、名誉よりも一方的な暴力による憂さ晴らし、その中では強姦も起きているかもしれない、戦いよりはまさに虐殺。
主人公はそれとはズレた心境にいる、という描き方になっている。
単純に「戦闘シーンすげぇ」っていうサンダル映画のジャンル的な高揚感はあえて乏しくして、主人公の精神性にフォーカス。その心情については『オッペンハイマー』と近いことやってるが、もっとその虐殺描写も面白くできたのではないか?って思うのです。

最終盤の侍映画のような殺陣も、薄暗いところでがちゃがちゃしていて、肝心の戦闘で何が起きてるかわからなかったような。そこにパティンソンの実況が入ることで、ギャグな感じにもなってしまっていた。
この最後の戦いには、「掟を破る=文明崩壊」という流れを、成敗によって食い止める意味があるのだと思う。あるいは、自分だけでも、自分の国だけでも掟を守りたいという思いの表れなのかもしれない。けど、戦闘が見づらいことで、その意味までなんか弱くなっているように感じた。

その背景でIMAXカメラによる制約もあるかもしれない。IMAXカメラは約3分ごとにフィルム交換が必要で、巨大な防音装置まで装着して撮影していたという制約もある。そうした撮影方法がアクションの見せ方に影響した部分もあるのかなぁとは思った。

正直逆にリドリー・スコットとかの方が面白くできそうって思っちゃいました。。。

IMAXGTで見たんだけども

今作もIMAXGTのサイズで見ました。
今作は長編映画史上初の全編IMAXフィルムカメラ撮影作品。グランドシネマサンシャイン池袋のIMAX GTでは最大1.43:1まで映像を表示できるため、この映画を見る環境としてはかなり相性が良かったと思う。
実際IMAXじゃないやつを見てないので違いがわかりません。。
最早ずっと画面が大きくて違和感がないのが素晴らしいですけどね。
劇場で2回見るほど好きって感じでもなかったし。ソフトは買うと思うけども。
初めてIMAXGTで映画を観た『ダンケルク』の感動はもう味わえないんだろうな。

hisSCORE

・脚本のユニークさ、濃さ、テーマ性 7/10
・映像のアプローチ 9/10
・映画の美術面 8.6/10
・キャラクターの魅力 8.5/10
・音楽 8.5/10
・上映時間と個人的趣味 8/10

80点

まとめ

172分はそんなに長く感じませんでした。
脇役の俳優含めて豪華で、存在感あったけども調和しきれているか?とかは微妙。
青銅器時代の作風だと『ゲーム・オブ・スローンズ』とかを彷彿してしまいセクシー描写や血みどろの野蛮さを求めてしまうが、全体的に怖いと感じる瞬間はあったものの衝撃的というのは薄かったなぁ。
それはもはやノーラン監督の個性の一つか。

あくまでもノーラン監督の娯楽映画で、得意のシナリオの捻りや時間使いを抑えたシンプル過ぎる良作という印象でした。
音楽もかなり変でしたが、ぴったりだったかはわかりません。
※以下、ノーラン監督の過去作のネタバレにも触れます。

過去作で何が面白かったのかを振り返ると、『バットマン ビギンズ』のバットマンは忍者だったし、悪役が実は冒頭に出てきたリーアム・ニーソンだったとか。
『プレステージ』のトリックの正体までの持ってき方のうまさ。
『ダークナイト』の素晴らしいジョーカー。
『インセプション』の夢の世界での物語というアイデアを具現化する凄さと最後の夢か現実かのオチの面白さ。
『インターステラー』の宇宙での時間の流れの違いと、た。人類を救ったのは、父として娘を愛する気持ちだったというところ。
『ダンケルク』の戦争映画を3つの時間軸で描く面白さ。
『TENET テネット』の逆行というアイデアとスパイモノを融合させた面白さと終盤の建物の破壊描写や逆転の映像などなどのネタ特化の面白さ。
映像の画角、編集と演技の完成度が高く、実は復讐劇だったという怒涛のシナリオのある『オッペンハイマー』に比べると明らかにシナリオにトリックというノーランの得意な嘘がなかった。
むしろ、「トロイの木馬は文明を崩壊させる引き金だった」という、サンダル映画のカタルシスをぶち壊す文学的な解釈をぶっこんでいる。その選択が逆に、映画を突き抜けないものに落とし込んでしまったなぁと個人的には思いました。

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ネタバレ あらすじ

ネタバレあらすじ

※本作は一部、時系列を前後させる非線形の構成で語られ、「魔法が存在するかのように思われた時代……」というインタータイトルから始まる。

ギリシャ神話の時代、紀元前12世紀から13世紀頃、青銅器時代。
現在の地理でいうヨーロッパ南東部、地中海沿岸のギリシャ。その西側、イタリアとの間にあるイオニア海の島イタケでは、20年もの間、王オデュッセウス(マット・デイモン)が不在となっていた。
オデュッセウスはトロイア戦争へ出征して以来、帰還していない。
オデュッセウスは何よりも公平さを大事にし狩りの時に自らの存在を気づかせるように弓の弦を鳴らす変わり者である。

オデュッセウスの妻ペネロペ(アン・ハサウェイ)は出兵直前に夫により自分が帰らない時は、再婚するようにお願いされたため、彼女は再婚のため求婚者に城の門を開放し、ゼウスの掟に従い、全ての来訪者を歓迎し、毎晩城では宴が開かれていた。
貴族アンティノオス(ロバート・パティンソン)をはじめとする複数の求婚者たちは、ペネロペに強引に求婚し、オデュッセウスとペネロペの息子テレマコス(トム・ホランド)から王位を奪おうとしていた。

オデュッセウスが帰ってくると信じているのは、ペネロペ、テレマコス、そしてオデュッセウスの従者で高齢のエウマイオス(ジョン・レグイザモ)だけだった。エウマイオスは片目を失明しており、もう片方の目も高齢のため視力がかなり衰えていた。

ペネロペはテレマコスに、客人と主人が互いを尊重するという「ゼウスの掟」を破る、残虐な「海の民」に襲われることを恐れていると話す。

テレマコスは父オデュッセウスの友人メントールとともに、父の行方を確かめるためスパルタ王メネラオス(ジョン・バーンサル)のもとへ向かう。

そのことを知ったアンティノオスは、テレマコスが帰ってきたところを殺害し、イタケを略奪しようと企てる。

メネラオスとその妻ヘレネ(ルピタ・ニョンゴ)は、テレマコスにトロイア戦争について語るものの、オデュッセウスがどうなったのかについては、彼らにも分からなかった。

一方、女神アテナ(ゼンデイヤ)はオギュギア島にいるオデュッセウスの前に姿を現す。

そこでは、海の女神のカリュプソ(シャーリーズ・セロン)がオデュッセウスに恋心を抱いていた。
そしてオデュッセウスは、記憶が朧げになっており、過去を忘れたまま無人島の砂浜で2人で幸せに過ごしていた。

だがアテナはオデュッセウスに故郷へ帰るよう命じる。カリュプソはそれを快く思わないものの、オデュッセウスに自らの過去を思い出すよう促す。

数年前。

メネラオスの兄アガメムノン率いるギリシャ軍は、オデュッセウスが考案した「トロイアの木馬」の策略によってトロイアを攻略していた。

木馬の中にギリシャ兵を潜ませ、若き兵士シノン(エリオット・ペイジ)を囮として犠牲にする作戦だった。
シノンには作戦の真相は伝えられておらず、トロイア側への伝言役を任されていた。
しかし、シノンはトロイア兵に襲撃される。彼は木馬が平和の象徴として残された贈り物だと告げ、絶命するのであった。

メネラオスとアガメムノンが故郷へ帰還する一方、オデュッセウスは彼らとは別の航路で近道して帰還を考える。副官エウリュロコス(ヒメーシュ・パテル)を含む部下たちは、物資を補給できる島を探して航海を続ける。島を見つけた一行だったが

その島に住むキュクロプスのポリュペモスの住処の洞窟に侵入し、彼に食べ物を恵んでもらう交渉を試みるが逆に閉じ込められ、何人もの兵士を食い殺されてしまう。

オデュッセウスたちはポリュペモスの目を潰して脱出するが、ポリュペモスが父である海神ポセイドンに助けを求めて叫ぶ声を耳にする。オデュッセウスは何を意図してか彼の目にさらに弓矢で攻撃し、神々の怒りを買おうとしているように見えた。

その後、一行は神の裁きを受けるように過酷な海に苦しめられることになる。

彼らはアイアイエ島へ上陸するが、そこで巨人族ライストリューゴーン人の襲撃を受け、大半の仲間を失い、3隻あった船のうち2隻を沈められてしまう。

その後料理をしている民家を発見。生き残った者たちはオデュッセウスを疑い、彼を船に残したまま、民家に行くがそこは魔女キルケの住居であった。
キルケは彼らにご飯を振る舞うが魔法の力で豚の姿に変えてしまう。異変に気づいたオデュッセウスはキルケと対峙し、交渉に成功。

仲間たちを元の姿へ戻させると、キルケはイタケへ帰るためには、オケアノスを越えて「死者の国」へ行かなければならないと警告する。

死者の国(冥府)で、生贄の血を使った儀式を行ったオデュッセウスは、亡くなった兵士たちと再会する。
その中にはシノンの亡霊もいた。

シノンは、自分を騙したオデュッセウスを責めるとともに、アンティノオスに操られた結果、自分がアンティノオスの代わりにギリシャ軍へ加わることになったのだと明かす。最後にシノンはオデュッセウスにこの恨みをアンティノオスにはらすことそして西の海に航海し新天地にて出兵して死んでいって弔われていない兵士たちを弔うことを約束させる。

続いて現れたアガメムノンの亡霊は、自分が故郷へ帰還した際、妻クリュタイムネストラに殺されたことを語る。

かつてアガメムノンは、海を穏やかにしてもらうため、娘イピゲネイアを女神アルテミスへの生贄として捧げており、クリュタイムネストラ(ルピタ・ニョンゴ)はその復讐として王を殺したのだった。

アガメムノンはオデュッセウスに、故郷へ戻る際には正体を隠すよう助言する。

最後に、オデュッセウスは一人で予言者テイレシアスの亡霊と話す。

テイレシアスは、神々の意志によって、故郷へ帰ることができるのはオデュッセウスただ一人であると予言しこの後起こる選択の数々を伝える。

死者の国で、埋葬できていなかったかつての部下たちの亡霊に追われながら脱出したオデュッセウスは、テイレシアスの助言に従い、セイレーンやカリュブディス、スキュラとの遭遇を切り抜けていくが、部下たちは次々に命を落としていく。

トリナキア島では、オデュッセウスは仲間たちに「太陽神の牛を殺してはならない」と警告する。

テイレシアスから、牛を殺せば仲間たちは死ぬと予言されていたためだった。

しかし、飢えに苦しんだ部下たちはその警告を無視して牛を殺してしまう。

島を出た後、ゼウスが起こした嵐によって船は沈没。

オデュッセウスは全員と離れ離れになってしまう。

意識を失ったオデュッセウスはオギュギア島へ漂着する。

そこでカリュプソは彼の心を救うために蓮を食べさせるが、それによってオデュッセウスはトロイアのことも、死んだ兵士たちのことも、家族のことさえも忘れてしまう。そして彼は蓮を好んで食べ続けたことにより、幸せに暮らしていた。

オギュギア島に漂着してから7年後。ここで物語は、冒頭のアテナが現れた場面へ戻る。
カリュプソに記憶の全てを語ったオデュッセウスは帰郷を決心し、カリュプソにより帰郷の方法を告げられる。

オデュッセウスは筏を作り、自らの運命を嵐に委ねる。

そして海へ流された末、故郷イタケへ漂着する。

アンティノオスにより襲撃されたエウマイオスのもとへたどり着いたオデュッセウス。彼から、アンティノオスがアテナ神殿でテレマコスとメントールを暗殺するため、盗賊を送り込んだことを知らされたオデュッセウスは、神殿へ向かう。

メントールは命を落とすものの、オデュッセウスは「シノン」と名乗って正体を隠し、盗賊たちを殺してテレマコスを救出する。

年老いたオデュッセウスの愛犬アルゴスは、主人が帰ってきたことに気づいた直後に息を引き取る。
それを見たテレマコスも、目の前の男が赤ちゃんの時以来会っていない父オデュッセウスであることに気づく。だがオデュッセウスは、正体をペネロペには伝えないようテレマコスに約束させる。

宴の最中、オデュッセウスはアンティノオスに、シノンを裏切ったことについて問い詰める。

アンティノオスはオデュッセウスを激しく殴りつけるが、テレマコスが割って入る。

食事の後。

依然として正体を隠したままのオデュッセウスは、ペネロペに呼ばれたことをきっかけに自らを偽りながらその罪を告白する。

トロイアを略奪した際に「ゼウスの掟」を破ったこと。

アテナの巫女を殺害し、その後アテナ像を冒涜したこと。

そして、自分たちの行為が神を信仰する言い伝えの時代の崩壊の始まりにつながったことを語る。

また、それまでオデュッセウスの幻の中に現れていたアテナは、殺された巫女の姿を取っていたことも明らかになる。

その罪を悔やんだ彼は、イタケに戻ることを恐れ、自分を罰するためにこの旅を選んでまでいた。

さらにオデュッセウスは、人々が恐れていた「海の民」の正体こそ、ギリシャ人自身だったのだと明かす。
そして、自分たちの行為が、当時の王国や都市、交易網が各地で崩れていった「後期青銅器時代の文明崩壊」の始まりにつながったことを語る。
そしてペネロペに許しを請う。

するとアテナがオデュッセウスの前に現れ、その手を握る。

ペネロペは再婚する覚悟を決めたと宣言し、求婚者たちに翌朝もう一度集まるよう命じる。

翌朝、ペネロペはある条件を提示する。

オデュッセウスの弓に弦を張り、並べられた斧の刃の穴を一本の矢で射抜くことのできた者と結婚するというものだった。その弓はオデュッセウスだけが唯一使える弓であり、その矢で射抜くこともまた彼しかできないことだった。

求婚者たちは誰一人として成功できない。

しかしオデュッセウスはそれを成功させ、自らの正体を明かす。

その瞬間、オデュッセウスはイタケを占領し権力を得ようとする者どもを見極め躊躇なく宴に参加した者の殺害を始め、建物の扉を封印する。イタケを占領し、権力を得ようとする者どもを排除するという考えは、ペネロペも同じだった。
広間は戦場と化す。

テレマコスも父オデュッセウスとともに戦い、テレマコスはオデュッセウスの窮地を救い、オデュッセウスは多くの求婚者たちを殺していく。
最後にオデュッセウスは、シノンから託されたくじをアンティノオスに返す。それは、かつてアンティノオスが引いた出兵の当たりくじだった。
オデュッセウスはアンティノオスにとどめを刺し、残った者たちは王の帰還にひれ伏すのであった。

その後、オデュッセウスは王位をテレマコスへ譲る。

そしてペネロペとともに亡くなった兵士たちを弔うため、西へ向かって航海する。
オデュッセウスはペネロペに、これから何世紀もの間、トロイアの物語は歌によってのみ語り継がれることになると話す。後世の人々にとって、文字を書けた自分たちを記憶する手段は、歌だけになるというのだった。

二人は、いつの日か文明が再び築かれることを期待しながら、やがて時の流れがオデュッセウスの過ちを忘れ去っていくだろうと語り合う。

最後に:ご訪問ありがとうございます

あとがき
閲覧いただきありがとうございます。本ブログは筆者の鑑賞記録保管を目的としたブログです。本ブログ記事を読むことで私が味わった娯楽作品のカタルシスを追体験できるかもしれません。ですがこの記事を読むことで追体験するのではなく映画を鑑賞して自分自身でカタルシスを味わってください。私以上の発見と出会うことができるのではないかと思います。本日はご訪問いただきありがとうございます。

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30代後半のおっさんです。妻と娘と暮らしながら、映画館で注目作を観たり、家でUHDを見たり、PS5でゲームしたりしています。 このブログでは、映画・アニメ・ゲーム・ガンダム作品を中心に、点数つきの感想やネタバレあり考察を備忘録として書いています。 好きなものはガンダム、洋画、洋楽、バットマン。初めて来た方は、映画おすすめまとめ、ガンダム作品レビュー、Rick and Morty感想まとめからどうぞ。